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黒山羊の卵  作者: 高槻泉
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 最近のニュースではいつもK市の連続殺人事件のことが報じられている。今のところ、死者は五人。いずれも刃物で腹を数回切り裂かれていた。

 今ついているチャンネルでもそのことでもちきりだった。

 警察によると殺害された五人に共通点はなく、無差別であるという。

 つい昨日新たな死者が出たところだ。

「怖いね」

 誰にともなくそう言って鍋の中の肉を引き上げる。すっかりこげ茶色に染まって香ばしい匂いを放っていた。

「そうね」

 母はそっけなかった。

「ニュースおもしろくないから別のチャンネルに変えていい?」

 答えを聞く前にバラエティー番組に変えた。途端、乾いた笑い声が響く。

「そういえば来週の休み部活があるんだけどさ」

「あら、そうなの。初めて知った。コンクールの練習?」

「うん、9時から夕方の5時までだからお昼ご飯はいらないよ」

 そしてK市は僕らの住んでいるところだった。

 

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