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チートがあるとは限らない(打ち切り)  作者: 黒乃瀬 綾斗
3章 魔法使いの弟子編
23/30

21話 裏オークション

あらすじちゃん「前回のあらすじ!」

前書きちゃん「前回は、逃げて逃げて最終的に捕まって奴隷商人に売られちゃった」

あらすじちゃん「私の分は!?」

前書きちゃん「そして3章のはじまり、はじまりー」

あらすじちゃん「前書きちゃん!?」

 薄暗い地下に沢山の檻、その中には若い子供から年寄りまで沢山の人達が入っていた。


「メシの時間だ、残すんじゃねえぞ」


 管理人が檻の中にカビが生えたパンを突っ込むと部屋を出る。

 檻の中にいる一人の少女はカビたパンを手に取って食べる。


「おぃしぃ……」


 そうカビたパンを食べた少女は僕だ。

 奴隷にされてから少なくとも1年以上が過ぎた。

 あの奴隷商人と別れたのが一月前で、それからずっとこの檻の中にいる。

 ここはご飯は美味しいし、魔物は居ないしで最高の環境だ。

 あっ、目の前にいる男が小便を漏らした。

 ……飲まなくていいの?


 ここにいる人達は全員奴隷だ。7割が違法奴隷で、2割が借金奴隷、そして残りの1割が犯罪奴隷だ。

 奴隷は体のどこかに奴隷の焼印が必ず押されている。僕も右の太ももに押されている。

 しかし、借金奴隷は例外で特殊な魔道具の腕輪をすることで奴隷という証を得る。

 これは、借金を返済しなければ外すことの出来ない魔道具で、無理やり外そうとすると腕を肩の付け根から切り落とす必要がある。


 ……それにしてもほんとみんな死んだ顔しているな。

 自分と同じ檻にいる奴隷達をみると、みんなが全てを諦めた顔をしていて、中には既に壊れている人もいる。

 それに、人数分入れられたカビたパンは僕以外誰も手をつけてない。


 君たちとにかく食べないと体力持たないよ?死んじゃうよ?


 カビたパンを取ると他の奴隷の前に置いていく。


「食べないの?貰っちゃうよ?」


 それでも誰も手をつけないので食べないのかを聞くが、誰も返事は返さなかった。

 それを肯定の意と受け取ると、カビたパンを回収して食べていく。

 うん、美味しい。


 この1年間で僕の価値観は変わった。いや、変えられたと言うべきだろうか。

 まずは虫、これはご馳走だ。次にカビたパン、これもご馳走だ。ご馳走以外は殆どない。

 唯一ハズレと言えるのは、自分から排出される大ぐらいだろうか、あれを食べた時は不味かった。

 そして、尿も大切な水分だ。だから、さっき漏らした人が飲まないのを見た時は勿体ないと思った。


 改めてみると結構変わったと思う。

 そしてこれはあの奴隷商人に変えられたものだ。

 きっと、この時を見越して価値観を1から変えてくれたのだと思う。

 うん、そう思いたい。

 だって成長性があるとか言ってたのに成長する前にここにポイだもん。

 そう思わなきゃやってられないよ。


 カビたパンを全部食べると、奴隷同士の間に入り横になる。無駄な体力を消耗しないのと、寒さで凍え死なないようにするためだ。触れ合った体の部位からは冷たいが、確かに生きている感覚が感じられる。


 明日僕達はオークションに掛けられる。

 そしてそのオークションで僕達の生死が決まる。買われたら生き残れるが、買われなければ処分される。その場合待っているのは確実な死だ。

 奴隷達からしたら、最後の生き残れるチャンスなのだ。だから必ず買われるようにアピールしなければならない。


 なのになんで君たちはもう諦めているの?僕がおかしいだけ?


 奴隷になって価値観は変わったが自分は変わらないと思っていた。だけど、一月前ここに入ってから自分が分からなくなった。

 周りの反応が当たり前なのかも知れない。実は僕は知らない間に変わっていてもう異常なのかもしれない。

 どちらが、正しくどちらが間違った反応なのかは分からない。もしかしたら両方とも正しい反応なのかもしれない。

 だからこそ自分は異常ではないと信じたい。


 明日は僕が死ぬのかもしれないし、他の奴隷が死ぬのかもしれない。それは明日になってみないと分からないが、ここにいる全員が生き残ることは絶対にない。


 明日でみんなともお別れか…。


 なんやかんや1ヶ月一緒に過ごして情が湧いたのかもしれない。彼女達に生き残ってほしいと願っている自分がいる。

 それでも、応援することは出来ない。自分が売れる枠が減るから。

 だから、せめて君たちが売れるように願っています。




「ノロノロしてんじゃねえ!ちゃっちゃと歩け!」


 翌朝、朝食を取ると、専用の拘束具を付けられて檻から出される。その時に、まだ壊れていない一部の奴隷は走って逃げようとしたが、殺されて終わった。


「よーし、ここで待ってろ。逃げようとしても見張りがいるから無駄だぞ。」


 オークションの舞台裏だろうか、そこには沢山の商品があった。僕達はそこに5列で並べられる。1列に10人いるから総勢100名の奴隷がいることになる。


 舞台から大きな声が聞こえてくる。


「さあ始まりました!第89回裏オークション。欲しい商品を見つけた方は口頭でご自分の番号と共に入札金額を指定してください。そして最後に入札をした者がその商品を落札することが出来ます!入札は何度しても構いません。それでは最初の商品はこちら!本物か偽物か、既に無き王国の王族のみ、つける事を許された首飾り。30万シアから!」


 オークションが始まった。

 それにしても裏オークションか……。まあそれもそうか、奴隷は7割が違法奴隷で簡単には捌けない商品だから、表のオークションでは取引されるはずもないか。


 オークションには色んなものが出品されていた。

 それこそ日常で使うようなものから、不老不死の薬や勇者の剣などの、どう見ても偽物と分かるものまで出品されていた。

 それでも落札する人はいたのだが。


「さて、」


 おっと、どうやら次の商品から奴隷の番らしい。

 最初に最前列と2列目の10人が連れていかれたということは、 僕の番は3番目か。

 出番が来るのを待機している間、先に出品された奴隷が落札されるかを聞き届ける。

 しかし、オークションで奴隷を買う人は少ないのか、入札する人がいない。

 最初の10人は誰にも落札されることなく、処分されることが決まった。次の10人の中には綺麗な女性がいてその人が落札されたぐらいか。


 そして僕がいる列が連れていかれて、舞台の上に並ぶ。

 客席を見るとみんな仮面を被っていた。名前や顔を特定されないためだろう。

 これもこの裏オークションが89回も続いている理由かな?

 おそらく、たまに王族や貴族など要所どころの人物が来ているのだろう。

 立場上、堂々と使うことは出来ないが、顔を隠すことによって利用することが出来る。声は隠せないので、怪しまれるかもしれないが、その時は誤魔化せばいい。

 そもそも声で気づく人も少ないだろうけどね。


 僕は6列目の2番目のため、入札の時間は7番目に始まる。

 1人紹介されて入札の時間が始まる。しかし誰も入札しない。

 次に、最初に紹介された奴隷の隣にいた人が紹介されて入札の時間が始まるが、誰も入札しない。

 1人、また1人と減っていき、ついに僕の番になる。


「えー続きましては、子供ながらも見た目良しで成長させたら、それなりの美人になると思われる奴隷です。入札価格は1000シアからです!」


 1000シア。それが僕に掛けられた最初の金額だ。

 これは奴隷としては安い金額だ。普通の奴隷は安くても数万シア〜数十万シアはする。高いものになると数100万シアで取引されることもあるが、まあそれは本当にレアケースなので今回はないだろう。


 それにしても、1000シアか……。自分ではもう少し高いと思ったけど、世間からはそんな値段で見られていたらしい。

 自分可愛いと思ったあの過去を返してくれ。

 それでも安いのは変わりない。成長するまでにかかるお金と時間は多く長いが、長い目で見れば僕は当たりだろう。


「216。3000シア」


「43。4000シア」


「156。100万シア!」


 だからほら、こうやって買ってくれる人もいる。

 例えそれが……ん?今なんて言った?100万シア?

 声が聞こえた方を見ると、そこには仮面を被った女性が左手を挙手していた。その胸元には156番と書かれた大きなバッジが付いている。


「えっと、他にはいませんか?」


 司会の人が他に入札する人がいないか確認する。

 そして、他に入札する人がいないのを確認すると大きな声で、


「おめでとうございます!156番の方が100万シアで落札致しました!」


 そう言うのであった。

桐原優「3章始まりましたね、後書きさん!」

後書きさん「そうね」

桐原優「あの、怒ってます?」

後書きさん「いいえ、怒ってないわよ。それよりも3章からの大筋は完成したの?」

桐原優「いいえ、全然です」

後書きさん「ほんっと、ばか!」

桐原優「すみません、でも書きたくなったんで書いちゃいました。てへ!」

後書きさん「気持ち悪い、死ね」

桐原優「真顔の罵倒は心にきます」

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