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UMA.  作者: 嵩元
7/7

vs龍 その3

その後も何度も攻撃を続けるが,全くといっていいほど攻撃があたらない。さっき,ルナが龍の目を刺したことで,龍はかなりのダメージを負っているはずなのに...

攻撃をひたすらに防いでいるうちに、ルナとはぐれてしまった。

この龍倒せるのか?


「ボーっとしてんじゃねえ!」


危ない。シモンの叫び声で意識を現実に戻す。龍が怒り狂い、炎を吐き出してきた。


「っぶね。あっちいなこの火。」


とにかく竜が危険な攻撃を連発してくる。何とか攻撃を回避した俺は、近くの岩の上に飛び乗った。

体勢を立て直し、いったん遠くへと逃げる。逃げた先に大きな岩があり、その陰に隠れることにした。


「ここならしばらく安全だろう。」


そう言って、俺はシモンに視線を向ける。シモンは、龍のいる方向へ視線を向けていた。


「どうかしたか?」


俺が聞くと、シモンはゆっくりと視線をこちらに向け、尻尾を立てた。


「少し、離れる。」


「何か気になることでもあるのか?」


「ちょっとな。」


そう言ってシモンは、海の上の岩々を踏み台にして、器用にとび去って行った。


「速いな、アイツ。」


俺は、ものすごいスピードで去っていく、シモンを見送り休憩をしようと座ろうとした。


その時、背後で物音がした。


「リウスよ!」


「うわ!」


振り返ると、コジローがバンケンにくわえられて浮いていた。


「コジローか。脅かすなよ。」


コジローが俺の隣に降りてきた。コジローも逃げてきたのだろうか?


「すまないねぇ。あの龍が暴れまわっているから、君たちを追いかけて逃げてきたのさ。ところでたった今、君の相棒が飛び去って行くのを見たが、なにかあったのか?」


「いや、よく分からないが、気になることがあるとか言っていたな。」


俺が答えると、コジローは何か複雑そうな顔をした。気になったので聞いてみた。


「どうかしたか?」


「君の相棒は、いろいろと敏感ではないか。何かあるのかもしれんな。」


「何かって?」


確かにシモンは、勘が働くが…


「先ほどまでは、君たちの気配が察知できなかった。しかし今は、気配をしっかりと感じる。」


言われてみればそうだ。唯一の朗報といったところか。


「しかし妙ではないか?」


「妙?」


俺が聞き返すと、コジローはすっと真面目な顔になって前を向いた。


「その、気配を消す能力を使い続ければ、我らにとっては不利にしかならないであろう?しかしその能力を解除した。なら、別の強力な能力を発動している可能性もあるってことだろう?」


確かにそうだ。珍しくコジローが真面目なことを言っているのには驚いたが。


その時、視界の端に何か黒いものが映った。


「おぇ!?」


シモンだった。こちらに向かって降ってくる。

俺は、慌てて、構えの姿勢を取った。降ってきたシモンを受け止める。


「ガキ!」


「ガキっていうな!」


受け止めてやったのに生意気な態度だ。俺はイラッとするのを我慢しながら、シモンを降ろした。

随分と早い帰宅だったな。何をしていたのだろうか。

俺はシモンに聞いた。


「何してたんだ?ほかの奴らは見かけたか?」


ルナはさっき別れてから見かけないし、デイゴとダッシュなんて一度も見かけていない。


「あぁ、デイゴなら海岸にいたぞ。間抜けずらして寝てたよ。」


「は⁉」


「スゲェ寝相してたぞ。俺も寝てりゃよかった。」


は?寝てるだと?

デイゴの呑気な寝顔が目に浮かぶ。

何をやっているんだアイツは。

あとで、ゲイジさんにしっかりと報告しておこう。

しかし、危なかった。龍に対してよりも殺意が湧きそうになった。人がこんなに大変な思いをしているっていうのに、何を呑気なことをしているんだアイツは。逆に尊敬…できないな。


「あの坊やは面白いことをするねぇ。」


ハッハッハと笑うコジローが愉快そうに笑う。

とりあえず、コイツは無視してと…


「で、何してたんだ?」


俺は、シモンに問う。


「少し気になったことがあってな…」


「なんなんだ?」


「気配消しがなくなったから、何かと思って、龍を見てたんだ。そしたら、龍は誰かから、力をもらっているようだった。で、その力を与えている奴が何なのか見に行ったってわけだ。」


「ほう!興味深い話だな。」


コジローがいち早く反応する。

シモンは、いろいろな能力を扱うことができる。龍を観察して、おかしなことに気付いたんだろう。

だけど…龍が力をもらっている?どういうことだ?

頭の中がごちゃごちゃになってきた。


「フフン、オマエはイマイチ理解していないようだな!」


シモンが嬉しそうにこちらを見つめてくる。ムカつく…


「つまり、龍には仲間がいて、その仲間を探ってきたというわけだな。」


コジローがシモンに確認するように、説明してくれた。

というか、俺が理解していないのにコジローにはわかってるのムカつくな…


「そういうことだニャ」


まだ、理解が追い付かないところもあるが、何となくわかった。

先程、ルナと戦った時も龍は、目を失ったというのに、有利に立ち回っていたからな。

納得もできた。

でも、仲間がいるっていてたな。誰なんだ?この近くに、また別のUMAでもいるのか?


「問題は、その仲間がどんな奴かだな。お嬢さん、見に行ったといっていたが、正体はわかっているのか?」


コジローが問うた。

そうだ。あの龍くらい強いUMAをもう一匹とかなったら、最悪だ。


「もちろんだニャ。」


「どんな奴なんだ?」


一刻も早く知っておいて損はない。敵がもう一匹いるのは大変だが、ソイツも倒さなければ、あの龍は倒せず、村の人々は怯えながら生活しなければならない。

シモンは、改めて俺たちをまっすぐに見つめると、静かに言った。


「お前たちも知ってるやつだ。」


「知ってる?」


知ってる?どういうことだ?


「アイツは俺たちを裏切ったんだ。」


シモンがその人物の名前を口にした。


そのとたん、俺の体は硬直した。コジローも同じだろう。

信じられなかった。








「ダッシュ、アイツが裏切り者だニャ。」

しばらく日数が開いてしまいました。

これからは頑張ります。

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