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vsエース
冴島のところへ向かうと、冴島はフリースローの練習をしていた。
「冴島さん、なんか冨田から……」
「おう、来たか。1on1やろうぜ」
俺の言葉を遮り、冴島が言う。
「俺はお前を見込んでるんだ。お前を俺のレベルまで押し上げるのが俺の役目だと思ってる。頼むぜ、後輩」
不思議そうにしていると冴島が説明する。
俺は嬉しさと悔しさの混じる感情だった。エースである冴島に認められている事と、まだ格が違うとはっきり言われているように感じた。
「お前はまだでかい割に動けて上手い選手だ。超えてくれよ、その場所を」
冴島に言われ、気合いが入る。
「燃えるぜ」
俺は冴島を睨みつけ、呟き、ボールを持ち、体勢を低くし、構える。右にジャブステップを踏み左にドライブ、しかしこれは読まれていた。だがそこまでは想定内。コースを塞がれたところでバックロール、こちらが本命だった。チェックが離れたところで流れのままにジャンプシュートを放つ。が、冴島の手がそれを邪魔する。シュートはしっかり打ちきれずボードに当たって跳ね返り冴島がリバウンドする。
「良いムーブだけどあらかじめ決めて動いたな。ディフェンスを見て上手く対応出来るようにならないとサイズとスピードで上回られてる相手には通用しないぞ」
見透かされていた。




