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彼女の答えは

「俺はここに来るときずっと怯えてた、いくら盗賊とはいえ人を100人も殺してきた人間を、誰も受け入れるはずがないと、事実そうだったよ、俺が正気に戻ったあと、みんな俺に近寄ろうとしなかった、いや、思えば前からそうだった、誰も気にしなかっただけで。」


「………。」


「俺があのスリを捕まえたときも、怯えられるんじゃないかと心配だった、だから俺は逃げるように立ち去ったんだ。」


「………。」


「なぁ、どう思った、俺のことをさ、正直に言ってくれよ、俺のことをどう思ってるんだよっ!」


サンティシナは静かに、静かに聞いている。


「………そんなことがあったのね、コーイチ………。」


「………。」


「仕方のなかった………事だったの?」


「わからない、盗賊は例外なく殺人とか、凶悪犯罪に手を染めてるような奴らだった、俺が殺さなくても、誰かが殺していたかも知れない、執行官か、騎士団かは知らないが。」


サンティシナは、答えない。



サンティシナ視点


そんな、そんなことがあったなんて………。


私は目の前のコーイチを見る。


私は、彼のどこに違和感を感じていたのか、やっとわかった気がした。


その顔はよくよく見ればやつれていて、目は虚ろで、いまから見ればそんな様子から私は違和感を感じていたのだろう。


私は、こんなことになってしまったコーイチにどう声をかければいいのだろうか。


私は、私は。


俯いていた私がもう一度コーイチの方を向いたとき、その端にあるものが目に止まった。


その瞬間、私は世界が輝いたように見えていた。


「そうよ………そうよっ。」


私は椅子から立ち上がると、そこへ駆け寄っていく、机の上に置かれたそれを手に取る。


「………コーイチ、もう一度、やり直してみる気はない?」



コーイチ視点


「………どういうことだ。」


俺は一瞬意味がわからなかった、なぜなら、自分の問に対して、サンティシナはどうせ答えることが出来ないだろうと思っていたからだ。


「これ、覚えてるわよね?」


彼女がバサッと置いたのは俺が言葉を覚えるとき使ったノートだった。


「さっきも言ったけど、もう一度やり直してみる気はないの?まだ、冒険者を続ける気はないの?」

「………できないよ、何人やってきたと思ってるんだ、夜な夜な夢に出るくらいなんだぞ、もうどうすればいいのかわからないよ………

。」

「そりゃあ、あんたなんかにわかるわけ無いでしょうね。」

「………そんな事実突きつけられてもしょうがないんだが。」

「でもね、もう一回、私と組んだらどうなのよ?」

「………知らないよ。」

「私とやってみない?今度は言葉の勉強なんかじゃないわ、人生一回学び直すわよ………。」

「できるわけ無いだろうがっ!!」

「あら?普通にやったら絶対できないことを、前に私と組んでできたじゃない、言葉も通じない相手に言葉を学ぶなんて曲芸みたいなことを………それとも、あなたはここで神父にでも泣きつくの、首でもつるの?そんなのは違うと思わないの?」

「………それは」

「じゃあやるわよ、あと、好き嫌いに関しては問題外だから、聞き直したりしないでね?ほんっとうに幸運だったわね、私が生首引っつかめるような乙女でさっ!!」

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