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計算が違うんですけどっっっ!part4








ちょっと使ってみっかな、程度の気持ち。

流石に広域だし、多少戦力の補助は必要だろう。魔法攻撃のない人類軍に対し、威圧し膠着状態が作り出せればいい。

各マゾバカ魔法戦士達のデモンストレーション的な魔術は軽く一通り見せてもらってはいたし。

ああ、そういうもんなんだ、と。スゴいね、と。軽い気持ちで。

こういうものです、と、ちょっと得意そうな三バカマゾから説明を受けながら。アトラクション的に愉しんだ。

まぁ。

だから、広域戦闘なら局面では大差ないかと思っていた。


だが、それが……パンドラの箱だった。


最後に希望は残ったか……?



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「イイから離れろ。敵陣へ向かえ。ここは俺一人でイイ」

バックにエンシェントドラゴンさんも控えてるしね。

不安げに離れていく俺親衛隊、マク、ヨニの二人マゾ女。チツだけがケツの下だ。

だが……俺ももう気づき始めていた。

誰でも縛れる……それは……おんなばかりでは無い、と言うことに。



敵陣から人類軍のむさ苦しい男達が湧いて出てきた。

きっと去り際の脳筋ジャンヌから指示が出ているのだろう。

アイツだけは絶対に殺せ、とか。

全滅上等!脳筋アタックの人類軍側だけに!エンシェントドラゴンさんの威容の抑止力が効かないのだろう。

ありそう。

実際、防御壁の影からまだ残っていた相当の人数が黒く一団となり、固まっていった。

そのむさい男達がぐんぐんと押し寄せる! 先頭を走る一人が叫んだ。

手にしているスキル判別機で探られてしまう。

「コイツ!攻撃スキルがナニもありませんっ!」

「なんか座られている女は……数値が出てません! 指揮官らしき男の方はナニも無しですっ!」

その声が響き渡り……薄汚い笑みを浮かべた男兵士達が突撃してくる勢いを増した! うぉぉぉぉ!とか吼えている。剣を高々と振りかざしている。

まさか、この四つん這いで背中に座られているおっぱいデカデカおんなが魔王軍第一軍の指揮官だとは……思いも寄らないんだろうな。ふふっ。

数値が出てない、とか言うのは判別機がショボいから? 

イイ獲物に見えたのか、調子に乗って襲いかかってくるバカ人類戦士。一冊の本を手にし……チツの生肉椅子に座り、ゆったり足組み、一人静かに待ち構える俺。

だが! 魔本〝縄師入門〟のページを開いた!

俺の手の中の本から!幾筋もの縄が走り出す!

おおぅ!という野太い声と共に!縄に足を取られた兵士達がばたばたと倒れていく! その身体にぐるぐると!

一瞬で括られてしまう!人類側バカ筋肉野郎共!

もう無抵抗!よじよじと地面に転がるだけ!

チツの目が驚愕に見開かれた。王子様どいてくださいませ!いざとなったら私が出ます!と言っていたその口が閉じた。

これが俺の唯一のスキル!

緊縛レベル100! 〝縄師入門〟炸裂!

その魔本が作り出す不思議縄がいくらでも出てくる!

どれだけでも縛れる!自由自在! 突っ込んでくる兵士達が最前線から順にばたばたと縛られて倒れていく。

強いじゃん。このスキル。攻撃は一切出来ないが。


しかし!

その〝縄師入門〟のスキルが……キツかった……

だって、これエロ本なんだもん。

おんな縛りのことしか書いてない。載ってない。

そしてそれを。

それをバカ筋肉男人類軍に行使すると!

ある者は右手首と右足首を一緒くたに縛られ、左も同様、大股開きに拘束され。ある者はあぐら縛りに脚を閉じられない形に仰向けに縛り尽くされ……うげ。うげぇぇぇっっ! 吐き気がするっ。そんなもん見せんな!毛深いんだよ!バカ!

きったねぇぇぇ!!目が!目が腐るっっ!

リアル吐き気にうっぷ!とえずき!思わず目を背けた!

じ、地獄っっっ……目の地獄っっっ!衝撃過ぎる!一瞬で後悔した!

やるんじゃなかったっっ!

チツ!チツを縛るかっ! あのしっとりとした超グラマー美肢体、その美曲線の拘束姿でも見て目を浄化させねば!目が潰れてしまうかも知れないっ!心が折れそうっ!汚染されたぁっ!

精神ダメージはこっちの方が喰らってるぅっっ!

慌てて!取り急ぎ一番基礎の高手小手!で立たせたチツを縛る!

あん……と軽く喘いで、くねり、とその括られた美肢体をしなやかに揺らす!

でっかい美麗ヒップがゆらゆらと緩やかに振りたくられる。ああ……

極上!至上!極地! ああ!目が目が浄化されていくぅぅぅ。

じゅぅぅぅと音を立てんばかりに!

ほぉぉぉ……と深々と胸の奥から溜息をつき、とりあえず……ゆるりと抱きつき、その縄に絞り出された爆乳に顔を倒した。ふんわり。あああ……

精神汚染が清められていく……ああ、女体ってステキ。チツを残しといて大正解。

もうこれ以外見たくない、とばかりに。

チツの乳房の谷間にぐりぐりと顔を埋めた。



かろうじて……チツおっぱいのおかげで精神の均衡と安静を取り戻した。抱きついていた高手小手姿のチツを手放した。

改めて、見回すと。ちらっとだけ。

一瞬で戦場は恥ずかし固めに縛られた毛深いバカ筋肉男達がごろごろと転がる、オトコ目線的には地獄風景と化していた。目に醜いィィ。まさに地獄絵図。

あーむかむかする。胃もたれ? なるべく見ないように視線をずらした。

ふふ。またつまらぬモノを縛ってしまった……ふっ。

あっ。

視線を逸らしたところに! 数少ない人類軍女兵士の姿!オアシスっ!

勿論、女兵士相手の恥ずかし固めも必殺だ! やっほう!数が少ないのが残念だがっ!

俺は大声で叫んだ!カッコよさげなポーズも取った!

魔本〝縄師入門〟を開き!ぐっと腕を突き出した!

「縛艶情技!二十三の形!鶯の谷渡り!」 

ばしぃぃっっ!とキマる! 適当極まる命名だが!

ああっ!とか細い声を上げて、二人の女兵士が緊縛に囚われた。

どんな形かは書けません(笑)

二人の女の互いの口が相手の身体の一部で塞がれる形!とだけ!記しておこう!

よい子は調べないように!



後コレは四十八手もあるのだ。おんな限定だが!

オトコなんぞ雑縛りで十分だ! 転がってろっ!


「縛艶情技!十一の形!松葉崩しっ!」

どんな形かは書けませんっ!

「縛艶情技!三十二の形っ!首引き恋慕っ!」

さらに!書けませんっっ!

「縛艶情技!三十八の形!乱れ牡丹っ!」

どうしたって書けるわけがないのだった。

その辺りで目に付く限りの女性兵士が尽きた。

〝縄師入門〟の体位、の参考ページにはまだまだ載っているのだが。

残念。

続きは三バカマゾにやらすか? ちょっと面白くなってしまった。



二人ずつの形に括られた女兵士が喘ぎ声を上げながら、地面でよじよじと藻掻いている。

その回りのバカ男兵士達がおおう!と目の色を変えている。

剣なんか放り出さんばかり。もう視線はおんな同士の絡みに熱烈に注がれている。

誰も前線なんか見てない。

ま、そうだよね。オトコなら!ふふふ。

しかし。

うーむ。元々男女の和合の形だからな。

おんな二人でやると、そこはかとなく百合風味。

戦場に燃えるおんな同士の愛。その儚くも強い絆。いいねっ。

そこんところもなかなかにtaste good。うふうふっ。

人類軍のバカ男達の足は完全に止まってしまうのでした。



聖女様の神輿がふらふらしている。戦況を理解できていないのだろう。元々一般人女性、ブラック企業OLだしな。

回りの近衛兵達も指示がないので、動きように戸惑っている。

仕方ねぇ。出すか。

「チツ。聖女様を追い立てろ。撤退に追い込め。だが、当てるなよ。軍勢ごと押し戻すようにすればいい。絶対当てるな。傷をつけるな。戦略上の必要性だ。理解したな?」

くたりと、しんなりと、艶めくように、ゆらり、と立っていたチツがしゃきっ、とスゴい勢いで背を真っ直ぐに立てた!そのからだから縄が解けて滑り落ちていく。

「はい!」

「慎重に行け!」

「はいっ!」

その目が久々の戦闘のせいなのか赤々と燃えている。目尻がびしっ、と吊り上がり、戦士の顔だ。ここんとこまぞまぞでとろんとした目つきしか見てなかったので、どきっ、とした。

あれ?マゾは? もう筆頭騎士止めるとか? 俺の生肉椅子で生きていく、とかは? え?別人?

そのきりりとした凜々しさと美貌は……つい見とれてしまう。

戦闘への意気が見るも鮮やかに甦っていく!口元に酷薄な笑みが浮かんだ!


「グラビトン!」

チツが大きく腕を足下に振り下ろした!

その足下で何かがドスン!と地面を叩いた!反動でチツがふわりと浮き上がった。え? 空飛べんの?

土砂を巻き上げて!チツのすんばらしいプロポーションが空に上がっていく。

一度中空まで上がると……びゅん!と勢いよく横に飛び立っていった。

じ、重力魔法って……そんなん出来ンの?

見せとけよ!俺にっっ!!!そっちも!



なんかいきなり静かになったような感じ。

エンシェントドラゴンさんと二人、小高い丘の上。

ふと、遙か先の戦況の確認をすると。

とんでもないことになっていた。


一番奥の戦端では。

なんかそこだけ天気が悪い。真っ黒な雲がかかっている。異常気象か?

しかしそれはマクの魔力雲なのだ。黒々とした雷雲の中に稲光が縦横に!走っている。

それが容赦なく降り注ぐ!

ただただ人類軍が逃げ惑っていた。天変地異に襲われたかのように。



真ん中の戦況は。

ヨニが薙刀を振り回している。斬撃が光り輝いて飛ぶ!地に弾ける!人が飛ばされる!陣が一撃で崩れ、切り裂かれる!

あははは!というヨニの高笑いがここまで聞こえてきそうだ。


今さっき飛び去ったチツは。

宙にそのまま浮かびながら!両手を交互に振り立てる。

「逃げ惑え!」

その手から放たれた透明な……何かが、地にどすっ、どすっ、と、窪みを作っていく! ただただ抗うこともならず、必死に頭を抱えて敗走していく人類軍。

それはいくらでも作れるかのように、チツが両手を振り下ろす限り!地にデカい鉄球を落としているような穴が空いていく。

うふふふっ、と微笑むその顔が凄まじく艶気に満ちている。


もうですね。これは大敗。人類軍大敗走。

チツの重力魔法の乱打に追い立てられるように、神輿を近衛兵に囲まれて退却していく聖女様。

神輿の手摺りにしっかり掴まり、近衛兵の必死の敗走に揺さぶられながら、悔しげに口汚い捨て台詞を吐いていた。

「話が違うじゃ無いの!このくそニートぉっっ!ゴミ野郎がぁぁっ!」

口が悪ぃなぁ。

どこがヒロインだ。

育ちも悪いぜ。


はぁぁぁ……計算違いは、あとで謝らんとなぁぁぁ。









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