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片山千尋視点:奥野康太という生徒

奥野康太…作者からしても扱いにくいんですよね

奥野康太という生徒と話してみて、あの子が毛嫌いするのがなんとなく分かった。あの子に対して微妙な距離感なのも、少し感じた。


大人っぽい子に対して憧れを持つとともに、何らかの理由で同情に近い念があるのではないだろうか。


だから一緒にいてやらないと(・・・・・)、なんて言葉が出てくる。要は見下しているのだ。

大人びている、という言葉からは純粋な憧れのような感情も見えた。


なんというか、年相応と言えばいいのか、薄っぺらい人間性だと言えばいいのか。


なんにせよ、あの子には釣り合わない、不思議な関係性だと思う。


これらを踏まえてあの子にも今後の動きを伝えなければならないのだが、伝えにくいというか、動きが取りにくい。

なんせ相手は『子ども』である。その場の勢いで何をしでかすか分かったものじゃない。


今回の面談で多少なりあの子に対して意識を向けられたので、今後は変わるかもしれないが、あくまでも『多少』だ。


はやし立てればいいのか、からかえばいいのか。律することは悪手だろう。


普通の担任としての立場ならば、なんの特徴もない一生徒として扱いやすいのかもしれない。非行に走るわけでも、他の子を誘うわけでもないのだから。


だが、特定の個人にしてみればたまったものでもない。ましてそれは(本人にとっては)善意からくるものだ。抑制して別の方向になっても厄介だろうし。


高田さちという個人にとって、奥野康太という個人はただひたすらに迷惑な存在なのだ。


そして、一応中立とはいえ先に高田さんから相談を持ちかけられているから味方と言えなくもない立場になるわけで。


結論から言えば面倒くさい。あの子の気持ちがよく分かった。特筆することはないのだが、あの子の立場からすればただ面倒なだけの相手だろう。

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