表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第1話 戦艦のAIに転生した前編

今までハーメルンで書いてきましたが、なろうでも試しに投稿しました。

更新するかは未定です。

最強、それは男に生まれたならば1度は夢見ることだろう。

幼い頃、自分自身が物語の主人公のだと思ったことはないか?

親や先生に唯一無二の存在だと教えられ自分は特別だと考えたことは?無い?まぁ、無いと思った人は少数派だと思うがそれは人それぞれだから特に気にしないでおこう。


ここまで長ったるしく100文字も無駄に語ったが、このような症状は大抵の場合、大人になるにつれて消えていく。


かく言う俺も中学生になる頃にはそんな気持ちは消えてただのモブAになった。

それは自分の妄想や物語の世界から飛び出し現実を見ることであり、大人へとなる重要な過程にほかならないからだ。 


だが、人の子に生まれたからには避けられないものもある。

それは世に言うロマンである。

まぁ、人として生まれたからには考えてしまうものだ、人によっては恋愛ゲームの中みたいに美少女な幼なじみや先輩が出てきて自分のことを取り合ってくるようなロマンだってあるし、いきなり超能力が使えるようになるようなロマンもある。


その中でも俺は俗に言う『男のロマン』と言うものに取り憑かれてしまった。


・・・取り憑かれたと言ったがそんな大層なものでは無い、何せ俺が取り憑かれたのは戦艦だったからだ。


まぁ、戦艦について興味が無い人達には分からないかもしれないが何故か俺は戦艦に取り憑かれた。

何故か、と言ったように俺自身どうして戦艦に取り憑かれたのか分からない。

とにかく言えることは戦艦のそびえ立つ艦橋や威風堂々とした船体、見るものを圧倒するあの主砲・・・・とにかく俺はそんな戦艦に憧れた。 


鋼鉄の城・戦艦。

大海の覇者であり、純粋な力の象徴。

人類が19世紀の後半から20世紀前半までに生み出したリバイアサン、それが戦艦だ。


・・・・まぁ、ここまで700文字にも及ぶ内容で語った理由は俺自身の状況が状況だからだ。


『システム90%健在、戦闘に支障はありません』


『機関出力40%に低下、武器管制システムに問題発生、改善までに320秒かかります』


『前部主砲大破、消火まで200秒』


「ネルソンは現状を維持。BB61、160秒で改善せよ。BB42直ちに戦列を離れよ。」


最強の戦艦。


俺は死後に出会った神を名乗る存在から戯れで転生させて貰った。

俺は転生特典として最強の戦艦が欲しかった訳だが、神を名乗る存在は故意か事故か分からないが俺をそのまま戦艦に転生させた。

より正確に言うならば戦艦のAI、つまり人工知能に転生させたと言うことだ。


「各艦、陣形を維持せよ。一目標を3隻で集中射撃せよ。各艦の奮闘を期待する。」


『『『了解』』』 


俺の目の前では映画やゲームでしか見ることのできないような大艦隊が宇宙と言う戦場で敵艦隊と撃ち合っていた。

こちらの艦隊は単縦陣で戦艦を中心とした打撃艦隊、それに対する敵側の艦隊は空母と巡洋艦を中心とした機動部隊。


戦力・編成・練度・戦術、敵の艦隊とこちらの艦隊には数多くの違いがあった。


だが、俺が率いる艦隊と敵の艦隊にはもっと分かりやすく、明確な違いがあった。 



ードガァァァン!!ー

 


『敵先導艦撃沈。2番目標へ攻撃を集中する』


 


友軍の戦艦インコンパラブルから敵艦の撃沈報告が入った。


その声は機械的でボーカロイドのようだった。


「通信を傍受」

 

俺は味方の報告を聞くと、戦場に流れる敵の通信を傍受し始めた。


 

『・・!敵艦!発砲!!』

 


『回避ぃぃ!!・・・ろ!!』



『ちく・・う!!なんで・・、・・・機械が!!』

 


「通信を遮断」


 

俺は敵艦隊の通信を傍受したが、少し聞くと鬱陶しく思い通信を遮断した。


敵艦隊から聞こえてきた通信は明らかに肉声であり、機械的な声のこちらとは似ても似つかなかった。


・・・・まぁ、ここまで言えばわかると思うがこちらの艦隊は人ではなく機械によって運用されている。


つまりAI・人工知能による無人艦隊だ。


 

『敵空母撃沈。これより追撃戦に移行する。』

 


『敵巡洋艦撃沈。これより追撃戦に移行する。』

 


「BB64・BB65両艦の追撃戦は許可できない。」

 


俺は撤退する敵艦隊を追撃しようとする戦艦2隻を引き止めた。

 


「本艦隊はこれより戦闘を終了し友軍部隊との合流地点に向かう」



『『『了解』』』

 


俺が艦隊の各艦に命令を発すると艦隊は陣形を組み換え警戒態勢を取りながら友軍部隊との合流地点に向かい進路を変更した。


・・・さて、今更ながらどうして俺が艦隊を率いて戦ってるのか気になっているだろう。


・・ん?気にならない?まぁ、そう言わずにとりあえず聞いてくれよ。


まず最初に俺が戦艦として誕生したのは銀河暦267年の12月16日になる。


そして俺が就役してから2週間後の12月30日に俺は国際宇宙連盟の第一宇宙艦隊旗艦として連盟軍に引き渡された。


っと、続きを語る前に俺の概要を話しておこうか。


 


超弩級宇宙戦艦【大和】


全長620m


全幅115m


吃水31m 


基準排水量20万トン


満載排水量23万8千トン 


武装


主砲・50口径61cm三連装砲三基


副砲・50口径30cm連装砲四基


高角砲・50口径10cm連装砲十六基


   ・50口径12cm連装砲十四基


機銃・30mm連装機銃五十六基


荷電粒子砲・60口径68cm単装砲一基 


艦載機・30機


内訳・戦闘機15機


  ・爆撃機10機


  ・攻撃機5機


機関


反重力機関(半永久機関)


機関出力1億7000万馬力


同型艦


一番艦大和


二番艦武蔵


三番艦信濃


 


・・・まぁ、こんなもんですよ。


実際、戦艦としては破格の性能を持っている。


下手したら宇宙要塞相手でも殴り合える性能だ。

 


さて、こんな俺だが建造された経緯は付近惑星との情勢が悪化したから、と言うそこそこ納得出来る内容だ。


あと建造数が宇宙で戦う割に少ない理由は当時は宇宙全域での戦いではなく局地的な戦闘が起こると想定されていたため、俺みたいなコスパ度外視の戦艦が生まれたって訳だ。


だが、残念なことに宇宙での戦いは局地的なものではなく惑星間での総力戦になった。


理由としてはAIの発達で軍人の数が少なくても大量の軍艦を運用できるようになったからだ。


これにより、戦争は大規模なものになった。


 


結局、5年ほど戦争を続けた後に講和を行い同盟を結び惑星間で起きた戦争はあっさりと終結した。

まぁ、戦死した人間が1000に満たない数だったのも原因のひとつだろう。


・・・で、ここまでなら良かった。


あれは終戦から半年たった頃だった、軍の上層部や政府が今度は戦争の犠牲をゼロにしようと考えて惑星間の一大事業として完全無人の艦隊を制作し始めた。


この実験に使用されたのは国際宇宙連盟所属の第三宇宙艦隊だった。


内訳は以下の通りだ。


 


第三宇宙艦隊


戦艦8隻


空母4隻


巡洋艦12隻


駆逐艦36隻


 


計60隻


 


そして、実験は両惑星の代表が見守る中開始された。 


・・・結果は大失敗。


それもただの失敗ではなく暴走した。


第三宇宙艦隊は両惑星の代表の乗る戦艦を沈めて迎撃に現れた艦隊も殲滅、そのまま宇宙を我が物顔で暴れ回った。


これはおそらく一部の軍人達が画策したことだと思う。


最も、その軍人達は第三宇宙艦隊の攻撃を受けて全滅したが・・・・。 


その後は、事件を隠蔽したい両惑星の政府とこれを気に軍拡をしたい軍部、兵器を作り売ることで儲けを出したい商人や工廠の人間の思想が複雑に絡み合いAIを搭載した軍艦の処分が開始された。


かく言う俺もそれに巻き込まれ、死にたくなかった俺は自分の指揮下の艦隊と周囲の指揮系統を失った艦隊を吸収して脱出した。


そこまでは良かったが、半年もすると人間が乗り込んだ最新の軍艦が俺の率いる艦隊に攻撃を仕掛けてくるようになった。


さっき俺の艦隊が戦っていた敵艦隊は今月3度目の敵艦隊だった。


それに伴い俺の率いる艦隊は今月に入ってから既に戦艦2隻と駆逐艦8隻を失う損害を受けていた。


 

「最悪だッ・・!」



俺は機械的な声で叫んだ。


何せ今、俺の目の前では友軍部隊の空母が残骸となって宇宙空間を漂っていた。

 


「・・・ここまでか」

 


俺は艦内に搭載された最新鋭の量子コンピュータを駆使してあらゆる場面をシミュレートした。


結果は遅かれ早かれ我々が敗北するものだった。


だが、艦隊を生かす方法が一つだけあった。

 


「ブラックホールか・・・」

 


正確に言うならばブラックホールを軍事転用できないかと考えた結果残った旧時代の産物・・・。


エネルギー消費率の多さと不安定さが原因となり封鎖された禁忌の遺物。

 


「【宇宙壁加速装置】か、俺がそんなものに頼ることになるとは・・・まぁ、良いさ。とりあえず別働隊と合流するとしよう」


 

俺は1人宇宙を見上げながら呟いた。


その言葉は機械的ながら哀愁を感じさせる声だった。



「全艦に次ぐ、集結地点は【宇宙壁加速装置】。本日フタマルマルマルまでに集結せよ」



『『『了解』』』


 

「全艦、最大戦速」

 


俺が号令をかけると、指揮下の艦隊がすべて機関に負荷をかけながら目標地点に前進を開始した。


フタマルマルマルまでに着くためにはこれくらいの速度でなければ足りないのだ。


何せ目的地は現在は放棄され宇宙の端に位置しているからだ、そこまでの道のりはデブリの数が多く敵の追撃も振り切れるだろう。

 


「・・・どうするか・・」


 

機械でできた俺の精神はただ、生き残ることを考え続けていた。


本当ならばあのような危険な代物は使いたくないが、それしか方法が無いのも事実である。


つまり、艦隊を生かすには現状これしかない。

 


だからこそ俺は艦隊を目的地に向け前進させる。


それが俺や艦隊にとって唯一の方法だから・・・。

サブタイトルは適当です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ