1stR前半
大会1回戦。 スタメンは練習試合の時と変わらず冨田、蛇川、冴島、佐倉、大内。唯一変わったのはPG冨田、SG蛇川となった事だ。冨田は遂に正PGの座を手に入れた。
「やったな」
「おう。まあツーガードだけどな」
「いや、認められたのは確かだろ。すげえよ」
冨田は頬を緩ませる。
1回戦の相手は千種南高校。特にスポーツに力を入れてない学校だ。見たところ180cm以上も1人か2人と、サイズでは圧倒的に上回っている。
「小さいからと言って気を抜くなよ。100点とるつもりで行け」
鈴木監督が活を入れる。確かに冨田だって小さい。小さくても上手い奴はいるだろう。
ジャンプボール、いつものように冴島が跳ぶ。相手のジャンパーは180cm程度だが、跳ぶ事すらせずマイボール。1Q、冴島がリングにアタックし続け、相手はファウルすら出来ない。ディフェンスでは蛇川が相手のエースらしき選手にぴったりついてボールを入れさせない。相手のリズムは崩壊していた。
1Qは32-6と圧倒。これは勝負にならないだろう。
2Qは冴島と蛇川と佐倉を下げ、シューターの石山、俺、2年生PFの伊田大助が入る。またSF起用だが、俺は落ち着いていた。2人に言われた心の力、どんな起用方でも関係ない。俺は俺のプレイをする。
2Qが始まり、冨田は早速俺にボールを託す。俺はドリブルで相手のセンターらしき選手を抜き去り短めのミドルシュートを決める。インサイドは冴島が散々荒らした後だ、かなり狭い。基本はミドル主体で行くつもりだ。
「ナイスシュート」
冨田が声をかけてきて、ハイタッチ。俺達の役割は隙を見せない事。ベンチメンバー中心でも点差を詰められなければ相手に絶望感を与えられる。
2Qは更にメンバーチェンジをして控えだけになるが、それでも点差は開く。58-15とノルマの100点ペースを超えていた。




