1094話 最高の暇潰し
〜ルノーブルside〜
モンティートさんとマサルは押し売り野郎の撃退、アスタリアさん達<鬼女チーム>も動き始めたが、俺は彼等の所へ行けないから暇だ!
「ハァ〜。どうして"一生ダンジョンから出られない"などという制約をつけ、アンデッドマンになってしまったのか。寂しいわい」
<農民><小鬼>同盟の仲間達は、物理的な距離が開いていても皆俺をハブる事なく、仲良くしてくれるが……
現場に出られぬゆえリソース面での恩恵も少なく、俺だけ更に差をつけられてしまった。
「ただでさえ、"<農民>同盟のドベ"と揶揄されていたというのに……。これでは、"後輩にも負けたザコ"と嘲笑われるハメになる」
それに……現場が派手に輝くのはいい事だが、メグミがサーシャちゃんに搾られている間に、任されていた仕事も全て終わり……絶賛、暇だ!
仲間達から、後で「お前、サボっていただろう?」と叱られぬよう、新たな仕事を……俺にもこなせて、実績カウントされる仕事をくれ〜〜!!!!
<--- メッセージが届いております --->
「ぅん? メグミのところの<ブラック>から、極秘メール? 何のようだろう?」
どうせ暇だし、出てみるか。
<ブラック>はその気質から、以前"裏切り"を疑われたが……調べれば調べるほどクリーンな奴だと、分かった経緯がある。
今回も「直属の主人を通さない」ルールに反しているものの、裏切りの可能性は低いと見ていい。
「何だ?」
『ルノーブル様、お疲れさまでございます! 実は、魔王達の間で"移籍の企て"が起こっておりまして〜〜〜〜〜〜』
なるほど。
主人のメグミに報告するまでもないほどの些事であり、かと言って眷属が直接〆られる案件でもないため、チームで一番暇な魔王の儂に回したのか。
とはいえ……
「毎度のことながら、此奴等の脳にはウジでも湧いているんじゃないか? 地獄世界への移動すら不可能な奴が、どうやって他所の世界へ移籍するんだよ!」
地獄世界で離反を企てた神々にも間抜けは混ざっていたが、奴等はあくまでも"自力で移動できた"んだぞ?
それに「献上可能なリソース」も、多寡はあれど持ち合わせていた訳で……何も持たない真性の無能と一緒にしては可哀想だ!
『お気持ちは痛いほど分かります。しかし世の中には、自分の実力や現実を正しく認識できない者もおりますゆえ……』
「分かっておる。今回も、適当にシバいておけば良いのだな?」
『いえ。折角ですから、この機会に彼等を"リアルお化け屋敷"へ招待するのはどうかな〜と♪』
「リアルお化け屋敷?」
『はい! もうすぐメグミ派閥への加入を望む神々が、"面接"を受けにやってきます。その控え室に、移籍希望者の魔王連中を放り込んでですね〜』
「死ぬな。そんな魔境に放りこんだら、ザコい魔王など確実に死ぬ!」
『えぇ。ですが、ルノーブル様の特性を活かして"彼等を霊に憑依させ"、殺されても無限に復活する霊体として送りこめば……』
「なるほど! 控え室でストレスが溜まった神々にイジメられ、心折れて消えたいと思っても霊体ゆえ死ねず、何度も復活しトラウマだけが残る……と」
アイツ等が身の程知らずな妄言を吐くのは、いつになっても自分の実力を正しく理解できず、弁えられないのが原因だ。
ならば言葉で諭すよりも、神の側に置くことでその畏れ多さに触れさせ、小便チビらせて根性を叩き直した方がいい!
『面接に押し寄せる"厄介な神々"を、落とす口実としても使えますよ。好きにイジメさせておいて、面接終了後に"目下の者を虐げた〜"という理由でハネる!』
「そうか! それなら証拠映像も残っているし、"本性が見えた"という正当な理由付けも可能だ。ゴネる神がいても、納得するしかなくなるだろう」
なんせ闇神と討伐軍の上級神達が全滅した最たる理由が、「目下の者を酷く扱い、護衛役の駒が尽きて自ら戦うハメになった」だからな。
それを繰り返さないためにも、目下の者を虐げる傍若無人な神は派閥に入れられない……と言えば、内心納得できずとも反論の余地がなくなる。
「(鬼女チームの役に立ち存在感を示しながら、<農民><小鬼>同盟にとって害悪にしかならないカス共に、現実を教えこめる一石二鳥の仕事!)」
いいぞ。
"移籍"を検討しているアホ共に「交渉するチャンスをやる」と持ちかけ、意識を霊に憑依させ、リアルに化け物しかいない魔境へポイ♪
「やってやる。ちょうど暇していたしな。くくくくくっ!」
『ありがとうございます! ケヒッ♪ ケヒヒヒヒッ♪』
ところで<ブラック>……お前、悪どいことを考えすぎてヨダレが垂れているぞ?
俺も同類ゆえ構わんが、メグミの前では自重しろ。
流石にそのラリッている表情はヤバすぎて、見せたらドン引きされるぜ。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






