第一話オールトの欠片
どうもぬっさんです。なろう初投稿です。
僕は昔から宇宙好きですこのお話の主人公くらい好きです。僕の小説を書く方針としてはセリフ少なめ、1章1章短めです。なので話数も多くなりますがよかったら最後まで読んでください。お願いします
2030年、相模原
2030年、神奈川県相模原市にあるJAXA・宇宙科学研究所相模原キャンパスに、国際間オールトの雲観測プロジェクト「リトライオールト」のアジア・オセアニア地域本部が設置された。
日本からは、宇宙科学研究所で太陽系研究に携わる研究員12名が派遣された。それだけではない。国立・私立を問わず、国内の大学にある宇宙研究室や国立天文台などからも、約130名もの研究者が集められた。そのうち、およそ半数は実際に天体観測を行う研究員たちだった。
さらに、観測プロジェクトに参加する各国からも、研究主任をはじめとする約40名の研究者が派遣された。オーストラリア、韓国、インドネシアなど、アジア・オセアニア各国から集まった研究者たちである。
そんな大規模な研究チームの中で、一人だけ異彩を放つ研究員がいた。
伊勢早渡。
宇宙科学研究所に所属する研究員であり、かつて「はやぶさ2」プロジェクトにも携わった人物だ。2018年、はやぶさ2が小惑星リュウグウへの着陸を成功させた瞬間を、彼もコントロールセンターで見守っていた。
そんな彼が宇宙に興味を持ったきっかけは、6歳の頃にまでさかのぼる。
種子島宇宙センターで見た、H-IIAロケット1号機の打ち上げ。
轟音とともに空へと駆け上がっていく巨大なロケットを見上げ、幼い伊勢は思わず叫んだ。
「うわ、すっげ……!」
その瞬間から、彼は大の宇宙好きになった。
中でも、彼が強く惹かれたのは天文学だった。
その興味は大人になっても変わることはなく、国立天文台に研究員として所属していた頃も、彼は天文学の研究に没頭していた。特に力を注いでいたのが、太陽系の最外縁に広がると考えられている「オールトの雲」の研究だった。
だからこそ、今回のプロジェクトは彼にとってまさに夢のようなものだった。
幼い頃にロケットを見上げて以来、宇宙に憧れ続けてきた。そして研究者となった今、自分が長年研究してきたオールトの雲を、実際に観測するための国際的なプロジェクトに参加できる。
その事実に、伊勢は喜びを隠せなかった。
いや、隠す気すらなかった。
研究施設を歩いているときも、会議中も、観測計画について話しているときも、彼の目はいつも輝いていた。
周囲の研究者たちは、そんな彼を見て苦笑する。
「伊勢さん、そんなに嬉しいんですか?」
そう聞かれるたび、伊勢は決まってこう答えた。
「だって、オールトの雲ですよ? あのオールトの雲ですよ!」
そのあまりの熱量に、気づけば彼は、130名を超える研究員たちの中でも少し浮いた存在になっていた。
しかし本人は、そんなことなどまったく気にしていなかった。
彼にとってここは、幼い頃から夢見続けてきた場所だったのだから。




