21話 村を救え!
さて、まずは調査だ。
黒いやつがなんなのかを調査しないと始められん。
まずは、村の住民に話を聞いてみる。
村にはいった時はほとんど見当たらなかったが、それはどうやら、俺たちを警戒して家の中に隠れていたからだしい。
ゲオルクが村の住民に俺たちのことを説明してくれたので警戒心も解けたようだ。
しかし、村で得られた情報は使えそうにない情報しかなく、大抵は危なそうだから近づいてないということだった。
次に調査するのは、実際に黒いやつにあれこれやってみることだ。
最初に、石を何個か投げ入れてみる。
だが、黒いやつに落下したらゆっくりと沈んでいくので、液体であることはわかった。
次に、村から持ってきた棒で突っついてみる。
すると、黒いやつはネバネバしていて棒が引っ付いてしまった。
しかし、何かに似ているような.........?
そうしているうちに日暮れになってしまった。
こうして、得られたのは黒いやつがネバネバしている液体ということしか分からなかった。
村に戻った俺たちは、村の住民が作ってくれたご飯を食べた。
幸いにも、この村はオアシスを囲うようにして作られているので、食糧や水には困らなそうだ。
飯を食べ終えた俺たちは、今日得た情報を共有することにした。
「今日の調査はどうでしたか?」
ちなみに、カリウスには村人から別にこの星のことを調査させていた。
「いろいろやってみたが、あんまり使えそうな情報はとくに得られなかったよ........
だが、とりあえず明日は環境操作の魔法を使ってみる予定だ」
言っていてとても恥ずかしい結果だ、カリウスがいい情報を手に入れていると思うとさらに恥ずかしくなる。
そして、カリウスは手に入れた情報を話した。
長くなるので、要約させてもらう。
まず、こんな星になんで人が住んでいるのかというところから説明させてもらうとしよう。
この星に住んでいるは人間ではなく全員がエルフということだった。
ただ、純粋なエルフというわけではなく人間との混血だそうだ。
そして、そのことが原因でエルフと人間の両方から迫害されて二百年ほど前にこの星に追いやられたということだった。
次に、この星について説明させてもらおう。
どうやら、この星にはこの村だけでなくまだ十個ほどの村があるらしい。
惑星一つにしては村の数が少ない、そう思ったがこの砂漠の惑星ではそうなのも納得できる。
そして、この惑星は完全に孤立している訳ではなく、二月に一度ぐらいの頻度で交易船が来るそうだ。
以上が、カリウスの得た情報だ。
上出来すぎる、さすがカリウスだ。
その後は、明日に備えて休むことにした。
翌朝、俺は再び黒いやつの前に立っていた。
これだけの規模だと、村の住民を驚かせてしまいそうなので朝早くにけりをつけるつもりだ。
ただ、昨日ろくな情報を手に入られていないので、ぶっつけ本番だ。
「さて、やるか」
カリウスが見ている中俺は独り言を呟く、そして俺は、黒いやつがすべて草原になるように心の中で念じた。
すると、再び緑色の炎が黒いやつ全体を包み込んだ。
そして、あっという間に黒いやつは草原に変わった。
それにしても、明らかに精度が上がっている。
前までは念じても出ないことがあったが、今回は明らかに範囲が広いのに一発でできたので、驚きだった。
まあ、とりあえず黒いやつを除去することができたのだった。
その後、俺たちは村に戻った。
すると、村に入ったら村の住民が総出で俺たちを迎えてきた。
そして、先頭にいたゲオルクが口を開く。
「ありがとうございます!グレース様!カリウス様!」
それに続けて他の村人も次から次へとありがとうと言ってくる。
やっぱり人助けは良いもんだ、この瞬間が一番嬉しい。
だが、俺の心には引っ掛かることがあった。
一昨日この村に来るときに、リアルヌが「向こうの岩山から黒いやつが発生した」みたいなことを言っていた。
そのことを考えると、また岩山から黒いやつが発生するかもしれない。
そうと思った俺は、口を開いた。
「盛り上がっているところ悪いんだが、ちょっといいか?」
その瞬間、全員が静かになった。
「あの黒いやつって向こうの岩山から発生してたんだよな?
だとしたら、また黒いやつが発生するんじゃないか?」
それを言ったら、一気に皆がザワザワし出す。
そして、ゲオルクが口を開く。
「そうですね......... ですが、これ以上お二人になにかをさせるのは申し訳ないので、ここからは私共でなんとかします。」
さすがの気遣いだ。
だが俺的には、ここまでやったのなら最後までやりたい気持ちが強かった。
なので、「最後までやるよ!」と言おうとした。
だが、先に口を開いたのはカリウスだった。
「グレース様はやると言ったら最後までやりきるタイプの方です!なので、どんどん頼っちゃってください!」
これには俺も驚いて、カリウスの方を慌てて見る。
だが、カリウスは笑顔で「やりますよね!」みたいな感じを言いたそうにこっちを見た。
こうなると俺も言いやすくなる、むしろカリウスには感謝しかない。
「ああ!一度引き受けたものは、最後までやらせてもらおう!」
こうして俺たちは、黒いやつが発生した原因であろう、岩山を探索しに行くことになったのだった。




