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最果ては遠く 休載  作者: 鯉狐
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第4話 神域と修行

一週間といったなあれは嘘だ!


はいすいません。仕事で家を空ける時間が長く、なかなかPCを触れませんでした。

代わりと言っては何ですが、今回は少し長めになってます。それでご容赦を


一夜明け明朝


「神の領域…面倒だから、神域って言いますね。神域に来たわけなんですが、マリア様とレオニカさん、シルヴェルト先輩はイリスとナズチの訓練を、エレノアさんとティアさんはバハムートとフェンリルと私の三人の訓練を受けてもらいます」


「その分け方には何か意味があるのですか?」


「エレノアさんとティアさんは現人神に至る可能性があるので、一番過酷な訓練を受けてもらいます。マリア様、レオニカさん、シルヴェルト先輩も至る可能性はありますが、三人はそこまで追い込む必要がないのでこうなりました」


「追い込む必要がないだけで、厳しい訓練は必要なんですね」


「そうですね。正確には、封印された魔物を倒したとき、至るように調整するんですが」


「調整?」


「どういうことですの?」


「封印された魔物は、外なる神です。そいつを倒して自分の力にして、現人神に至ってしまおう!と考えてるわけです。私が所属を決めてないのも、この考えが影響しています。相手が外なる神となると、今ある枠に収まらない可能性が大きいので、それに対応するためです」


「なるほど」


「それはわかりましたわ。しかし、それで勝てるんですの?」


「戦力はここにいる六人だけなのか?」


「封印するのがやっとだった相手にその人数は無謀すぎないか?」


「楓さんには何か考えがあるんですか?」


「…えっと~…」


何も考えていない。頼りになる戦力なんてここにいるメンバーしかいない。イリス達は縛りによって戦えない。


「姉様」「楓」「楓さん」


「「「考えてない?」」」


「テヘペロ☆」


…………………

誰一人として言葉を発せない状況が続き、その原因の楓が沈黙を破った。


「すいませんでした!何も考えていません。他に頼りになりそうな人がいなかったんです。というかそもそも、友達いないんで声掛けれなかったんです!」


「姉様…。ぶっちゃけましたね」


「仕方ないじゃん!繰り返すようだけど、ここにきてすぐ武闘祭。生徒会役員選挙に神の討伐計画。息をつく暇なかったんだよ!?編入試験や武闘祭で目立ちすぎて、変なファンクラブ?みたいなの出来てるし、皆遠くから見るだけで話しかけてくれないんだよ?私から行っても、皆ぎこちないし、どうしろと!?」


「楓落ち着いて」


「姉様、流石に泣くほどのことでは」


「うるさいよ!うぅ~」


泣くほどではないが、目じりに涙が溜まっていることだろう。

大袈裟と言われるかもだが、友達がいないというのを自分から暴露するのは少し悲しくなってくるのだ。地味にダメージを食らう。

普通の友達が欲しいのに、周りに集まってくるのは、ファンクラブか何かのメンバーばかり。友達の枠を超えている。マリア様、エレノアさん、ティアさんにも同様のファンクラブが存在する。なんでも私を加えた四大派閥ができているそうで、学園の外にもファンクラブメンバーがいるそうだ。マリア様とエレノアさんは、去年からのことで慣れているそう。ティアさんは、今年からいきなりにもかかわらずその状況に順応している。なんでこの状況に順応できるのか不思議すぎる。


「そんなことより姉様」


「フウちゃんが辛辣で私泣きそう」


「姉様!」


「はい。ごめんなさい。で、なんでしょうか」


「何も考えてない。そう言いましたが、嘘ですよね?」


「嘘?」


「どういうことですか?」


「では、何か考えがあるんですの?」


「正確には、安全策が無いだけで、博打なら考えがある。といったところだと思います。違いますか姉様?」


「フウちゃんが、鋭すぎて私泣きそう」


「なんで泣きそうになるんですか。わかってもらえてるんだから、喜ぶとこでしょう」


「…ハァ~。フウちゃんの言う通り、安全に勝つ案はありません。一か八かの賭けに出てもいいですが、少し怖いんです。成功すれば、ほぼ確実に勝てると思います。ただ、それを成すために、私以外の皆さんで時間を稼がないといけないんです」


「それだけならできそうな気がするが?」


「問題が何かあるのか?」


「エレノア、レオニカ、よく考えなさい。今回の戦闘場所はどこになるんですの?」


「「?」」


「今回の戦闘場所はこの王都上空です」


「つまり、戦闘の余波が王都に及ぶ」


「そうなったときに、楓さん抜きでどこまで被害を抑えながら、時間を稼げるか…」


「ちなみに、どれくらいの時間がかかるんですの?」


「相手を見てからでないと、何とも言えません」


「?以前、学園の地下で見たのではないか?」


「あれは封印された状態です。その状態では、力が図れないんです」


「姉様はこう言ってますが、おおよその時間は分かっています」


「それはどのくらい?」


「短くて10分。長くて15~20分」


「長いようで、短いんですのね」


「しかし、何故予想がたてられる?」


「相手も神です。なら、知り合いの神で検証するでしょう?」


「…神を一柱殺したんですの?」


「殺してはいませんよ。その技を試そうとして、時間だけ調べたんです。で、その結果をもとに、相手の実力を予想し多めに予想してるだけです」


イリスやバハムート相手に試したところ、相性の問題もあるが、大体10分前後だった。

過去に、封印した時はイリス達が力を貸すことはなかった。その他の神で参加したものが後日語っていたそうだが、なんでもイリス達主神クラスの力を持っていて、戦闘中に成長していたとかなんとか。それをもとに計算したのがこの時間だ。



「それを聞くと確かに、私たちで被害を抑えながら時間を稼ぐのは難しいですわ」


「協力を仰ぐことはできないんですか?」


「学園生も騎士団も動かないさ」


「何故?こちらにはマリアがいる」


「私だけでは、どうにもできませんわ」


「それこそなぜ?」


「単純に言うと、国王に話を通していないことに、王国の戦力を割くことができないんです。それに」


「ここにいる人以外が、あの威圧を耐えられるかどうか」


「王都の安全なら私たちが協力しますよ」


ふと、女性の声がした。私とフウちゃんは知っている声だが、他の人は驚いて声のする方を振り向く。

そこにいたのは、小さな少女と角、羽、尻尾を生やした男に普通の人間よりも大きい狼、額から角を生やした女性の四人。言わずもがなイリス、バハムート、フェンリル、ナズチの四人だ。


「いいの?」


「本来なら、俺たちの方で対処しなきゃいけないことだ。それを任せているんだ、できることは何でもやってやる」


「そうだな。我々の尻拭いをさせるんだ、やれることは何でもやる」


「そこの二人の言う通りです。何もせず傍観。なんてこと、できるわけないじゃないですか」


「アホ狼も馬鹿龍も酒癖悪鬼もそう言っていますからね、私たちにお任せください」


「「「おい!今なんて言った!?」」」


「イリス、相変わらず口が悪いね?」


「この馬鹿三人のやらかした問題を片付けるのは私の役目にされたんです。それくらいいいじゃないですか」


そう言いながら、イリスは三人を睨む。その視線を受け、三人は文句を言えなくなり遠くを見つめ始めた。そして、状況に追いついたシルヴェルト先輩が


「楓さん、なんとなく理解したのですが、もしかしてあちらの方々が」


「そうです。ちゃんと紹介しますね。少女の見た目をして口が悪いのが吸血鬼の始祖イリス」


「どうぞよろしく」


「その横で角、羽、尻尾を生やしてるのが馬鹿龍こと、龍王バハムート」


「おう。よろしく。それと楓、紹介の仕方が」


「さらにその横。でかい狼の見た目をしてるのが、まんまですね。アホ狼こと、狼王フェンリル」


「楓の口が悪いのは、全部イリスの影響だな」


「最後の一人が鬼神ナズチ。酒癖悪鬼です。それ以外紹介のしようがないです」


「私だけ雑じゃないか?」


挨拶したり、私に文句を言ってたりしたが、文句はスルーだ。事実だから。


「それより、どうやって王都を守るつもり?」


「防御結界を生成する魔道具を作っておいたからそれを使うわ」


「主神クラスの魔力を十人分注いだから、簡単には壊れないぜ」


「そういって作った結界を簡単に私に破られたのはいつのことだっけ?」


「お前は規格外すぎるんだよ!」


「主神クラス五人の魔力で作った結界を、六枚斬り裂くのは反則だろ!」


「どこで鍛えたらそうなるのよ!?」


「元の力は私たちの物だけど?」


「「「そうだった!」」」


「これだから馬鹿は…」


「力の使い方は父のおかげですね。力に溺れることなく、力と対等に生きろ。そう教わりました。最初は意味がわからなかったけど、今なら何となくわかります。私が力を選ぶように、力も私のことを選んでくれている。一方的な関係ではなく、お互いがお互いを尊重し信頼することこそ、本来の力の使い方。かな~って。正解かわかりませんけどね」


「皇に、帰ってくるなよ。って言われましたもんね。姉様」


「そうなんだよね~。理由はなんとなくわかるんだけど、なんかな~」


「楓、修行始めなくていいの?」


「あぁそうだった。ありがとイリス。それじゃあエレノアさんとティアさんは私と来てね。バハムート、フェンリル行くよ~。イリス、三人をよろしくね」


「任せて」


「あれ?楓私には何かないんですか?」


「…イリス、三人よりもこっちをよろしく」


「そうする」


「三人も、ナズチが酒飲んだら気を付けて」


「楓もイリスも酷くない!?」


「「酷くない」」


ハモリながらそう答え、私たちはそれぞれの訓練場所に向かった。



「さて、最初は二人の攻撃力の測定からやろうか」


「測定?」


「どうやって?」


「バハムート、フェンリル、私が斬った結界の残骸だして」


「残骸で測定できるか?」


「できるか?じゃないの!やるんだよ!」


「えぇ~。なにその気合」


「根性論じゃ無理だぞ」


「いやできるでしょ。残骸に残っている魔力を計測。数値を記録しておいて、二人が残骸に向けて攻撃。そのあとまた残骸を計測、減った魔力量から攻撃力の数値を割り出す。正確な数値じゃないと思うけど、あくまで目安だからね」


「なるほどな、それなら行けると思う」


「楓、残骸で測定は私たちを侮りすぎじゃない?」


「ティアの言う通りだな」


「そんなこと言ったら、二人こそ主神クラスを侮りすぎ。厳しいこと言うけど、今の二人じゃ、残骸の数値を一万減らせたら上出来だよ」


「楓が厳しいぞ」


「やっぱイリスに似てるな」


「一部は似てないだろ」


「楓の方が大きいもんな」


「バランスの取れたいい体だよな」


「あぁほんとだな。しいて言うなら、もう少し大きい方がよかったな」


「どっちが?」


「胸が」


「ロリ巨乳ってやつか?」


「そうそう。人間の間で流行ってるらしい」


「へぇ~。俺も今度人間のこと調べてみようかな」


後ろで好きかっていってくれてるね~。しかもなんだって?胸が何だって?

少しお仕置きが必要か?


「おい、馬鹿ども」


殺意を漲らせながら馬鹿龍とアホ狼に近寄る。


「随分と呑気な会話してるね?二人の修行の前に、お前らの頭ん中を矯正してやろうか?」


「「すいませんでした!」」


「ほんとに反省してんの?」


「もちろんです!」


「二度とくだらない会話はしません!(楓のいるとこではな!)」


「何か含みのある言い方だが、いいだろう。今回は見逃してやる。だが次は腕一本は覚悟しろ?最悪神としての力をなくすからな?」


「「はい!」」


さすがにこの脅しは効いたのか、二人が本気で焦りながらうなずいていた。


「くだらない茶番も終わったことだし」


「俺たちの命が茶番だってよ」


「悲しいね~。神なのにこの扱い」


「あぁ?」


「「なんでもありません!茶番で結構です!」」


「ハァ~。こんなだけど、やるときはやる奴らだから、安心して」


「姉様、結界の残骸持ってきました」


茶番を繰り広げてる間に、フウちゃんが残骸を持ってきてくれたようだ。


「ありがとう、フウちゃん。数値の計測はっと」


「その残骸は数値十万といったところでした」


「数値も計測してくれたの?さすが私の妹!どっかの変態龍と変態狼より優秀ね」


「バハムート」


「フェンリル」


二人がお互いを呼びあい、正面から向き合い


「「イリスより楓の方が厳しいよ」」


そんなことをこぼしていた。そんな二人を放置して準備を終わらせた。


「さて、エレノアさん、ティアさん、自分の出せる最大火力の一撃ぶちこんじゃってください!」


「分かった」


「あぁ」


返事もそこそこに二人は全力の一撃を放つために詠唱を始めた。


「詠唱開始!我、人の領域を逸脱した者なり!その身に宿る力は人のものにあらず、この力もまた人のものにあらず。しかしてこの身は人の物なり。なればこの力は誰のものか。我が握るは神の杖。その力を今解き放つ!星よ集いて我が敵を撃て!撃て!討て!討て!」


「神名開放!この手に集うは神霊の力、封じられし其の名を!その力を!エレノアの名において解き放つ!タラニス!リヴァイアサン!プロメテウス!シュトゥルム!」


落ち着いて撃てることから、省略形式ではなく、本来の詠唱を行う。二人の本当の全力が、今、解き放たれた!


「装填!メテオバレット!撃て!ドラゴディザスター!」


「合技グレンゼ・カタストロフ!」


あ、本来の詠唱のこと考えてなかったな。これならもう少し削れるかな?


全力の一撃が二つ。神域に轟音と激震を響かせる。



そのころ、イリスとナズチ組。


「オーデンとレオニカ、そこの二人はナズチに稽古つけてもらって。私近接からっきしだから」


「そんなこと言っちゃって~。そこの二人よりは近接でも強いくせに」


「それは今の話だ。数時間後には手が出せない可能性すらある。なら、最初から強い方に充てた方がいいだろう。それに、こっちの子がお前相手に戦える保証がない。こっちの子には、近接戦の対応の仕方と神の魔術を仕込む。そのあとにまとめて相手する」


「なるほどね~。ところで、お酒はいつ飲んでいいの?」


「そっちの二人が耐えられると判断してから。それと、私が見ているときにのみ」


「えぇ~」


「…楓に斬られていいなら、いつでもどうぞ?」


「それは勘弁してほしいので、許可が下りるまで我慢します」


マリア、レオニカ、オーデンを置いてけぼりにしながら、訓練方針が決まっていく。

酒癖がどうのと言っていた直後に、酒を飲んだ後の状態で訓練するかもという言葉に、驚きを隠せない三人。そんな五人のもとに、轟音と激震が届く。


「あら?」


「お?」


「うおっ」


「何ですの!?」


「向こうの方から音が届きましたが!?」


イリスとナズチはその音と振動の正体に気づき、マリア、レオニカ、オーデンの三人は驚きと焦りをにじませながら、言葉を漏らす。


「今のは楓の方についていった二人の攻撃ね」


「それもかなり強力なやつだな。ということは、アレを使ったのか?」


「多分そうでしょうね。今の彼女たちの力なら十分に測れるし」


「すいません。もう少しわかりやすくお願いします」


話が先に進む二人にオーデンが声をかける。


「う~ん。わかりやすくね~」


「少し長くなるかもだけど、今のはエレノアとティアの全力の一撃ね。楓はあの二人の力を測るのに、結界の残骸を使ってるはずよ。今の貴方たちなら破壊することは無理でしょうから、成長を実感するのにいい材料なの。それに向けて、全力の一撃を叩き込み、削れた、魔力量から二人の攻撃力を測る。そんなとこかしら」


実は今回の訓練メニュー、楓が考えたのはエレノアとティアのためのものだけで、マリア達のメニューは一切知らない。逆にマリア達のメニューをイリスが考えているため、イリスは楓の考えたメニューを知らない。楓が/イリスが考えたメニューの効果をイリスが/楓が実感するのは最後で、ということになっている。つまり、イリスの推測は正解ということ。


「最初であれは今後が楽しみだな」


「楽しみだけど、あの三人が無茶させないか心配」


「バハムートとフェンリルは分かるが、楓に限って言えば無茶はさせないんじゃないか?」


「分からないわよ?あの子時々私も驚くこと、やらかすもの」


若干、エレノアとティアが心配になった三人だが、向こうのことばかり心配してられないと思考を切り替える。


「こっちの子も準備いいみたいだし、私たちも始めましょうか」


「よっしゃ!楽しく行こうか!レオニカとオーデンだっけ?ついてきな!少し離れるよ」


「「はい!」」


ナズチに連れられ、二人が離れていく。


「さて、こっちもやろうか」


「お願いしますわ!」


こうして、各々の修行が始まった。




「儂の頑張りは映らんのか!?」


長くなりましたが、同じ説明を繰り返したり、くだらないやり取りを交えた説明会っぽい何かですw


次はもう少し早く出せるようにします


ではまた次回!

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