酔いどれ魔術師
未だ!主人公!空気!
大丈夫か?死んじゃぁいめいか?
扉を開けて出てきたのは女だった。
綺麗な桃色の、ドレスのような豪華なパジャマに身を包んだ女だった。
甘えるような目。
何かを誘う唇。
肌は紅潮し、少し汗ばみ、衣服が身体のラインに張り付いて扇情的であった。
そして、それらと呂律の回らない舌の理由はその手の中に有った。
酒であった。
「ヒャホゥ、年増かと思ってたが、中々の上玉だぁ。」
「丁度良い出来上がり方だ。」
「さっさと拐え。お楽しみはその後だ。」
酔っ払い夫人は呂律の回らない舌で続ける。
「あにゃーたーぁ。未だ夜はながーいのょー。たーのーしーみーまーしょーおー。」
フラフラな千鳥足で不用意にこちらに近付いてくる。
「『楽しみましょう。』だとよ。」
「丁度良い。皆で楽しんで愛しの旦那様をお迎えしてやろうぜぇ。」
「もー………あなたがこにゃいっていうにゃら…こっちからいっちゃうわよぉ~」
下卑た目を向ける男達に夫人は………
『業炎』
炎を浴びせかけた。
「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
脱兎のごとく。総員、舞われ右をして逃走。
廊下を一気に焼く火から逃げる。
しかし、逃げ道の無い逃走。
全員業火に呑まれる。
「ねぇえー…もうおしまぃー?」
酔っぱらいが嘆く。
「クソ!何なんだ?」
炎から生還したならず者が毒づく。
大半は前の火に呑まれ、戦闘不能。
「未だ未だいけぇるぅ?」
阿呆言うな。
辛うじて防御が間に合ったから良いものを。
直撃していたら全員消し炭だった。
この酔っぱらい。ヤバい。
「ぃへへぇー。フフフゥー。」
『暴風』
今度は荒れ狂う嵐!!
室内だろうが屋外だろうが明らかに人間以上を殺せる。殺す気の魔法だ。
『『『『『土壁』』』』』
五重の土の壁が風を阻む。
生き残った者達が隠れて嵐が収まるのを待つ。
「もぉう。隠れないで!!」
『猛吹雪』
暴風 後 ブリザード。
呼吸が真っ白になり、冷や汗が本当に凍りつく。
風が身体に触る度に命が吸い取られる。
「ぅふふふふふ
ぅふふふふふふ
ぅふふふふふふふ
ぅふふふふふふふふ
ぅふふふふふふふふふ
ぅふふふふふふふふふふ」
凍りつく世界の中で笑い声だけが響き渡った。
感想や評価を宜しくお願いします。
後一週間くらい投稿が安定しません。ごめんなさい。




