ポンプ
しかし冴島は更に上を行っていた。冨田がガードしたのはブロックではなく冴島の胸の辺り。冴島はその上から手を伸ばしシュートをブロック。ボールはエンドラインを割って出る。
「うわー、まじか!」
「危ねー、さすがだな」
お互いを褒め合う2人。この2人の1on1は個人的に凄く興味があったが、冴島に軍配が上がった。
「あれ止められたらキツいっす、ちょっとシューティングしてきます」
冨田はそう言い右サイドでシューティングを始める。
「さあ、やろうか。大和」
「……はい」
少し迷った。俺も冨田のようにシューティングなどをもっと磨いてからでも良いんじゃないか。そう思ったのだ。しかし、逃げたくなかった。冨田があのサイズであそこまで惜しいところへ行ったのだ。俺も負けてられない。疲労は言い訳にしない。
左45度でボールを貰い、まずはボールと冴島の間に体を入れる。俺はドリブルをつきながら冴島をバックダウンで押し込むが、全く押し込めない。右手でドリブルしながらもう一度押し込み、左にロール。ステップバックからレッグスルーで右にドライブして両足着地、ペイントエリアに入りシュートフェイク。冴島は跳んでいた。俺は冴島にわざと体をぶつけながらシュートを放つ。冴島は精一杯空中で避けようとしていたが、それは出来なかった。ファウルを貰いつつシュートは成功。バスカンだ。
「まじか!」
冴島は驚いていた。まさか自分がバスケットカウントワンスローをとられるとは思ってもみなかっただろう。
俺は冨田の言葉を思い出していた。冨田の後だったからこそ思い出せた。




