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第18話 真相

「その『物体』は今年の夏、山中湖の湖畔に落ちてきた隕石の欠片。通称『M物体』、『マーメイド』とも呼ばれている。


 そんな『マーメイド』に、ある複数の作用を施すと、飛んでもない力を発揮する事が判明した。企業内では、その事が外に漏れないよう戒厳令が敷かれた。


 ところが『帝国化学工場(株)』にも悪い奴が居て、移送される前に犯罪組織へ売り飛ばそうとした奴が居る。


 あたし達『EMA探偵事務所』は、秘密裏に国家公安調査庁から、犯罪組織の手に渡る前に『マーメイド』を奪取する依頼を受けてた。


 何でそんな任務を警察やら自衛隊に任せなかったのかと言うと、明らかなる内通者の存在を確認したから。あたし達の過去の実績からして、あたし達にそれをやらせるのが一番安全だと判断したんだと思う。


 決行は今日の深夜2時の筈だった。圭一さんとポールさんが『帝国化学工場(株)』のシークレットサービスとして潜り込んでいたのもその為。


 そのまま行けばあたし達は万全なプランの元、一切証拠を残さずに『マーメイド』を奪っていた筈。きっと今頃は国家公安調査庁で安全に保管されていた事でしょう。


 なのにあなたが余計な事をしてくれたお陰で、あたし達は警察に追われる身になってしまった。


 更にはその危険な『マーメイド』も、ド素人のあなたが担ぐリュックの中に今も収まってる始末。しかも、未だデンジャラスゾーンから抜け出せずに居る。以上です。ご理解頂けましたか? 正義の味方さん」


 ガタガタガタ......


 あたしの足が震えていたのは、別に寒いからじゃ無かった。そんな驚愕の事実を知ってしまった事による精神的ショックから来るものだった。



 何なのよ......偉そうに! 


 あたしがただのバカとでも言いたいわけ?! 


 それともう1つ......


 圭一さんは、あたしじゃ無くて『マーメイド』を守ろうとしてたってことになる。


 なんかあたし......


 1人で舞い上がっちゃって、ほんとバカみたい。


 そりゃそうだよね......


 4年も前に捨てた女の事なんか、誰だって構ってられないよ。


 あたしは喉から出掛けた言葉を必死に飲み込んで、素直な自分の姿を映し出す事に決めた。


 ここは大人にならなきゃならない場面だ......



「あなた達の大事な仕事をあたしがぶち壊しちゃったって事なのね。それは本当に悪かったわ。


 でもさ、あたしだってただの正義感だけで『マーメイド』を盗んだ訳じゃ無いの! あたしは......」


 やっぱ我慢出来ずに、余計な事を話し始めようとしたその時だった。


「しっ! ちょっと黙って!」


 突如、話を途中で遮られる。


「な、何よ! いきなり?!」


「いいから静かにしてっ!」



 ザッザッザッ......

          ザッザッザッ......

    ザッザッザッ......

              ザッザッザッ......

       ザッザッザッ......


 耳を澄ませば、至る所から薄汚い地面を引き摺る重い足音が、ステレオのように聞こえて来るじゃ無い!


 2人? 3人? 5人? 


 いやもっとだ!


「遂にお出ましってとこね。まぁ......10人位かしら?」


「ええっ、そ、そんなに大勢?! それって......もしかして警察なの? い、いや違う......まさか、犯罪組織とか?!」


「あら摩耶さん、あなた賢いじゃない。探偵に向いてるんじゃないかしら? フッ、フッ、フッ」



 ちなみに......


 何であたしが犯罪組織だって思ったかと言うと、さっきまで二重橋付近で散々警察に追われてたでしょう。あの時と比べて空気の張り詰め方が全然違うって事に気付いたの。


 この肌がピリピリしてくるような感触......これはあたしが生まれて初めて経験する感触よ。きっと人はこれを『殺気』って言うんだと思う。


 あたしはそんな『殺気』を感じ取った途端に、全身の血が凍り付いてしまった。気付けばあたしは『フリーズ人形』。フリーズって言う位だから、あらら......身体が全然動かないわ。



 一方......


 そんな『フリーズ人形』とは対照的に、美緒さんは物影に身を隠しながらも笑みを浮かべてた。それでその笑みは、決して苦笑いなんかじゃ無くて明らかに『HAPPY!』笑顔。


 それってどう言うこと? この超デンジャラスな状況からして絶対有り得ないでしょう! あたしがそんな事に思考を巡らせているうちにも、


 プシュン、プシュン!


 いきなり撃って来た! 


 しかも頭狙って!


「ひぇ~!」



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