二通の封書
数日後、皇室からルシャーナ宛で二通の封書が届いた。
皇室からの封書に驚いたルーカスは、慌ててルシャーナを執務室に呼んだ。
「今日、これが届いた…。」
ルーカスはずいっと二通の封書をルシャーナの目の前に差し出す。
どちらも封蝋に皇室の印璽がされており、正式な皇室からの文書なのは確かだ。
「まぁ…。」
(きっと厚めの方は依頼書だと思うのだけど…もう一つは何かしら?)
二通の封書を不思議に思いながら、まずは厚めの方から封を開けてみてみる。
ルシャーナの想定通り、相性鑑定の依頼書だった。
「お父様、ご安心ください。相性鑑定の依頼書です。」
もう一通の封書を開ける前に、依頼書の内容を確認する。
依頼書には皇室主催の夜会に公爵家、侯爵家、伯爵家、一部の男爵家を夜会に招待するから相性鑑定をお願いしますと書いてあった。
(え?全員じゃないでしょうね…)
嫌な予感がしつつ読み進めると、招待した令嬢を全員を鑑定するのではなく、約束通り人数制限かける事が書かれていた。
約束が忘れられていない事にホッとしながら、鑑定の内訳を見て唖然とした。
『参加する令嬢が100名近くになるのに対し、32名に人数制限します。
・公爵家、侯爵家は全員鑑定(前回鑑定者除く)…12名
・伯爵家は一部鑑定…16名
・男爵家は全員鑑定…4名
追加報酬あり…上記以外の令嬢に対し相性鑑定を実施して頂けた場合、人数分の報酬をご用意します。』
(えっと…これって人数の制限の約束になるの?
前回より少なくしてくれると思ったのに…確かに報酬からしたら少ない方なんだけど。
それより、追加報酬って…私が報酬に釣られて鑑定すると思ってるのかしら。
デザートに釣られてるし否定は出来ないけど…
あの、大臣達めーーー!!)
どんどんと険しくなるルシャーナの顔を見て、依頼書と聞いて安心していたルーカスが慌て始める。
「ルシャーナ、険しい顔になっているけど依頼書じゃなかったのかい?」
「お父様、依頼書ですよ。ただ、大臣達の手腕に驚いていただけです。」
「た、大臣達って…。」
「もう一通、開けてみますね。」
一通の封を開けると、皇室主催の夜会への招待状が入っていた。
(依頼書に伯爵家も招待するって書かれていたしね)
この招待状があれば招待客として堂々と夜会に参加できる。
招待客として動き回れた方が、相性鑑定がしやすいので助かった。
「お父様、夜会の招待状でした。」
「え?皇室主催の夜会って事かい?」
「ええ、そうです。」
「じゃあ…、フレデリック様と一緒に行くのかい?」
「……。」
(えっ…。そっか、本来なら夜会とかは婚約者と一緒に参加するって事ね。
考えもしなかったわ…)
じっと見つめるルーカスを見ながら、しどろもどろに答える。
「えっと、その…私も鑑定があるので、ずっとフレデリック様と一緒には居れません。
なので、失礼にあたるくらいなら、一人で参加したいと思っています。
鑑定をするため、夜会の招待客を装って参加した事にします。」
少し言い訳っぽくなってしまったが、ルーカスは何かを感じたようでそれ以上は何も言わなかった。
「わかった。こちらもその認識にしておくよ。」
「ありがとうございます。お父様。」
皇室からの封書騒動も一段落し、ルシャーナは執務室を後にした。
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