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読む側だった私が、書く側になるまで  作者: 八坂 葵
『私』を広げた作品たち

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外伝1話 『宇宙皇子』と過ごした青春時代

 さて、本編で上げなかった、読書履歴でも晒してみようかと思います。

 とは言え私の読書量はともかく、読書幅は狭いです。

 だって周回するから。

 その中で本編から惜しくも漏れた、残念賞の作品から。


宇宙皇子(うつのみこ)

 大昔にはアニメ映画も作られ、ファイブスター物語と同時上映とか、今考えたら信じられないくらい豪華なことをしていました。

 まあ私は映画館では見ておらず、その後のテレビ放映されたのを見てたんですけど。


 この作品、何が恐ろしいって、その巻数です。

 新書版だと全五十巻。

 外伝四冊含めると全五十四巻です。

 Gemini調べの怪しいランキングで、過去から現在のファンタジー小説、ラノベの巻数記録第四位の数字です。

 ……一位の『グイン・サーガ』は、もう殿堂入りで良いと思うんです。

 著者が亡くなる前で百二十九巻。

 今や後継の方が書いて正伝だけで百四十七巻超えてます。

 二位の『とある魔術の禁書目録(インデックス)』の諸々込みの巻数のダブルスコア超えてます。


 ……コホン、話を戻しましょう。

宇宙皇子(うつのみこ)』を読んだきっかけは先ほどのテレビで放映されていた映画版を見たからですが、私の中でこの時点ではアニメでしかありませんでした。

 ある日、親戚の家に行くと、本棚に文庫版の『宇宙皇子(うつのみこ)』が並んでいました。

 パラパラとめくると、絵がアニメと違うぅ〜。

 ……まあ、子どものイメージなんてこんなものです。

 いのまたむつみさんのイラストの綺麗さを理解するのはもっと後ですから。


 まあそれでも気になって借りて読み始めました。

 大まかに言うと、頭に角を持って生まれた子ども、宇宙皇子(幼少時代は小子辺(ちいさこべ)と呼ばれてました)が、金剛山に居を置く役小角(えんのおづぬ)に拾われ、仲間とともに圧政に苦しむ民を救うべく動く。

 その過程で霊力が目覚め、仲間のリーダーとなり、天上界を旅し、金剛山のリーダーとなり、様々な試練を乗り越え、やがては虐げられた人々、虐げられた神々と共に、地上に『夢想楽土』という王国を立てようと動きます。

 しかし、その清冽なる生き方でついには『神』の力を得てしまった宇宙皇子(うつのみこ)

 は地上での動きを許されなくなり、同じく『仏』としての力を持ったパートナーの各務(かがみ)と共に天へ昇っていきます。


 端折りまくってこれですか……。

 長いんですって、本当に。


 この作品は、地上編、天上編、妖夢編、煉獄編、黎明編の全五部、各十巻ずつからなります。

 ちなみに地上編の七巻『愛しき太陽(てぃだ)に死す』では、沖縄がまるまる舞台となっていて、そこからずっと仲間になる、キジムナーも出てきます。

 宇宙皇子のキジムナーはかわいく描かれていましたが、最近のやつは恐ろしい化物風になってしまってますね……。

 いのまたむつみさんのキジムナーが好きだったんですけど。


 神のことや仏のこと、清濁併せ呑むとか、飛ぶ前にかがめとか、栄光の撤退とか、色んなシーンが思い起こされます。

 ちなみに飛ぶ前にかがめのセリフは、セレナの九十八話『黎明祭(プリマルクス)』でしれっとオーギュスト様に言わせてたりします。


 考えてみるとこの作品も幼少期の宇宙皇子(小子辺(ちいさこべ))が、青年になるまで(年取らないから年齢はよく分からない)を描いてるので、もしかしたらセレナの話は『本好きの下剋上』ではなく、こちらの方がベースになってる可能性もありますね。

 そうすると、私は『成長譚』が好きなのかな? とも思うわけで。


 ちなみにこの作品、恐ろしい点がもう一つあります。

 全五十巻を、十四年の歳月で完結させてます。

 平均すると三ヶ月から四ヶ月に一冊。

 初期の頃は二ヶ月連続刊行とか、恐ろしいこともしていたそうです。

 しかも作者の藤川桂介先生は、宇宙皇子開始当初はアニメの脚本や構成ダンクーガとかトランスフォーマーとかもされていて、小説だけに活動を絞ったあとも、宇宙皇子以外の作品を書いてるわけです。

 超人的な体力と言う他ありませんよね。

 一日一話更新が大変とか言ってたら、先生に鼻で笑われてしまいそうです……。


 小説を読み始めたのは『ロードス島戦記』が最初でしたが、たぶん『宇宙皇子』もほぼほぼ同時期な気がします。

 つまり西洋世界の根っこは『ロードス島戦記』に、和風世界の根っこは『宇宙皇子』にあるとも言えると思います。


 セレナの世界には神様はメインとしては出てこないので、この作品が絡むことはあまりないと思います。

 さっき挙げたような、セリフだけを使わせてもらうことがあるくらいかなと。

 しかし、もし私が和風ファンタジーを書こうとしたら、たぶんこの世界観がベースとなって描かれるのは間違いないと言える作品です。

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