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激闘の最中

「やつだっ!!やれっ!!」

「「「おうっ!!」」」


次の瞬間には、少年を大量の矢と魔法が迫ってくる。


だが彼は腕のひとふりでそれをすべてなぎ払い、その圧倒的な暴力はそのまま近くの戦士たちにも振るわれる。


あっという間に5人が犠牲になった。


「どけぇ、こいつらはお前らの手におえるやつじゃねぇっ!!」


そう言ってやってくるのは腕を失った冒険者、ジョンソンだった。


「ギガファイヤッ!!!」


メガファイヤすら上回るまるで太陽か何かのような超極大の火球が迫り、あっという間に彼を包み込んだ。


少年はその火球から出てきたとき。


「やったぞっ!!」


そう、少年は明らかに満身創痍だった、全身が焼けただれ、見るも無残な姿で、いつ倒れてもおかしくない、そう思えた。


「………。」


だが、次の瞬間、またたく間に傷は塞がっていき、少年はすぐにもとに戻ってしまう。


「なっ………!?」


「アナタタチモ、ボクヲキズツケルノ?」


少年は魔法を構築し始める。


それはさっきジョンソンが撃ったギガファイヤだった。


「くっそぉ、上級シールドッ!!」


ジョンソンはシールドを展開し、それをかろうじて受け止めた………。



「なんだあの火球は………。」

「上級魔法のギガファイヤだ、高位冒険者と奴らが争っているらしい。」

「実際問題俺らどうすりゃいいんですかね。」

「さぁ、知らんよ、今のところは数に任せて押すしかあるまい。」


ついに俺たちは現場に辿り着く。


「これはっ………!!」


首が転がり、手足が転がり、死体が転がる。


何人分もだ。


「気をつけろっ!!こいつは体を再生させるっ!!一度に集中してぶつけないとどうにもならないぞっ!!」


そう片腕を失った冒険者が言う。


「どうします?」


「………どのように再生するのかは知らないが、今は足止めしておくしかあるまい。」


「なるほど、じゃあそうしようかい。」


ギセルは上級シールドを展開し、少年の飛ばしてくる魔法を受け止める。


「回避と防御に専念しろっ、いいなっ!!」



カーラス視点


「あっ、コーイチさんと、リューゼさんだ………あとの髭の人は知らないけど。」

「………あんなに人が死んだんですね。」

「はい。」


俺たちは、後方のところで戦いを見続けていた。


コーイチさんはやつの攻撃をキレイに回避していく、髭の人やリューゼさんはときにはシールドで防御している。


そして、中央の少年が超巨大な土の塊を何個も浮遊させ、それを彼らに投げつけた。


髭の人とリューゼさんはシールドで必死にガードするが全く相手にならず、それをモロに受けて吹き飛んでしまう。


もう周囲にはパラパラとしか冒険者はおらず、それも遠巻きに囲んでいるだけだ、大半の人間がランクが低く、とても手出しできる戦いではなかったのだろう。


「………?あの人、どこかで……っ!!?」


リサさんがそう言ったとき、少年の姿が掻き消えて、コーイチさんは吹き飛んだ。


「あぁ………。」


俺は、一瞬の出来事に絶句して、かろうじてそんな声を絞り出しただけだった。


「………はっ、リサさん、あれはもうだめです、もっと奥の方で下がりましょう!」

「………いや、ちょっと待って。」


少年はそこで誰も手出ししないと、キョロキョロしながら奥の街路へ消えていく、どうしているかは建物で見えない。


冒険者達がそれをハッとして追っていく。


「………カーラスさん、ちょっと欲張り言っちゃっても、いいですか。」

「はい?」

「あそこで倒れてる人、私が治療します。」



コーイチ視点


「ぐはっ………。」

俺はかろうじてそう声を上げる。


一瞬、気が緩んでいた、その瞬間やつの姿は掻き消えて、次の瞬間には飛んでいた。


「………一応、うごけそうだ、な………。」


俺はあまりの痛みに転げ回りたいのを抑えてあるき始める。


「………リューゼさん、ギセルさん、無事でしたか。」

「まぁな………だが、だめだもう、魔力がねぇ、やつの魔法を防ぐ為に上級シールドをばんばか使ったせいだ。」

「私も同じく、だ………何分戦ってたか。」

「なんだかんだ1分は持ってた………かな?」

「駄目だこりゃ………。」


その時、俺は足音が聞こえたので振り返ってホラー映画並みの悲鳴をあげる。


なんせそこには、やたら青白い顔をしたあの少年が立っていたのだ。


「………イタイ、イタカッタヨ………。」

「………そう、そうか………?」

「イタインダヨ………ナンデ………」


「野郎っ!!殺してやるっ!!」


次の瞬間には少年にギガファイヤが直撃していて、少年は包み込まれる。


「………行くぞっ、逃げるんだっ!!」

「はっ、はいっ!!?」


俺たちは走り出し、あとには片腕だけになった冒険者が残される。


「けっ、俺は逃げねぇぜ、なんせてめえに仲間を何人も殺されてんだよ。」

「………。」

「そうだ………かなり小さくなりやがったじゃないか、だが、俺は覚えてるぞ、お前が変形したとき、たしかにその姿のやつもー」


次の瞬間には少年が展開した極大水球が何個もでジョンソンに直撃する。


「………がはっ。」


ジョンソンは宙を舞うが、意識を失う直前、ある魔法を展開する。


「死ねっ……!!!」


少年の体は炎に包まれる………。



カーラス視点


「さぁ、いきますよぉ………!!」


大半の人は、残念ながら手の施しようがなかったが、生きているものの中で重症を負ったものは端の方に集められ、治療を必死で待っていた。


「『リカバー』!!!」


リサさんがそう言うと、足元で寝ている患者の一人が白い光に包まれる。


次の瞬間、男の傷口がググッ、グググッと塞がっていく。


「魔法でイチから体を再構成させると、いくら魔力があっても足りません、リカバーは体を魔力で超活性させて、再生力を高める魔法なのです………次行きますよっ!!」


リサさんはそういって次々と白い光を出して、どんどん冒険者を直していく。


「凄い、あの一人で十人目………っ!!?」


俺が行った通り、十人目の回復をおえたとき

不意に倒れてしまう。


「ちょっとちょっと…………!?」

「すみません、回復術者が倒れたらだめですよね………でも、私が頑張らないと、まだ怪我人が………。」

見ればあともう十人ほど残っている、重症の人間から治療したため今すぐ命に関わるような怪我をしている人間はいない、だが、みな痛みに耐えかねて苦しそうな顔をしている。


「30分待ってください、そしたら再開します………。」



スリューシャ視点


「全く、ずいぶんと派手に暴れとるようだのぉ………いや、だがむしろ被害は少なすぎるくらいではある、やつの力なら、腕をふるだけで家の一つ二つは壊せてしまうはずじゃが…………。」


私はそういって首をひねる。


「しかし、今のところは相当な強さには違いないが、Sランクの上位クラスの強さでおさまっておるの、あれならAランク6人もいればなんとでもなるはずじゃが………どういうことじゃろ。」


その時、トボトボ歩いていた少年がスリューシャをカッと見つめる。


「見つかったようじゃの………さて、久しぶりのまともな戦闘じゃ、腕がなるのぉ。」


少年はギガファイヤを何個も構築していくと、スリューシャの後ろでは水が生成されていき、それはまるで1体の竜のような形状を形づくる。


「力比べならぬ、魔法比べじゃ、さて、どっちが上かの………?」


そして、お互いの魔法は進み出し、二人の中央で破滅的な出会いを演じた………。

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