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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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第3話 楓の変化と学園

軽い説明回?


「まずは、私に起きたことから。といってもあんまり大きな変化はないんですけどね。

昨日皆と別れて向かったのは、神の領域です。そこでやらねばならないことができたので。そこで何をしたのか簡単に言うと、人でありながら神に至る儀式ですね。特に難しいことはないんですが、前提条件として上精霊と共にいること、また英霊でも可。持ち主の格が上がると自然と精霊の格も上がります。精霊も英霊も神霊に至ります。話は少しそれますが、精霊の中にも属性がありそれ毎の頂点が存在します。フウちゃんがそうなんですけど、その場合は精霊神・刀となります。刀はフウちゃんが刀の精霊の頂点だからですね。炎なら精霊神・炎。水なら水、風なら風といったふうに。で、話を戻すと、私の格も上がったわけなんですが、私にはもともと神の力が流れていました。つまり、半神半人状態だったわけです。それを儀式による調整で、現人神へと至りました。神にも所属や属性なんかもあるんですが、今後のことがあるのでその辺は後回しにしました。現人神になるにあたって一つだけ予想外なことがありました。マリア様とレオニカさん以外は知ってると思いますが、この姿は仮の姿だったんですが、元の姿に、柊の姿に戻れなくなってしまいまして」


「楓、それはもしかして」


「本来の天咲柊の姿に戻れなくなり、その天藤楓の姿が本当の姿になったと?」


「その通りです。正直予想してなかったんですが、特に不都合はなかったんで諦めました」


そこまで聞いて黙っていたマリア様がおずおずと手を挙げた


「どうしましたか、マリア様」


「今の話で気になることがたくさんあったのですが、楓さんが実は男だったというのは本当ですの?それに天咲柊という名は」


「すべて事実じゃ」


「学園長は知っていらしたんですの?」


「儂らが知ったのもつい最近じゃ。聞いたときは儂らも驚いたもんじゃ」


「そうだったんですか。しかし楓さん、何故そんなことを?」


「この姿でいるのは、単純に天咲柊の姿でいると悪目立ちするからです。素性も何もわからない養子でありながら、現当主天咲皇のお気に入り。家族も門下生も疎ましく思うでしょう?しかも、知らないところで才児とか言われてたらしいですから。家を出て学園に来た理由は、家にいると周りの視線が面倒なのとこの世界の『最果て』を目指すためです」


「最果て?」


「聞いたことがないな」


「…楓さん、それは本気かの?」


「学園長は何か知っているんですか?」


「…あまり知られたくないことじゃが、儂が言わなくても楓さんが説明してしまいそうじゃし良いか。ハァ~」


溜息を洩らし、学園長は『最果て』について語り出す


「皆はこの世界の向こう側を知っているか?」


「向こう側?」


「この世界の向こうに何かあるんですの?」


「まぁ知らんじゃろうな。実際儂も知らん。過去に何人もの学者と冒険者が『最果てを目指し旅立った。しかしその者たちは、いまだ戻っておらん。最近分かったことじゃが、『最果て』に近づくにつれ、魔物の強さも上がるようなのじゃ。近づくにつれ何て言ってはいるが、本当に近づいているかはわからんのじゃ。魔物の強さが周囲のものと比べ物にならないことから勝手に推測しているだけのことじゃ。楓さんは何か知っているんじゃないかの?」


「その推測は正解です。魔物は『最果て』から遠ざかるほど弱くなります。普段王都近郊で狩られている魔物は、野生動物が魔力に充てられ狂暴化したものです。しかしそうじゃない魔物、例えば『最果て』付近のものや過去この世界に厄災をもたらした魔物なんかは、この世界で生まれたものではなく、『最果て』を通って外から来たものです」


「「「「「「外?」」」」」」


「『最果て』はそもそも、神が世界の人々でも対応できるようにと作った結界の一つです。外に存在する魔物は、神の領域に住まう者たちが本来討伐すべきものです。ですが、ある時から魔物の数が増え、討伐しきれずこの世界に入ってきました。その時の経験を活かし、魔物を弱体化させる結界を作り、この世界の人間でも対応できるようにしたのです。今まで、『最果て』を目指した人たちは途中で魔物にやられたか、運よく『最果て』に辿り着き、外に行ってしまったかのどちらかでしょう。私が『最果て』を目指すのはその向こう側を知るためです。っと話が大きく脱線してしまいましたね。話の本題、この国に起きるであろうことについて」


話がそれてしまったが、おかげで説明が多少は楽になりそうだ。


「先程、この世界に厄災をもたらした魔物がいたといいましたが、その魔物は討伐されていません。神がこの世界の人間と協力しても、なお封印することがやっとだった魔物が、この学園の地下に」


「楓さん待ってください!そんな記録は学園の書庫にも、王城の書庫にもありませんわ!?」


「儂もすべてを覚えているわけではないが、学園の過去の記録にもそんなものはなかった」


やはりなくなっていたか。いや、たぶんあることにはあるんだろう、王城の禁書庫に。


「そうでしょう。でも、記録は王宮の禁書庫にあると思います。そんなことが知れたら、この国の民は逃げてしまう。そうさせないために、いくつも前の王が隠したのでしょう。

こんなものはただの迷信だ。こんな迷信が広がったら堪ったもんじゃないと。

この学園の創立者の遺言、本来の創立目的からも目を背けた」


「創立者の遺言?」


「本来の創立目的?」


「この前、花畑に行きましたよね?あそこにあるお墓は、この学園の創立者であり、封印された魔物と戦った一人です。そして、その人の遺言が『この封印は、数百年は保つ。だから、その間に優秀な人材を育成し、技術や武術、魔術を継承し、ヤツを倒せるように備えてくれ』と。そのための学園です」


「この学園にそんな目的が…」


「ヴェリーローズ学園、ローズの方は特に意味はないですが、ヴェリーは多少の省略はされてますが、戒めという意味を。セージョ祭、これは魔物を封印したことを祝うもので、封印祭。武闘祭はそのまま、魔物と戦う者の実力を見るもの。そういった意味が込められています。私も、昨日この意味に辿り着いたばかりですけど。で、学園の地下に封印されている魔物の正体ですが、あれは外なる神、この世界を管理する神と大きく異なった存在です」


「それは、どれほどの強さなのじゃ?」


「主神クラスが束になって協力しても封印がやっとですからね。相当なものかと」


「封印はいつまで…」


「後、二か月ほどは」


「二か月…。楓さん、儂らにできることはあるかのう?」


「楓、私にも手伝わせて」


「楓さん、私も手伝いますわ!」


「楓!私も手伝うぞ!」


「私も手伝いますよ」


「もちろん俺もだ!」


「姉様、皆さんにこの話をしたのは、最初から協力を呼びかけるためですよね」


「そうだけど…。人をやめるかもしれませんし、死ぬかもしれませんよ?」


確かに、最初は協力を呼びかけるつもりでいた。けど、自分の方から手伝わせてくれと言われると、なぜか臆してしまう。


「…無茶するのだけはやめてくださいね?」


「承知じゃ」「ん!」「はいですわ!」「もちろんだ!」「はい!」「おう!」


そういうと、皆は強く返事をしてくれる。


「では、やることを説明します」


各々にやってほしいことを説明する。


「エレノアさん、ティアさん、シルヴェルト先輩、マリア様、レオニカさんは私と一緒に神の領域に行きます」


「「「「「え?」」」」」


「皆さんには前線で戦ってもらいますから、手っ取り早くレベルアップしましょう。学園長には、国の各所に近いうちに大きな戦闘がおこるから、そのための対策をしておくようにと」


「国王様には伝えんのか?」


「事実を迷信とし、忘れ去った王家に?先代の王ならまだしも、その王を暗殺して即位した現国王に伝える必要はありません。伝えても無駄ですから」


「なんか今、ものすごい重要な情報があった気がするのじゃが」


「先王の暗殺ですか?事実ですよ。急病ってことになってますけど、怪しすぎるじゃないですか。だから、ちょこっと神の力を使いました」


「……楓さん、何か証拠はありますか?」


「証拠ね~。あ!現国王が暗殺を依頼した時の書籍ならありますよ?」


思い出したそれを、指輪型収納魔道具から取り出す


「なんでそれを楓さんが…」


「いえ、実家関連で私のところにも来まして、その時に」


私が家を出て、しばらくしてのころ、出会った商人がそうだった。襲ってきたから、返り討ちにして拠点もつぶした。その時にこの書類を見つけ持ち出した。暗殺者から情報もちゃんと喋ってもらって記録したので間違いはない。


「それにしても、驚く暇もなく次から次へと…」


「楓といると退屈しない。まだ数日だけど」


「学園生活が楽しくなる予感ですわ!」


「一部の男子は色めき立っているしな」


「オーデンよ、早く可愛い孫娘を」


「楽しくはあるのですが、学園長が鬱陶しくなりましたね」


「楽しいならいいじゃないですか。封印は二か月後ですが、選挙が終わる前に仕掛けます」


「どうして?」


「選挙が終わったら、すぐにセージョ祭じゃないですか?忙しくなる前に片したいんですよ」


「なるほど。しかし演説は?」


「そこで学園長、お願いです」




「…それは構わん。が、特例か…。幸い、他の立候補者は辞退したと聞く。じゃが、それで認めるかは」


「生徒一人一人。わかってますよ。演説が必要なら、そうします。よし!明日から、特訓を始めますがいいですか?」


「「「「「はい!」」」」」


いい返事をしてくれる。頼りになるな~


「では、今日は解散!明日の放課後またここで。っと、学園長すいません、少し残ってもらえますか」


「分かった」


学園長を呼び止め、ほかの五人が部屋を去るのを確認してから


「いきなりですが、国王の件でお願いしたいことが」


「話を聞かせてくれ」


「今回の魔物…神との戦いは、確実に国民に見られることになります。それを利用して、国王の入れ替えを行いたいと思います」


「国王の入れ替え?」


「はい。マリア様は、この戦いに自身も参加します。その勇敢さを称え、私たちが支援します。国民からの人気もあるみたいですから、ほかにも支援してくれる人は出てくると思います。それと同時に、先王暗殺の罪で現国王を告発します。証拠もあるので逃しませんが、もしものことがあれば、私が王を殺してでも、マリア様を即位させます。私利私欲のために即位した王なんていりませんから」


「後半かなり過激じゃな。じゃが、わかった。知り合いのところにも協力を呼び掛けておこう」


「ありがとうございます。バレることはないと思いますが、無茶をせずにお願いします」


そうして、私と学園長の秘密の話は終わり、明日からの自分の役割を果たすため、休息をとるのだった。


学園長も帰った後、フウちゃんが


「姉様、どうしてして皆さんを神の領域に?」


「イリス達にね、言われたんだよ。現人神とまではいかずとも、神の力を操ることができるかもしれないと。だったら、今後のことも考えたら、覚えておいて損はないと思ってね。それに…いや、これはその時のお楽しみにしよう。それじゃ、フウちゃんお休み~」


「…おやすみなさい、姉様」


返事もそこそこに、楓は眠りに落ちるのだった。


この話を書きながら考えてたんですけどね、二章の構成を大幅に変更することにしました。

詳しくは書きませんが、いろいろとカットしてサクサクっと行こうかなと。

文化祭の回を考えてたら、自分が高校の時にやった文化祭の内容全然思い出せなくてw

選挙もそうですが、正直うろ覚えなんですよね。自分が立候補したわけじゃないですし。

全カットはしないので安心してください!w


ではまた次回!


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