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人魚無双~幼女になって転移した先で推しの幸せのために私は生きる~  作者: 景華
第3章 そして少女は彼と出会う

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私と彼の1週間ー6日目ー深夜の呼び出しー

ついに彼女から呼び出しが……!!


 コンコン──。


 修行から帰ってシャワーでも浴びようと準備を始めたその時だった。

 控えめなノック音が、私の部屋と繋がる、未来での先生の部屋に響いた。


 シリル君かな?

 ここのことを知っているのは、フォース学園長とシルヴァ様以外では彼ぐらいだし。


「はーい。どうしましたー? 何か伝え忘れでも──」

 どうせシリル君が何か伝え忘れでもして引き返したんだろう。

 そう決めつけて扉を開けた私は、予想外の人物の訪問に思考を停止させた。


「こんばんは」

 え……なんでここに?


「──エリーゼ」

 パステルグリーンのネグリジェ姿のエリーゼが、そこにいた。


 天使か!?

 天使がいる!!


「ヒメ、ちょっといいかしら?」


 呼び出しーーーー!!!!

 『ツラ貸せや』ってやつ!?

 私、体育館裏に連れて行かれるの!?


「ふふっ。そんな顔しなくても取って食べたりはしないわよ」

 苦笑いを浮かべ「話がしたいの。ついてきて」と言って踵を返して歩き出すエリーゼ。


「へ!? ちょっ、ちょっと、待ってくださいっ」

 慌てて鍵をかけてから、彼女の後を追う。

 早い!!

 ちょっ、足のリーチ考えて!!


「し〜っ!! 今日の見回りは、騎士科のジゼル先生よ? 見つかったら長いんだから!!」

「げっ……」

 それはまずい。

 あの厳格なジゼル先生に見つかってお説教されるのは嫌だ。


 未来では『ジゼルかシリルか』と並べ恐れられるほど彼女のお説教は恐ろしく長い。

 そんな彼女に捕まるなんて絶対にごめんだ。


 目の前の美しい天使についていきながら、声のボリュームを落として尋ねる。

「あの一体どこへ?」

「ふふふ、私のお城よ」

 いたずらごとを考えている子どものように笑うエリーゼに不安を感じながらも、私はひたすら彼女についていく。


 薄暗い石造りの渡り廊下を抜け、校舎を出たところで、突然エリーゼが立ち止まった。


「エリーゼ?」

「シッ!! こっちへ!!」

 ぐいっと手を引かれ、(わき)の茂みへと身を潜める。


 え? 何事!?


 身を低くして彼女の視線の先を見てみれば、燭台を片手に見回るジゼル先生の姿が──。

 あっぶなぁぁぁぁっ!!


「ふふっ。なんだかかくれんぼしてるみたいでワクワクしちゃうわね」

 小さな子どものように無邪気な笑顔で笑うエリーゼ。


 友達とかくれんぼをするってこんな感じなのか。

 そういえばしたことがなかったなぁ。

 大体の人にとって当たり前の子供時代を過ごすことなく過ごしてきた私には、なんだか新鮮に感じられる。


 それにしてもいい匂い。

 エリーゼの甘い香水の香りが鼻腔をくすぐる。


 あぁ、女子だ。

 本物のお嬢様の香りがする。

 私みたいななんちゃってプリンセスとは違う。

 私なんて、魔物の地や汗や泥に塗れてそんな匂いしないもんねぇ……。

 残念系女子……。


 手の綺麗さも、匂いの良さも、私とは正反対だ。

 ……うん、香水についてはちょっと元の時代に帰ったら考慮しよう。

 あまりにも女子力が低すぎる。


 私が元の時代に戻ってから女子力を向上させようと決意していると、勢いよくエリーゼが私の手を取って立ち上がった。


「よし!! 今よ!! 走って!!」

「ウエッ!?」


 私は手を引かれるがままに、エリーゼと学園横の建物へと駆けた。


「それにしても、よく私の部屋がわかりましたね」

「あぁ、あなたと話したいなって思ってうろうろしながら待ってたら、あなたたちが二人仲良く帰ってきたから、こっそりついて行ったのよ」


 気づかなかった……。

 さすが聖女。

 気配を消すのもお上手で……。



 建物の中は薄暗く、エリーゼが聖魔法で出現させた、申し訳程度の小さな光を頼りに階段を登る。


「ここよ」

 しばらく登った先でエリーゼが扉を開けると──そこには楽園(パラダイス)が広がっていた──……。



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