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アフロディアックスウェスト - 第03話「紅きチカラ」   作者: アフロディアックス


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4/4

●act04: 「癒しの光」


ニッキーたちはケンジを連れ魔獣の居る森にまた向かった。

ロッコの馬の後ろにケンジを乗せて。


魔獣の居場所に近づき、馬を降りる。


「武器は置いていってくれ。魔獣が怖がる」


ニッキーはロッコを見ながら、

「わかったわ。でもこの人は刀を手放すことができないの。

お願い、彼だけは許して」


ケンジはロッコを睨み、

「ならお前はここで待ってろ」


「いいや、ニッキーが行くならオレも付いていく」


ケンジはニッキーを見て、

「じゃあ、お前も待ってろ」


するとケリーが言った。

「ニッキーは必要だ」

交渉上手のニッキーが同行しないと町の人たちにうまく説明ができないことをケリーは懸念した。


ケンジはため息をつき、

「はあ、、、なんなんだお前ら、、、」


ロッコはすましたニヤケ顔でケンジを見ていた。挑発しているように見て取れる。

だが、ニッキー、ケリーはそれと違った。真剣に話しているように見えた。


この男は気に入らないが、この女 ニッキーは信用できるとケンジは考えた。

今回の件を争いを避けて解決しようとしている。

この男が刀を手放せない理由はわからないがニッキーの言葉に嘘はないだろう。


ケンジはロッコを睨み、

「わかったよ。おいお前、刀抜いたら殺すぞ」


「おお、怖~っ」

ロッコがからかうようにおどけた。


いちいち癇に障る男だ。

ケンジは思った。



森の中を進んでいくと、あの黒い馬が駆けてくる。

ケンジの前で止まりすり寄った。

そんな馬の頭をケンジは抱いて、

「メリー、寂しがらせてごめんな」


そしてオークベアもその巨体を表した。

ケンジはオークベアと対峙する。

「コイツらは大丈夫だ」

そうケンジがオークベアに言うと、しばらくしてオークベアは背を向け歩きだす。


ニッキーたちはその魔獣に付いていく。


洞穴があり、その中に入る。

中に四頭のオークベアが居た。

外に居たオークベアと合わせて五頭。

三頭は子供のようで人より小さい身体。


洞穴の中にいた大人のオークベアの一頭が足を延ばしており、その足首には深い傷があった。

一番小さいオークベアがその傷を舐めている。

傷を治そうとしているのだろう。


ケリーが尋ねる。

「怪我をしているのか?」


「だから治るまで動けねぇ。人が仕掛けた罠にかかっちまったんだ」


ニッキーが言う。

「ならそれを町の人たちに言えばいいじゃない」


「だめだ、人は魔獣をよくおもっていない。弱みを見せたらますますこいつらを襲ってくるぞ。こいつらだって、ここに居たいわけじゃない。だけど傷が深いせいか治りがわるい。このままだと動けなくなってしまうかもしれない」



人が狩猟のために仕掛けた罠で傷つき動けなった魔獣。

魔獣たちのせいでない。

人の仕業で動けなくなってしまった魔獣を、人は退治しようとしている。

ニッキーはやるせない思いにかられた。



ニッキーはケリーが魔獣に近寄るのを見る。

「ケリー?」


ケリーは傷ついた魔獣の前に膝をつく。

そしてケリーは傷口を舐める小さい魔獣の頭を撫でた。

すると、小さい魔獣は顔を上げケリーを見つめる。

その魔獣に優しく微笑むケリー。


やがて小さい魔獣は譲るように傷ついた魔獣から離れた。


ケリーは傷ついた魔獣を見上げ声をかける。

「いいか?」


うなずく魔獣。


ケリーは魔獣の傷口に手を当てる。

手元がひかり、ケリーのペンダントも輝きだす。



ケリーの光のチカラ。

だがそれは眩しく力強いものではなく、

ニッキーには崇高な暖かなもののように見えた。




しばらくののちケリーの手の光が消える。

ケリーは立ち上がろうとしたがふらつき倒れそうになり、デレクに支えられる。


ニッキーはケリーに駆け寄った。

「ケリー!」


「あたしのチカラでは、、、蒼のチカラがあれば、、、」


ニッキーは呟く。

「アオのチカラ?」

ケリーは自分のペンダントの宝石を『紅きチカラの石』と言っていた。

なにか別なモノがあるのか?


ケリーはケンジに言う。

「ケンジ、お前のチカラを貸してほしい。光は力の源だ。魔獣の癒やす力を高められる」


「オレに?」


ケンジはケリーに言われるまま魔獣の傷口に手を当てる。

その上にケリーが手を添えた。

「念ずるんだ。魔獣を想い力をあたえるんだ。あたしが導く」


またケリーの手元がひかりだす。

ケリーのペンダントも輝く。


明るい、でも眩しくない。

温もりを感じる優しい光。


その手に小さい魔獣は近づき頭をのせる。

その仕草はまるで傷が治るよう願いを込めているようにも見えた。

相手を想う心。願い。





しばらくして光が消えた。


よろめくケンジ。

足に力が入らず尻もちをついてしまう。


立ち上がる魔獣。

傷は消えていた。


その姿を見てケリーは安堵の笑みをうかべる。

「よかった、、、」



「オレにこんなことができるなんて、、、」







魔獣たちは洞穴を出て去っていく。

傷ついていた魔獣は母親なのだろう、一番小さい魔獣を背に乗せていた。

背に乗る魔獣はしがみつき顔を親の背に埋めている。

他の魔獣も傷ついていた魔獣を気遣うように歩んでいく。

この五頭は家族なのだろう。


愛する家族を守るためにここに居た。

魔獣も人と変わらない。



それを見送りロッコがケリーに尋ねる。

「あいつらどこに行くんだい」


「わからない、でも新しい居場所を見つけて、そこで未来を育むんだ」


「ふーん」






魔獣が去ったあと、ケンジも旅立ちのため黒い馬 メリーに乗る。

「オレも退散するよ。

町の連中に目ぇ付けられちゃったからな。

ケリーありがとな。

魔獣を助けてくれた。

チカラの使い方も教えてくれた。

これなら、もっと人や魔獣に役立つこともできる」


「光の力はあたしより、お前のほうが強い」


「そうか、でも使い方がわかってないとな」


「ダイナフォレストに行くのか?」


「ああ、親父の故郷を見てみたい」


「あそこにはなにもないぞ。村はあったが、今はもうない」


「どういうことだ」


「忠告したぞ、あそこにはもうなにもない」

そう言ってケリーはケンジに背を向け離れる。



ニッキーにはケリーの言葉が嘆きに聞こえた。

『ダイナフォレストにあったヤポンの村』

ケリーの言葉から、いまはもうそこには誰もいないようだ。

いったいなにがあったのだろう。

いつか、ケリーは話してくれるだろうか。



そんなケリーを見てケンジは、

「なんだあいつ?」


ロッコが応じる

「さあね」


「ま、いいさ、ないならないでそれを確かめにいくさ。

いまオレが行きたいところはそこなんだ」



そしてケンジも黒い馬メリーと共に去っていく。




ケンジを見送りながらニッキーが呟く。

「おもしろい子ね」


するとロッコが、

「なんだ、あんなのがいいのかい?」


そんなロッコにニッキーは目ざとく反応する。

「あら、嫉妬しているの?」


「そんなんじゃないよ。ハートお嬢様も趣味がワルイ」

ロッコはニッキーに背を向ける。


ニッキーは嬉し気に、

「もう、妬いているんじゃない」









ケンジの後ろ姿を見届けケリーはひとり呟く。

「、、、必ず取り戻す、、、!」









つづく









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■次回予告


ケリー:「臭い」

ロッコ:「臭い、くさい、クサーイッ!!」

ニッキー:「うるさいわね、これくらい我慢しなさい。ハートの未来がかかっているのよ。」

ロッコ:「ハート財団がこんな悪臭の環境をつくるために、多額の投資をしていることに抗議するーっ!」

ニッキー:「いい加減にしなさい!」

ロッコ:「イテテテッ、、、」



次回

アフロディアックスウェスト

「ハート財団」



ケリー:「っで、ハート財団ってなに?」

ロッコ:「オイオイ、そこからかよ、、、」



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