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1083話 記憶で遊ばれし者


〜上級神<ゴサン>side〜




 スタイリッシュに物事を教える"教師"の仕事を募集しているというから、他の条件に文句をつけず乗ってやったのに……


 あのクソ働神、いきなり頭がグワングワンするパワハラをかまし、私の大切な仕事道具である脳にダメージを与えやがった!



『(何故だ? 日常業務とか外交の記憶以外、全く思い出せない! いや、仕事の記憶さえあれば働くのには困らないが……大切なナニカを失った気がする)』


 だが自分に起こった変化の原因を探るのも、理由は分からないがダルく感じるようになり、手足を軽く動かすだけでも疲れる。



 というより……全ての物事に対して興味がなくなり、ドーパミンが出なくなってしまった感じだ。


 おそらく働神が、私を害しようと何かしたのだろうが、その"何か"を考えるのすら面倒であり、そもそも何故私が奴にキレているのかすら理解できない。



『(感情を持つのはエネルギーの無駄。特に怒りを抱き、それを"自分の影響の輪の外にいる相手"に向けるのは……報われない愚行の極み)』


 契約を結んで雇い入れられた以上、働神<メグミ>が俺を殺して教えの機会を自ら捨てる訳ないし、とりあえず言われたとおりこなして給料だけ得る。



<−−− バラバラバラバラバラバラバラバラ〜〜ッ! −−−>


<−−− ドサドサドサドサドサドサ〜〜〜〜ッ! −−−>



『ブハッ!! ちょっと待て、この紙の山を"お金"扱いするのは、さすがに反則だろう! どう見ても、子供がママゴトで使うオモチャじゃないか!』


「そうは言っても、そこの国の指導者が<恵のダンジョン>産紙幣を正式に"国の紙幣"として認めた以上、その紙束も"お金"なんで」


『卑怯な……っ!』



 このブラック上司めっ!


 見せかけだけの詐欺求神で、私に不快な労働を強いた挙句……労働の対価である給料すら、ゴミ紙幣で誤魔化そうというのか!!



『(知っているぞ! 製造原価が安いのをいい事に、愚かな為政者達がバラ撒きまくっている実質無価値の……あれ? 無価値の……なんだっけ??)』


 直前まで怒っていた筈なのに、どうして怒りを抱いたのかも思い出せないし、そもそも虚無感でどうでも良くなってしまう。






<<−−− キュイーン♪ 偽記憶データ、インストール中デス −−−>>


『(ぅん? どうして私は怒っていたのだ? たしかに労働内容は詐欺としか思えないクソだったが、こんなに沢山の現金をもらえるなんて……!)』



 現金は、全ての物に交換できる「チート引換券」であり、それを山ほどもらえる仕事なら、どんな理不尽な扱いでも正当化される!


『お金は、数えて嗅いで舐めて貯めてこそ意味がある! 一枚一枚丁寧に数えて、全てのお金と愛し合うんだ!! あ〜、こんなに沢山。幸せ〜〜〜』



 低知能なサル共には分からないであろう。


 このインクの素晴らしい香り、同じようでいて僅かに違うインク滲みの形、刻まれた価値を証明する数字のスタイリッシュさ!!!!



 今すぐこの札束で全身を拭き、どうして給料をもらえたのかすら忘れてしまった、愚かな私を清めたい!


 いや……札束の山に埋まり札束と同化する事こそ、私が悟りを開き「カネ仙神」になるための道であり……今がその絶好のチャンスなのだ!!



<−−− ポスッ! −−−>


『(ふわぁ〜〜〜。インクの香りに包まれ全身を"紙幣"と同化させる、この幸福感…………なぜこうなったか憶えていないが、とにかく幸せ。私は勝ち組だ)』



「ふ〜ん、自認"勝ち組"なんだ〜。ちょっと勢いよく記憶を抜きすぎたのかもね。想定以上にバカになっちゃった。まぁいいや、キャンプファイヤー・スタート」


『え……っ?』






 幸せに浸ったのも束の間……雇用主である働神<メグミ>は、私に支払ったはずの給料に向けて火魔法を放った。


 そして頭上から、嗅いだことのある……だが何か思い出せない、不吉な液体の雨が降ってくる。



<−−− ボウゥゥ……ッ!!!! −−−>


『(熱い! えっ、どうして!? 私のお金が燃えていく!! 止めろ、止めてくれ〜〜〜〜!!!!!!!!)』



 命よりも大切な現金が目の前で燃やされていく喪失感に、パニック状態となり……気付いたら、灰になった現金を抱いて泣いていた。


「やっぱり、紙幣とガソリンのキャンプファイヤー程度じゃ死なないか。とはいえ……そんなくだらないゴミの為に、リソースを使ってくれてありがとさ〜ん」



 私の心を満たしていた"現金"という存在は理不尽に燃やされ、メグミの野郎が何を言っているのか、ショック過ぎて理解できない。


 だが……もう言葉を紡ぐ気力すらないが、これはメグミの野郎が望む展開だったのだろう。



<−−− クチュクチュ……グチュグチュグチュ………… −−−>


「うん、それだけは良かったよね〜。もしアンタが焼け死んでいたら、"中"に寄生した僕の大切な虫ちゃん達まで巻き添えになるところだった」



『……………………』


「という事で、苗床バイトも"完遂"扱いでいいよ〜。お疲れさん♪ 先生(笑)バイトのお給料と合わせて、もう一発"札束キャンプファイヤー"逝っとく?」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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