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現実  作者: あいうえお
しばしの魔王城編
12/21

ステータスと拠点

「え、何でたかがステータス何かに自我が宿っているの?」

「ナオ……絶対に今の言葉でステータスの好感度下がったと思うぞ。ちなみに、好感度が下がり過ぎたらステータスにかなり悪い効果をつけられるからな」


 は? 何だよそれ。

 じゃー、ステータスの機嫌によってステータスが変動するのか?

 ややこしくて意味が分かりづらいが、要約するとステータスの機嫌を取らなきゃいけないという事だろ。


 マジか……僕って人の機嫌を取ることがもの凄く嫌いなんだよな。

 それはもう死ぬ程の吐き気がするくらいに。

 でも、機嫌を取らないと普通の効果か……。

 人の機嫌を悪くさせることには天性の才能を持っているんだけどな。


「んー……ナオって二次元好きか?」

「何だよ突然?」

「機嫌を取るのが下手そうなナオにちょっと助言を与えようと思ってな」


 機嫌を取るか取らないかで、うんうん唸っていると魔王が意味不明な質問をしてきた。

 助言を与えるとか言っているけど、その切り出し方はおかしくないか。

 しかも二次元が好きかどうかなんて、そんな当たり前の質問は絶対におかしい。


「そんなの、好きに決まっているだろ」

「じゃー、大丈夫のはずだ。ステータスを愛すんだ」

「そんな方法が……! でも甘いな魔王、この世界に僕がいる限りこの世界は三次元だ!」

「フフフ……ナオこそ甘いなステータスは立体の世界に存在していない、つまり二次元だ」

「何だと……!」


 そんな馬鹿な……。

 ステータスは二次元だったのか……。

 それだったら僕はステータスを愛す事が出来る。


「……魔王、ステータスの性別は何だ?」

「さあな、ステータスによってそれぞれだろうから、俺からは何も言えない。ステータスに聞いてみるんだな……」

「ありがとう、魔王」

「へへっ、良いってことよ」


 ステータス。



――――――――――



 称号 残念だけど、俺は男だw New

 加護 ストロの加護


 モンスター名 道化師



――――――――――



「どうだったナオ?」

「……帰ろうぜ」

「おう……」

 

 魔王は全てを悟った。



――――――――――



「ここが、ナオの部屋だ! 凄いだろ」

「おお、広いな! ここって本当に僕が貰っちゃっていいのか?」


 気を取り直して魔王城に戻って来た。

 ステータスに関しては嘘を言われている、と思う事にした。


「ああ、ここはナオの部屋だ。確かに広いとは思うがナオの場合一日に一体づつ人形が増えて行くから直ぐに狭くなるだろう。だから、狭くなってきたらちゃんと言えよ、増設してやるから」 

「本当に、ありがとう! 魔王、マジ嬉しい! 僕は魔王に召喚されて良かった」


 縦、横が共に八メートル以上は超えているであろう広い部屋。

 高さも軽く三メートルは超えていそうだ。

 ソファがあったり、シャンデリアがあったりと家具も豪華で充実している。

 ここが、この世界の僕の拠点か。


「……変わってるよな本当に、ナオみたいな異世界人は……」

「そうか?」

「ああ、だいたいの異世界人は帰りたいとか、魔王に召喚された事に落胆したり、初めは何故かハイテンションなのに次第に帰りたがったりするんだよな。まあ、そういう人達はちゃんと元の世界に帰すけどな」

「そりゃあな、僕はあの世界がつまらなくて嫌いだし、友人とかも形ばかりの友人で親友と呼べる友達なんかいなかったし、人間関係で気掛かりな事なんかないな。それに、魔王に召喚されていなかったらどっかの国に奴隷にされていたかもしれないんだろう? だから魔王に召喚されて良かったよ」

「……確かにそうなっていたかもしれないな。何かありがとうよ、ナオ。でもなー、お前みたいな奴しか残らないから、俺の城にいる勇者は変人ばっかりなんだよな……」

「テメー、人がせっかくフォローしたのに」


 気掛かりか……。

 一つだけならあるな。

 弟は僕がいなくなって、やっていけるのだろうか?

 それだけが気掛かりだな。

 

「あ、そうだ。夜ご飯が一時間後くらいにあるから食堂に来いよ」

「分かった」

「じゃあ、ご飯の時に会おうぜ。その時に食堂にいる連中の紹介してやるから」

「ああ、分かった」


 そう言って魔王は部屋を出て行った。

 魔王が部屋を出て行ったあと僕は部屋を散策した。


 おお、風呂もトイレもあんじゃん。

 この世界が想像よりも発展しているのか、それともこの魔王城が発展しているのか……多分後者だろう。

 なんかこの部屋コタツまであるし、きっとこの魔王城が発展しているのだろう。異世界にコタツがあるとは思いにくいしな。

 というか、コタツやっぱりあったかい。


「失礼だと思いますが、ご主人様ちょっと良いですか?」

「ん、どうした人形?」

「ご主人様は食堂という場所をお知りですか?」

「……あ。そう言えば知らないな。ちなみに、人形は?」

「知りません」


 もしかしたら僕って今ピンチな状態なのか?

 魔王が部屋を出て行ってからもう十分は経っただろうし、魔王を探しに行ってもこの広い魔王城を迷うだけだろうし、困ったな、迂闊だった。


 でもどうにかなるだろ――――はっ!

 やばいコタツに入り過ぎて思考が楽観的になっている。

 とりあえず、コタツから出た方がいいのか?

 いやでも出たくないな。


 よし、人に頼るか。

 僕は基本、他力本願なんだ。

 

「どうすれば良いと思う人形?」 

「どうせ迷うでしょうし、余裕を持って部屋を出て探検がてら食堂にたどり着ければ良い。というのはどうでしょうか?」 

「あ、はい。それにしましょう」


 おお、何だこの人形……。

 凄く頼りになるな。

 何か、この人形がさらにランクアップして自我を身につけたら、尻に敷かれそうだな……。


 そうならないように魔王に威厳について聞いとく方が良さそうだな。





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