1099話 肉体のお世話はアンデッドが致します
〜メグミside〜
中級神<エース>に粘られすぎてストレスが限界突破し、その反動でハッチャケ気味のモンティート先輩は、いつもより切れ味が鋭い!
いや、元々魔王界No.1に長年君臨していたベテランだから、優しいだけの爺さんではなく容赦ない側面もあったんだけど……
神化した影響で若返り、心身共に中年冒険者に戻ったため、精神の成熟度まで巻き戻されて棘が生えたようだ。
「えっ、棘っている? そうかな〜? 同じく若返ったアスタリアの、容赦のカケラもないシバきよりは穏やかだと思うんだけど」
「比較対象が"例外中の例外"っス! アスタリア先輩とサーシャは、別枠なんで!!」
もっとも……ルノーブル先輩的には、憧れていた「若かりし頃のモンティート先輩」が戻ってきて、嬉しいようだが。
「メグミ君は上級神になって、何か変わったこととかないの? 身体が軽くなったとか、肩凝りが治ったとかさ〜」
「う〜ん。1日100時間働けるくらい元気になったつもりだったんですが、サーシャに搾られると相変わらずだったんで……多分、気のせいです」
「ふふふっ。(サーシャちゃんも"強く"なったからね〜。この話題に触れるとセクハラになっちゃうから言わないけど、彼女も"例外中の例外"なんだよ〜)」
僕等がモニター越しに応接室を眺め話しているうちに、ルノーブル先輩は続々とやってくる正規合格者を、テキパキ処理して"器"の中へ。
本体は、彼のダンジョンにいるアンデッド執事達が世話するそうだが……割り当てられたアンデッド執事が、ゾンビなのは気のせいだろうか?
あんな腐った手で水を飲まされたら、腹を壊して下痢祭りになること確実だし、下のお世話も絶対任せたくない!
「わざとっスよね?」
「うん。勿論わざとだよ。ルノーブルは細菌と毒のスペシャリストだからね〜。この類の"ミスに見せかけた嫌がらせ"は、お手のものだ」
モンティート先輩いわく、ルノーブル先輩のダンジョンには、<恵のダンジョン>の<汚物フロア>を凌駕する死地もあるとのこと。
これまでも甘い考えで乗り込んだ魔王はいたものの、皆そういう"搦手"に殺られて生還できなかったため、"怖い"という真実は広まらず……なのだとか。
「ただいま戻りました〜! いや〜、昔に戻ったみたいで楽しいっスね〜。でも痛ててっ、俺の身体は未だ老骨……。ぐぬぬ〜っ!」
「気にするな。お前の寿命は長いんだし、成長の余地はまだあるさ! コソッ(この機会に、ついでに一稼ぎすればいいじゃないか。餌場あるぞ)」
久しぶりに仲間の輪に参加でき、張り切り気味のルノーブル先輩だが、本人曰く「老骨で腰が痛い」らしい。
僕の目から見ると、全身骨である彼の年齢など(神のチカラを使わない限り)分からないのだが……
モンティート先輩いわく「若返った僕と同程度」との事なので、人間で言うところのオッサン病に悩む年頃なのだろう。
「それで、ルノーブル先輩。正規合格者はどんな感じでした? 神の御前に出しても、大丈夫そうですかね?」
「心配するな! いい感じにナメておったし、神々が好む"サンドバッグ"になりそうだ。不手際で何体か逝くかもしれんが、補欠もいるしな!」
なるほど。
分からせビンタで死者を出して、見せしめで大人しくさせる作戦ですね!
本体はアンデッド執事に「腐ったゾンビの手」で世話されて、意識は憑依という形で"器"に入り、神々のお世話(=殴られ役)をする。
家では召使いに世話されつつ、王宮へ出仕したら「王族の下僕」に変わる貴族達と、似た構図だけど……
それに不潔感が加わった分、中間層のカオス度抜群なホラーコメディーになっている。
<−−− ネチョッ、ネチョネチョッ……グチョッ −−−>
「うわっ! ルノーブル先輩、あれって……?」
「マッサージだな。遠路はるばるお越しいただいたのだ。全身を揉みほぐし旅の疲れを癒す、マッサージくらい当然だろう」
ソウデスネ。
そのマッサージで、全身にゾンビの腐液がベチョベチョ付着しちゃったけど、召使いとして「貴人へのマッサージ」はやって当然ですもんね。
「ルノーブル。メグミ君が、よくサーシャちゃんに"眼球マッサージ"もしてもらっているんだ。ほら、ここに書いてあるようにオリーブオイルを使って〜〜〜」
「なるほど。すぐ執事に試させます! オリーブオイルを買うのは……ちょっと経費もかかりますんで、ウチの油を使わせてもらう方針でいきましょう!」
「うん。面白い事になりそうだね〜」
そしてトドメに、「清潔の対極にある油を使った、油で眼球を丸ごと洗う"眼球マッサージ"」のO・MO・TE・NA・SHIがブチ込まれることに。
いくら魔王の肉体が頑丈でも、「それ何処から持ってきたの?」な油を使った眼球丸洗いは……マズイんじゃないかな?
他人事なんで、知らんけどwww
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






