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1100話 とある魔王の悪寒


〜とある魔王side〜




 <農民><小鬼>同盟による圧政に耐えかねて移籍を決意し、気をうかがっていた俺の元に「神と直接話せるチャンス」が舞いこんだ!


 その案件を募集したのが<農民>同盟のドベ魔王<ルノーブル>であり、労働条件も酷いもんだったが……


 この機会を逃せば現役の神様と話すチャンスなど、二度とないかもしれないので、不満を声に出すことはせず応募して無事合格。



 まぁ一部の"落ちこぼれ"以外、皆合格した「受かって当然の募集」だったから、別に誇れる話じゃないが……


 ともかく無事チャンスを掴み、俺は意気揚々とルノーブルに指定された場所へ向い、特殊能力でワープして奴のダンジョンへ着いたのである。



「うわっ、臭ぇ……。さすがアンデッドダンジョン。ゾンビの腐臭が床と壁に染みついてやがる!」


 警戒して防水ブーツを履いてきた俺は、無事脚を護れたが、油断していた他の魔王は腐液染みこみの餌食に。


 きっと数時間後には足が痒くて発狂し、後日"水虫"に冒され地獄を見るだろう。



「それはいいとして、俺……この個室に閉じ込められるのか!? しかも拘束付き!? おぃおぃ、さすがに聞いていないぞ!!」


『ちゃんと募集条件欄に書いてあっただろう。霊体に意識だけ移して、その霊に神々への奉仕をさせるのだから、当然だ! 動かぬよう拘束して何が悪い!』



 チッ!


 ルノーブルの野郎、痛いところを突きやがる!



 たしかに奴の言うとおり、意識を"他の器"に移すときは本体が無防備になるから、安全な個室へ入ってベッドで横になり……


 意識の方に何かあったとき、連れ立って過剰反応し壊れぬよう、軽く拘束するのがセオリー。


 今回ルノーブルは、己のダンジョンに険悪な多数の魔王を迎え入れたのだから、トラブルを防ぐ意味でも「個室へ入れて拘束」は正しい判断だ!



「(正しいからって、ムカつく気持ちは変わらねぇけどな〜。今に見ていろ! 絶対に、強い権力を持つ神のお眼鏡にかない移籍してやる!)」


 強大な同盟に属しているとはいえ、ドベ如きに偉い顔される筋合いなんてねぇんだよ!!






 と内心で吠えつつも、理性のうえでは納得したため俺はルノーブルの指示に従い、個室でベッドに寝て大人しく手足を拘束された。


『安心しろ。お前の世話は、ウチの執事達が24時間果たす。良く教育された者達ゆえ、心安らかに身を預けるがよい』



 意識を霊体に憑依させる際、ルノーブルがそう言っていたので、表にこそ出さぬがそれなりに楽しみだ。


 聞けば、旅の疲れを癒す全身マッサージ等、極上のリラクゼーションを味わわせてくれるというではないか!


 意識が切り離されており、それを心ゆくまで堪能できぬのは残念だが、肉体だけでも極楽へと誘ってほしい!



「(だが、何故だろう? 心なしか、股の辺りが痒い気がする。特に<ピー>とケツが痒い! 拭き残しがある訳でもないのに、不快感がすごいし……)」


 くそっ、次は足の指の間が!!


 俺は水虫じゃないはずだ、どうしてこんなに痒いんだよ!!



「(うっ! 次は、臍が抉られるように痛ぇ! そして目! さっきまで何ともなかったのに、痒いし目やにが止まらない!)」


 いや、でもちょっと待てよ?


 目やにって……今の俺、霊体に憑依している状態だぞ。



 ゾンビと違って、神の御前に出せるだけのダークさを持つ霊体の器だし、当然"目やに"などという概念もないはず。


 なのに、どうして俺はソレがあるように感じるんだ?



「(うおっ、次は口!? なんか臭い! とんでもなく臭い!! 誰だ、俺の口の中に腐肉を詰めこんだ奴は!! …………って、いる訳ないか)」


 いや、待てよ?



 ルノーブルのダンジョンは、アンデッドの巣窟として有名な「臭くて気持ち悪いダンジョン」だ。


 そんなダンジョンに所属する執事なら……もしかして、ゾンビ系のアンデッドだったりして…………。






『安心しろ。排泄物の世話も、毎日の食事介助や歯磨きも……下のプライベートな世話まで、全てウチの執事がやる。お前は、神々への奉仕に集中しろ!』


 とか、言っていたよな。



 つまり現在俺の肉体は、意識がない状態でゾンビ執事に歯を磨かれている状態!?


 いや、ふざけんなっ!



 たしかに"歯磨き"は済むかもしれんが、不潔極まりないゾンビの手を口に突っ込まれたまま、好き勝手されたら……


 雑菌が繁殖して、歯槽膿漏になってしまうじゃないか!!!!



「(それに、歯だけじゃなく全身……特にケツが痒いって事は、つまり…………)」


『安心しろ。排泄物の世話も、毎日の食事介助や歯磨きも……""下のプライベートな世話""まで、全てウチの執事がやる。お前は、神々への奉仕に集中しろ!』



 忘れよう、俺は何も気づかなかった!


 ゾンビが手ずから"プライベートな世話"という名の"拷問"をした可能性なんて、一切気付いていないし絶対に認めない!!



 …………どうしよう、まだ始まってもいないのに…………すでにバックれて帰りたいんだが。

読んでくださり、ありがとうございます!


10月8日に、『クラス全員で魔王転生!』のコミック2巻が発売されました!

興味がある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


詳細ページへは、下の表紙イラストから飛べます↓↓↓

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