第8話 冒険団
技名考えるのが楽しいw
「グゴォォ…」
ズゥン…
と俺の前に倒れる熊みたいな魔物、コイツ確かにラーナー大陸でコロシアム追い出される前に戦ったな。ま、どうでもいいか。
そんな事よりも…
「うぉっしゃぁぁあああっ‼︎」
昇格じゃーーー‼︎
コレで俺もCランクだ!
やっとこの日が来た…一年間、亜人達を保護しながら、あいつらに仕事を与え、依頼を持って行ってやり、いちゃもんつけてくるバカをぶっ飛ばしながらもひたすら目立たない様にランク上げをして来た。
その苦労がやっと報われる…
本当に大変だった。
保護した亜人達はほぼ瀕死、手遅れの者もいた。そいつらに飯食わせて元気になったら戦闘員と非戦闘員へ振り分け、非戦闘員には日ノ本(俺の家、買ったヤツ、ネーミングセンスは気にするな)で働かせ、戦闘員には武器防具を与え、出来る限りのアドバイスをした。それでいきなり強くなる訳もないし、日ノ本だって店として亜人が経営してる、当然人間の客なんか来ないから赤字続き、むしろバカが難癖付けに来る始末。
まぁそいつらは俺が始末したけどな!始末だけ?になんつって!(※殺してはいません)
おかげでヴァンから貰ってたアホみたいな額もそろそろ限界。つかなんで魔界とかいってたラーナー大陸とコッチの通貨が同じなんだよ…引っ叩くぞ…
安定した収入得ようにも亜人は足元見られて上手く稼げないし、依頼も俺経由、その俺にも亜人を匿ってるとかいって嫌がらせしてくるし、ランクは上がりにくいし、散々だった。
しかーし!
Cランクになって仕舞えばコッチの物だ!
なにしろCランク冒険者は冒険団なる物を作れるのだ!
冒険団とは簡単に言えば冒険者の集まりだ。中心となる団長(冒険者ランクC以上)が拠点を築き、仲間を集め冒険団となる。その利点は幾つかある。
一つ、冒険団を作ると、冒険団専用の依頼を受けれる様になる。
一つ、冒険団のランクが上がれば注目を集め、より指定依頼を貰いやすくなる。
一つ、冒険団が新人を受け入れ、育成すれば手当がおりる。
他にも有名な冒険団に入ってればそれが後ろ盾になるとか、新人は高ランク冒険者から指導を受けられるとか色々あるが、俺の目的はどれでもない。
俺の目的はただ一つ。
冒険団には全ての討伐依頼が公開、ランク規制はあるが、受注出来る様になる。
これだ!
冒険団のランクは団員のランクに比例する。その為団のランクを上げ安くする措置として、全ての冒険団には現在ある依頼が提示される。さらには、低ランク冒険者が高ランク冒険者と一緒に高ランク依頼を受ける事もできる。
と言っても、冒険団の団員の中で最高ランクの者が受けれる依頼までしか公開されないがコレはデカイ。なにしろ今までは俺が依頼を引っぺがして亜人の代わりに受注、その依頼を亜人が引き継ぐと言うクソ面倒臭い方法でしか受けれなかったからだ。
そんなんとも今日でオサラバえ!
帰ったら早速冒険団作って皆入れよう、んでもって日ノ本に依頼張り出して俺は寝よう。あ、団名はなんて名前にしようかな〜。
俺は熊モドキの頭を担ぎながらルンルン気分で日ノ本がある港町エインドへと向かう。
その道中、皆の事を考えてたらある事を思い出した。
ラシュフォンド王国と人間側、シルトン王国の国交が上手く行っていない。
この一年、俺はラーナー大陸に一番近い港町、エインドに住んでいたが、ラシュフォンド王国からの観光客などと言うものは全く来ず、使者も数える程しか来ていない。
流石におかしいと思って探りを入れたところ、どうやらイーシャ教とか言うのが邪魔してくれてるらしい。
出ました!定番の宗教ですよ!
理由は簡単!どうやらイーシャ教は勇者を利用し、魔王ヴァリエンテを殺す事で政権を握る積もりだったみたいだ。
ほう、俺の友を殺すとな?
んでもってその勇者ってのは勿論俺の妹シルヴィア・ベルガンドだ。
ほうほう、俺の妹に人殺の道具にするとな。
つまりイーシャ気分とか言うのは人の妹を利用して親友であるヴァンを殺し、政権を握ると?
はっはっはっ!
イーシャ教潰す‼︎
ふざけやがって!もう停戦したんだから諦めろっての!どうせ政権握るとか考えてんのもブクブクあぶくと太ったゴミ幹部だろうが!何度か見かけた事あるぞあのデブどもめ!つか施しを与える側の人間がなんで太ってるんだろうねぇ?
ったく何が宗教だよ、人殺しして権力つけるとか早速テロ組織と変わらねぇじゃねぇか、教祖が見たら泣くぞ!ガチ泣きだぞ!
あぁ、シルヴィアが無事か心配になって来た、色々と。
え?なんで俺が探りを入れたくらいでそんなお国の事情知ってるかって?
なぁに、使者をつけて、会った相手をつけて〜、ってやって行けばこの程度普通さ!
嘘です…ヴァンが俺にも使者寄越すんですタイ…情報源はラシュフォンド王国のそういう組織からです。
まぁ、そんな訳で亜人と人間の有効関係は未だに改善されていない。おかげでイーシャ大陸にいる亜人は壊滅的だ、自力で生き延びれる一握りとどっかのパーティに引き入れられた者しか残っていないだろう。
この事はヴァンも知っていて、職についてもっと細かく審議するべきだったと、かなり後悔していた。
俺は亜人と人間の違いなんて分からん、前の世界にゃいなかったしない。だからなんとかしたいが今の俺には権力なんて物微塵もない、出来るのは亜人達の保護くらいだ。
それも少数だがな…
そんな事を考えながら俺はギルドへと向かった。
「おめでとうございます、これで貴方もCランク冒険者ですよ」
と心のこもってない顔で言う受付。
つか露骨に嫌そうな顔してる受付。
かなり面倒臭そうな顔してる受付。
まぁ、多分次に俺がどう出るか分かってるんだろうな。
「そりゃどうも。じゃ冒険団を結成したいんだけど」
「あ〜はい、少々お待ち下さい」
なんて言って受付は奥に引っ込んだ。多分上司に態様をどうするか聞く気だろう。
その間に俺は周りを見渡す。
ギルドの中は広く、入り口から向かって真正面に受付、右に雑貨屋や武器やがあり、左は酒場の様になっている。
酒場の方にあるテーブルを見れば、そこに座っている冒険者らしき奴等が俺の方を見てコソコソと耳打ちしてる。
はぁ〜…随分嫌われたもんだなぁ…人間は長い戦争のせいで亜人を悪魔の様に思ってる、なのに俺は亜人を受け入れる、それがどうにもイレギュラーに見えるみたいだ。
そう考えると人間である俺を受け入れたヴァンはかなりの理解力があるんだなぁ。
っと、誰か出てきたな。誰だアレ?
「これはどうも、ブルー・アルトリオさんですね?」
「そうだね」
低い身長の小太りなおっさん、髪は緑だ。
ん〜、見覚えないな。パターン的にギルドマスター、略してギルマスさんかな?
「私はこの冒険者ギルドエインド支部のギルドマスター、フェビン・ロメロスと申します」
当たっちゃったよ。
「はぁ…で、ギルドマスターさんが俺になんの用ですか?」
「先程は私の部下が大変失礼いたしました。ここからは私が引き継ぎますので、どうぞこちらへ」
む?対応が超丁寧だぞ?こりゃなんじゃらほい?
そうして通された一室では、人払いがされているのか俺とギルドマスターだけだ。
どう言うつもりだろうか?
俺は魔族とまで忌み嫌われた亜人達と交流を持つ素性不明の人間だ、そんな不審者同然の俺をギルドマスターと二人きり?ギルド側が俺に嫌がらせをしていたのを俺は知っている、そして恐らくギルド員達も俺が嫌がらせに気づいてる事に気づいていただろう。そんな俺をギルドマスターと直接会話させるだけでも危険な筈だ、いつ暴れ出すか分かったものじゃない、それなのに二人きりに?
いやまぁ俺も暴れる気なんて更々ないし、二人きりなら美女の方がいいけどさ、不用心過ぎないか?
圧をかけるにも戦える奴の一人や二人必要だし、俺を挑発して暴れさせるにしても二人きりでは取り返しのつかない事になりかねんぞ?
う〜む、何のつもりだろう?
「今までの非礼、大変申し訳ございませんでしたっ‼︎」
「・・・」
ん?
何が起こった?
いやギルドマスターが頭下げたのは分かったが、何事⁉︎
えっ何コレどうすりゃいいの⁉︎
「い、いいい、いや!いやいやいや‼︎どうしたんですかイキナリ⁉︎頭を上げて下さい!」
「そうは参りません!私どもは貴方のお考えも知らずに愚行の数々を…!」
ひたすら謝り倒すギルマス!
狼狽える俺!
特に変わることのない室内!
っべーわ、マジ意味不。
この状況、どうすればいいん?
知るか!
とりあえず俺はギルマスが落ち着くのを待ってから詳しい話を聞くことにしたのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「は〜、つまり国情が公になった訳か」
「はい、と言っても一定の地位を持っている者だけですが…」
話を聞いてみると何とも簡単な事だった、今の停戦状況がどう言う物なのかが一部の役人に知らされたらしい、コレはヴァンが何かしらの行動を起こしたんだろうが、大方「イーシャ大陸の状況は知ってますからこれから幹部達と会議をさせていただきやす(ヤクザ)」的な事言ったんだろう、使者伝いで。
あ〜あ。さっさとどうにかしときゃ良かったのに、言い出し辛かったのも分かるけどよ、いつまでも隠したりするからそうなるんだ。シルトン王国の焦り具合は相当な物だっただろうねぇ。
そんで気休めの打開策で情報を広めたらしい「亜人を保護しろ」と言う命令と共に。
そんでこのギルマスさんは俺がその事に逸早く気づき、亜人を保護してると考えたらしい。いや、俺はそんな「御国の為に!」的な精神持ち合わせてないぞ?ただ放って置けなかったから、やりたい事やっただけなんだが…そんな感謝されても困るわ。
んでも丁度いいからそれっぽく演じといた、色々有利になるし。
「まだ部下や平民には話す事が出来ませんが、私めが全力でサポートさせていただかます。虫のいい話ではありますが、どうか今後も彼等をよろしくお願いします」
「あぁ、構いませんよ。コレも国の為ですから」
こんな感じでな!
「じゃぁ、早速ですけど冒険団登録をお願いしていいかな?これからの事を考えるとそれが一番いいかと」
「はい、勿論ですとも!面倒な手続きはこの際私がやらせていただきます、ブルー様はサインだけお願いします」
「分かりました、ありがとうございます」
お、マジで?ラッキー!書類とか超がつく程嫌いなんだよね、俺。つか書類好きなんているのか?
と、まぁこんな感じで俺の冒険団作成は終わった訳だ。
え?団名?
まぁその内分かるさ。
ポンポン飛ばすのはそろそろ終わりです、主人公青年になったしね、ここからは普通に時間が進むので、あんまり訳わからん事にはならないかと。




