平和日和
カルナ達は農村建築予定地に行った。
しばらくの間は帰ってこなさそうだ。
建築資材として使うレンガや金属部品を作るカルメンやエルナスも忙しそうだ。
「いや……、実際忙しいのか
カルナ達がいなくとも需要が消えることはないもんな」
ラルシュ達も建築を進めている。
需要が二倍になっているのだ。
俺は遠くから眺めることしかできない。
ずっと働き続けている彼らにはお礼をしなければならないな。
あとでシャルロッテにげんきになる薬でも作ってもらおうかな?
こんなことしかできないが喜んで欲しい。
ラルシュの方も見に行く。
今は食糧庫を作っている。
場所は街の西。
ブドウ農園の方だ。
これから農作物の収穫量が増えるので急ピッチで作り始めている。
「……やっぱり仕事が早いな」
経験の差だろう。
動きに無駄がない。
部下も皆優秀に仕上がっている。
これならあっという間に完成するだろうな。
「これが完成してもまだ他のことが残っておるんです
カルナから集合住宅を増やして欲しいと言われとりやしてね
それが終わっても今度は農村の方があるんで休みはないすよ」
……すまない。
休暇を作ろう。
働きすぎて倒れたりしたら心配だ。
それはともかくみんなが働いているんだ。
俺も何かしなくてはならない。
「とは言ってもできることが少ないんだよなぁ」
農業くらいだ。
……別に農業を軽く見ているわけではないからな。
ただ……本当にやれることがないのだ。
みんな魔法でなんとかするため俺が出る幕がない。
何ができるか考えねば………。
………
…………
「……ダメだな
やっぱり農作業しかないな」
とにかくだ。
鍬を持って畑に出かけた。
今現在街にある畑は西の川を挟んだ両岸に位置している。
そのうち最西端はブドウ農園。
だから俺がいじる余地があるのは川の東の畑なのだが今現在は麦を主に育てている。
新たに農村を作るにあたって新しい農産物に挑戦するのもいいと思う。
主食になるからと麦ばかり育てても仕方ない。
何か他のものも欲しい。
「……米が食べたいな」
日本人だもんな。
むしろ今までよく我慢したと思う。
米があれば日本酒も作れる。
文化と生活の質が上がるじゃないか。
だから早く確保したいのだがな。
「……そもそもこの世界に米はあるのだろうか
麦があるくらいだからあってもおかしくはないと思うがなぁ」
ちょっと心配。
どこかで野生種を見つけることはできるかもしれないがそれには多くの労力を必要とする。
今はまだ避けたい。
ならばどうするか。
「………食事のことを考えてると色々と思い出すな
香辛料、砂糖、マヨネーズ………」
どれも欲しがりはしたが諦めたもの達だ。
いかんせん材料がない。
他の街では売っているのだろうか?
……香辛料はあるな。
種も持ってる。
だが気温の問題か発芽しなかった。
「……ほんと、どうしたものかなぁ」
「どうしたの?」
……シャルロッテか。
実はかくかくしかじかでな………。
…………
……………
「ふ〜ん、なるほどね
その困りごと、私がなんとかしようじゃないの」
本当か!!
それはありがたいが仕事の方はいいのか?
忙しいのだろう。
「いいのよ
この程度既存のシステムでどうにかなるわ」
そうか。
なら頼む。
「まっかせなさ〜い」
とても頼もしいな。
今日も平和だ。
とても良い。




