装備製作と非常食、後に逃亡
まだ薄暗い。
太陽が上りきっていないからだろう。
昨夜はよく寝れた。これもちゃんと準備しておいた寝床のおかげだろう。
とりあえず川で顔を洗い、昨日洗った作業着で拭く。丁寧に洗ってキレイになったのに勿体無いかもしれないが仕方がない。タオルがないのが悪い。
洗った作業着を着て作業を始める。
飯がないから探さなければならない。
すでにあたりはしっかりと明るくなっている。
獲物を探すには絶好のチャンスだ。
今日はサワガニにした。
一時間もかからなかっただろう。思ったよりも採れてしまった。カニで手が埋まるたびに焼いていった。もちろん焼き時間も川に入って獲っていた。
そしたら昼と夜の分まで確保できてしまった。
「自然の恵みに感謝だな。」
餓死なんて想像したくない。
できるなら老衰が良い。
食事を終えた後、何をするべきか考えた。
ずっとこんな所にいるわけにはいかないだろう。
川の近くは雨が降ると危険だ。
ならば移動すべきか?
食料がない。
ならば非常食を作るべきだ。
ウサギを捕まえて燻製にする。
そうしよう。
まずは武器を作ってみた。
石製の槍だ。
リーチが長いからツノウサギ程度には負けないだろう。
貧相な見た目とはいえ安心感は高い。
ないよりはマシだ。
ついでに斧も作った。
すぐに必要なわけではないがノリで作ってしまった。
完成度と期待値が高めだ。
「さて、行くか。」
準備ができたので探索を始めることにした。
お目当ては肉だ。
それ以外にも木の実か何かあれば十分だ。
多少遠出しても焚き火の煙で迷うことはないだろう。
まだみぬ生物に怯えながらも行動を始めた。
……ちょろかった。
想像よりも簡単にツノウサギが獲れた。
大人なのか体はかなり大きい。
大型犬くらいはありそうだ。
なんにせよ飯は手に入れた。
保存食が量産できる。
このウサギ一羽で4日は生きれそうだ。
残りの時間で干し肉を作ることにした。
完成する頃には夜になっているだろう。
「近いうちに旅をしよう。」
まだ目標はない。
だが自分一人だから何をしても良いのだ。
こうしてこの日の活動を終えた。
翌朝、俺は逃げるように拠点を離れた。
目の前が火の海だった。
森が燃えている。
下手したら自分も燃えてたかもしれない。
火事の原因はわかる。
自分の焚き火の日だ。
知らぬ間に風が強まり火の粉が飛んだのだろう。
その説を証明するかのように今日は風が強い。
……考えている場合ではなかった。
いちばん大事な干し肉を葉っぱで包みつる性植物で結んだ。
今やるべきことはなんだ?
消火か?
いや違う。
「逃げねばっっっ‼︎」
火事の原因と知られたらまずい。
俺は石槍と石斧を持って駆け出した。
川の下流に逃げることにした。
火事のことは忘れ、今を楽しむことにした。
海に辿り着けば塩が手に入るかもしれない。
調味料があれば生活の質も上がるだろう。
それに川の下流は平地が広がっていることがある。
開けたところなら街の一つや二つくらいあるだろう。
こちらの世界の住民と交流できれば調味料が手に入るかもしれない。
交流ができればだ。
「言葉がいちばんのネックなんだよなぁ……。」
会話ができなければ何もできない。
下手したら不審者として捕まってしまうかもしれない。
火事がばれなくとも結局捕まるようじゃだめだ。
でも他に行くあてもない。
「運よくジェスチャーが通じることを信じよう。」
これ以外方法がないのだ。




