計画の練り直し
ソフィ様を守る。
そう決意した私に求められること。
それは、再度ゲームについて、特にソフィ様がシナリオに関わってくるところを思い出すこと。
そして、彼女が悪役令嬢にならないように計画を練り直すこと。
彼女はこの国の第一王女。
その身分の高さから私と違ってどんなバッドエンドでも死ぬことはない。
彼女への断罪は近隣国の性悪年寄り宰相に嫁がさせることだ。
"ソフィア=遥菜”となるまでは、死なないからいいじゃないかと気にすることはなかった。
けれど、今は違う。
愛娘の将来のこととなると話は別だ。
娘には何があっても幸せになってもらわねば。
性悪年寄り宰相に嫁がせたりなんかするものか。
自分はどんな破滅を迎えてもいい。
寧ろそれが相応しい。
けれど、ソフィ様だけは守りたい。
そのためには、何がなんでもゲームのことを思い出して対策を練らねば。
ソフィア・ロイヤル・オースティン。
この国の第一王女であり、乙女ゲームの悪役令嬢。
先日見る限り利発だし、部屋の荒らし方は凄かったけれど我儘自体は年齢相応という感じだったし…
悪役令嬢になりそうな感じは見受けられなかった。
一体どのルートで悪役令嬢になるのか。
何故悪役令嬢になるのか。
それをしっかり思い出そう。
裏ルートについては知らないけれど、本編での乙女ゲームの攻略対象は5人。
私が殿下ルートとアルお兄様ルートで悪役令嬢ポジションというシナリオだから、この2人のルートの時はソフィ様は大丈夫だろう。
残りの攻略対象はヒロインの幼なじみの平民と、ソフィ様の近衛騎士と、殿下の弟でありソフィ様の兄であるアレン王子。
裏ルートの攻略対象が誰かは分からないけど、アカデミーが舞台となるゲームなので恐らく学校関係者である可能性が高いだろう。
そしてソフィ様が悪役令嬢になるのは確か、近衛騎士ルートとアレン王子ルート。
理由は近衛騎士ルートの場合は彼に仄かな恋心を抱いていた故の嫉妬心からで、アレン王子ルートでは彼に対してはブラコンだったから…というものだった筈。
恋心を抱いていれば嫉妬をするのも、ブラコンだったらヤキモチを妬くのも分かる。
けれど、その感情は決して断罪されるようなものではない。
多くの人が人生に於いて抱く感情だ。
元々ソフィ様に悪役令嬢になる"気質”があったからこそ、それをきっかけにヒロインに意地悪するなり何なりして悪役令嬢化したのだろう。
その"気質”についても掘り下げて考えねば、根本的な解決にはならない。
逆に言えば、その気質さえどうにかしてしまえばどのルートでも裏ルートでも彼女の悪役令嬢化を防げるということ。
万が一悪役令嬢化しそうになっても、私が傍にいれば軌道修正できるレベルくらいまでになるだろう。
だから考えろ、考えろ。
どうにか思い出せ。
ゲームでのソフィ様がどういう性格という設定だったのか。
ああ、こんなことになるのなら、興味がないなんて流さずにあのゲームをもっと何回もやり込むべきだった。
懸命に思い出しながら、後悔先に立たずとはまさにこのことだと私は考えていた。




