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33 始動

リハーサルと最終チェックを終える。


「機材もOK。衣装も問題なかったわね。アンコール曲まであったことには驚かされたわ」

「あ、当日のお客さんの盗撮と録音は厳禁ですからね!飲食も厳禁です!!」

「それ、しなきゃ駄目なの?」


地球と違って質がものすごく低いからそこまでする理由が分からないらしい。

だって、聖気は使うし、もしかしたら神気だって使うかもしれない。そうなると、不思議現象が起きた時に演出で誤魔化せないことが万が一起きた時にまずいんだよね。飲食も私達にも失礼だし、他のお客さんに迷惑ですよ?


「そうですね、発注元に頼んだ七色に光る光の演出用の機材は俺達だけの物という専属契約していますので。それにご覧頂いた通り、今までと構成など違うのでしょう?それにもし、飲み物が他の人に掛かったら?串焼きなんか持ち込んだ人の串が誰かに刺さったら?興奮して盛り上がった時はあぶないでしょう?」


私達の演出は日本のものを参考にしているので今までと異なるのだ。

正直いって、この会場を借りる代金は安価だったしや曲珠の作製は簡単だったのだ。

高かったのはそれ以外の設備と人件費である。


「そう、そうね。…どうせ他にも隠し事はたくさんあるんだろうし。ま、いいわ。で、どうやって取り締まるの?」

「そんなの、一人ひとりの手荷物の中身を見ていくに決まっているじゃないですか」

「なんかもう好きにしてって感じ。レイさん、あとは任せるわ」


エリカさんは「あ~、頭痛いわ」とこめかみを押さえた。


◇◆◇


演出の爆発音があがる。

興奮の叫び声が会場を熱くする。

お客さんの熱気と私達のあおりで暑さが増してく。


トークは…ほとんど無い。

練習したら、物品のセールストークみたいになってエリカさん達が顔を引きつらせていた。なので、あまり喋らないでと釘を刺された。

他の三人にお願いしようか考えたが、メインヴォーカルが一応私になっているので、今回は止めておいてといわれてしまった。とってつけた様に「少し謎めいている位の方が美しさが引き立つわよ」なんて言われてしまうと従うしかなかった。大人だもん。駄々はこねません。


私の心結みゆうはミュウという風に聞こえるらしく、会場からはミュウと呼ばれた。

何故かマリエルはキラと名乗り、リコルはニコ、ジルはウララと名乗った。

事前に聞いていなかったので、ものすごく驚いた。

我らの行方、この星の風、空色、僕達の道は続く…などなど演奏していく。



大して長くもないが途中で休憩をいれる。今はその小休憩だ。

盛り上がりに手ごたえを感じるそんな中、ミラーボール(仮)の光に紛れ、聖光を浴びせた。

その結果について、皆から視た様子を尋ねる。


「どんな感じだった?」


私は気持ちよく過ごしながらも、会場に気を巡らせていた。

気になったことがあった。それは私だけだっただろうか。多分そんなことはない。

だって、明らかにおかしな反応だったから。


聖光の効果で、悪霊の大部分が本来の姿に戻った。元々悪霊化していなかったものは還っていった。

そう、「大部分は」なのだ。

そうでないものは?

一人の少年のもとへ集まっていった。

彼の周りは悪霊で覆われていた。あんなに憑けているのに具合が悪そうでもない。


「あの子は何?」


私の質問に誰も答えてくれなかったので、再び質問を投げかけた。───が、返事があるより先に。


「休憩終わりです!青雲の志の皆さん、後半の準備お願いします!」


スタッフの声に呼ばれて、小休憩が終わる。







私達は視ていた。開演してすぐに、その一点に釘づけになった。

誰も動きがぎこちなくならなかった事に拍手をしたい。

背格好から大人ではないだろうと判断した。可視化を解除する。多分、少年だ。遠目だから顔が良く見えないけど、若いと思う。

あんなに覆われているのに全く苦しそうではない。

…もう、悪魔になっている?いや、そんなことはない。そうなら絶対判る。

笑顔を維持しながら、全体に目を配りながらも、どうしてもそこに目が行った。


会場の周りにはマリエルが結界を張ってくれてある。悪魔やそれに準じるものは入れないようになっている。だから、それは絶対にないはずなのだ。

それに、幾ら何でも四人のうちの誰一人として気付かないなんて事は無いのだ。


『あの子何?』

『聖光を浴びせた後に。それまで様子をみましょう』

『そっちも気になるけど、今はライヴに集中しましょう』

『はい!』






後半に入ると盛り上がりは更に大きくなる。

キラ(マリエル)とニコ(リコル)が歌うと乙女達の叫び声が上がる。ウララ(ジル)が歌うと男性の声が会場を熱くする。私の歌声が響く時は…良いのか悪いのか比較的しっかり聴いてもらえている。メイン張ってますから!魂ふるわせる歌声って事で。

四人で歌ったら会場が揺れた。

私達のデビューイベントがもう直ぐ終わる。

アンコールの声援に答え、再登場する。

会場は再び歓声に包まれる。

揺れる会場。設置されている演者用の通路を歩く。

アンコール前に聖糸せいしで少年に纏わり憑く悪霊を絡め捕った。

一度、裏へ引っ込んだ時に神気を使うことを決めた。



アンコールの熱気のどさくさに紛れ、神気を放った。


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