第四話「病棟」
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「よ〜〜〜〜やく着いた、」
途中ゆっくりしていたのもあり、結構時間がかかった。案の定、外にはゾンビが蔓延っている。何人か患者の服を着た者もいる。既に全滅した可能性が高いだろう。
琉導はゾンビたちを無視し、中へ入ろうとするが自動ドアがほんの少ししか空いておらず、入れない。
「これならどうやってゾンビたち外出たんだよ」
辺りを見回すとガラスの破片が落ちているところがあり、上を見ると、三階のところのガラスが割れている。格闘した形跡だろう。だが、あそこからは流石に入れなさそうだ。
「一階でも格闘してた現場があれば、、、」
病院は入れる隙間を与えない。だが、第二の入り口、駐車場がある。もしかしたら病院に直接繋がっているかもしれない。なんだったらここに人が隠れていてもおかしくない。
「助けれるかな、俺は、人を。」
琉導は未だ人と接しても良い状態にする方法はわからない。だから何か行動しようと考えた。可能性という種に一度起こる実現が水となり、方法を知ることで花開く。この道では琉導はまだ水を貰えていない。
駐車場は地下にあり、ギリギリ電気がチカチカしているだけだ。辺りにはフロントガラスが割れた車ばかりがある。中には爆発したであろう車もある。
「あの奥の扉、、開いてる!ついてるこれ!」
その扉の先は上に登る階段があり、登ると病院に直通する通路だった。ここからは開いている。
「これで一階侵入!とりあえず血液パック、薬、生存者!」
幸いまだ日が照っているため、周りが見える。とりあえずでマップを確認する。
ここにはほぼ全ての病院としての施設がある。一階にはゆっくりとできる施設が大量に用意されていて、ここでゾンビから身を守ることは可能だったろう。
しばらくして、琉導は五階に輸血室があるのを見つける。ただ、いくつかある階段のうち全て色々なものが散らばり、上へ行きにくい。
「4回だけの苦悩だ。もしかしたらこの後は綺麗な階段かもしれないだろ。上がるか。」
琉導はゆっくり上がる。爪先が何度も何度も次の段にあたるが気づかない。ラスト一段のところまで来た。だが次の段にまで足が上がらず、落ちかける。
「うぉぉぉおお!ちょっと、、!ちょっと待てぇぇぇぇぇ!」
琉導は手すりの間に手を伸ばすが力が入らない手では掴めない。
「ゔぁ、、」
琉導は何度も体を打ちつけ、倒れるがしばらくするとゆっくり立ち上がる。
「骨折れてんなこれ、もう再生しかけてるけど。マジでこの再生、役立ってるけど限度がわからんなぁ」
琉導は琉導とともに落ちたものの中から這い出てき、ゆっくり登り始め、辿り着く。
2階は意外にもそこまで散乱した様子はなく、先は進めそうなのでそのまま進んだ。
2〜3階への階段は特に何もなく、気軽に進めた。3階は手術室があり、そこにも輸血用の血があるかもしれないと言ってみるが完璧に閉ざされていて行けない。仕方なく上へ上がることにする。
3〜4階の階段にはいろいろな器具がばら撒かれていた。特に丸いものが琉導の足裏で転がり、何度か転倒し、登り直しになっていた。
「あー気持ちわりー。これで痛みを何一つ感じないのが一番気持ちわりー」
愚痴を言いつつ上がった4階は物が散らかりすぎていて捜索は出来そうにない。仕方なく上へ行くことにする。
4〜5階はカートのようなものでミニバリケードが作られており、ゾンビの死体が転がっている。いよいよ人がいる可能性が出てきた。琉導は体を使い、こちら側へカートを倒し、登った。
己の鼓動は感じない。ただ、パタパタと言う足跡だけが病室に静かに響き渡っている。
ようやく5階に着いた。望みの輸血室はもう目の前へとなった。そこまでは難なくたどり着き、何事もなく開くことができた。
「ここが輸血室か、小瓶に血液をなにかしてこうするのか、、わからん。」
輸血室は想像よりは広いが案外簡単に輸血パックは見つかる。少し不安になった開閉は案外手の力なしで腕の力だけでパキッと音が鳴り、開くことができた。血が垂れているところを歯のみで盛り上げて、飲もうとしている時に思う。
「人いないと検証できないじゃん、、、まあいいか。一旦飲んでみよ、、、」
正直に違いがわからない。ただ、血を飲めるように咥えていることにした。多分人を目にすると落とすだろう。
ここからは危険になってしまうが人を探すしかない。琉導はゆっくりと歩き始める。日は空を赤く染め始める。もうすぐ暗闇になってしまう。琉導は気持ち早く歩くことにした。
6階に上がった時、少しゾンビの声が聞こえる気がした。何故上で?と思うが、もしかしたらあのバリケードのところで噛まれた後にゾンビを殺して、上で不自由な体を持つ患者が犠牲になれば地獄絵図になるだろうと考え直す。
「流石にゾンビがたまる場はいるだろ人。」
ゾンビたちは一室の部屋前に屯している。ここだという確信が強まり、向かう。とりあえず血液パックを飲む準備をし、扉の前へ来た。めちゃくちゃな賭けだ。人を犠牲にするかもしれないこと。それができるかも分からないこと。何よりも恐怖だ。
「行くか」
ゾンビたちが少し距離を置いたところで扉をスライドさせる。そこには一人の女性がいる。琉導は人と認識した瞬間血液パックを上にし、飲もうとした。だが、想像以上にゾンビの反応が早く、琉導は背中を押されてしまい、血液パックを落とした。
「しくった!やべぇ、またあれが始まる、、!」
琉導の意識が途絶え始める。目の前の血肉を捉え喰らおうとする。不思議と力がみなぎるような状態へと陥る。
その矛先を向けられた彼女は後ろに倒れ、右手で支え、血が出るほど怪我をしている左手を前に出した。
「こ、来ないでぇぇぇぇぇ!!!!!」
その瞬間、彼女が左手を前に出す勢いで血が飛び、数滴琉導の口に入る。その瞬間、琉導は意識を取り戻す。少し手の感覚がある。それを利用し咄嗟に後ろの扉を閉める。
人とゾンビが同じ個室に囚われる、類を見ない光景となった。




