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掃討

「これが俺が見つけた巣だ、間違いない。」

「どれくらいいるんだ?」

「大体数千匹クラスです。」

そうあっさり言うリューゼにEランクあたりの冒険者は恐れ慄いている。

もちろんそれはリューゼの図太い神経ではなくゴブリンの数だが、こっちはもう数に任せて引き倒された経験があるのであまり恐怖は感じない。

そして。

「ふむ、ありがとう………お前ら、行くぞ!」

そうくぐもった声が聞こえる、それはゴツい兜の中から発せられたものだった。

「ジャイアント・キリング、さんですよね?」

「そうだ、どうだこの鎧?イカすだろ?」

イカすというか、動けるのか?これ。

だって、これヤバイよ?

ドシンドシン歩くたびに地面が揺れるし、見れば足跡、というより凹みみたいなのが空いてるし、もう分厚いことが一目でわかるし、大剣もとてつもなくデカイし………。

「特注だ、これほどのイカす鎧はそうでもしなければ中々手に入らないからな、これでドラゴンの突進を耐えた事だってあるんだぜ?」

ほら、これがその時の傷だと見せてくる。

今回は、ジャイアント・キリングのメンバーが4人、Cランク冒険者が8人、Dが20人、Eが10人の構成である。

Eから逆に少なくなるのは、流石に身分不相応かと尻込みする人が非常に多かったからである。

「どう突入しますか………?」

「正面突破だ、安心しろ、責任は俺が持つ、どうせバレずに進む選択肢はない。」

出番だ、そう隊長格が言う。

二人一列で2列になって固まる。

そして………あの鎧からは想像出来ない素早さで突撃していく、いや、Bランクにしては非常に遅いのかも知れないが、Dランクの人とかけっこで互角なんじゃないのか?

「ウォォォォォォ!!!」

もはや大剣すら使わない、衝突するだけでゴブリンがひしゃげていく。

「あの鎧は重量にして300kg、Aランクの人間ですらそれを来てあんな芸当はできないだろう、なんの策もない不安を誘う戦い方だが、腕は確かな人達だよ。」

そう横からリューゼさんが補足する。



中に入るとゴブリンがグチャグチャになって転がっている、何人かは真っ二つになっていた。

「よし、俺達をこれから戦いを始める、ゴブリンはこれから何千と出てくる、だから全員気を引き締めてくれ。」

そうリューゼさんがいう、彼はどうやらCランクの中でも最上位らしい。

「俺も行くか………。」

俺も彼らに続いていく。

「うぉっと!?」

おれは横の通路からいきなり矢が飛んできて驚く、この狭い洞窟で飛び道具を使うのかよ………!!

だが、元々大した空間がないため、少し走ればすぐに近づけてしまう。

サットおれは弓ゴブリンを切り裂く。

見れば奥から雪崩のようにゴブリンが出てくる。

「固まるんだ!!」

そうリューゼさんがいうので言われた通りに固まり、衝突に備える。

すごい衝撃だ、耐えようとしても靴が滑って押されてしまう。

俺は顔やら何やらに連中の武器をかすめながら処理していく。

「まだっ、来るのかよ………!!」

もうすでに50体はやった筈だが、まだまだやってくる、死体がドンドン積み重なる。

相手も同じとはいえ、地面にこんなに死体が溜まるととても動きにくい。

「下がれっ!!」

そう言われたので皆下がる。

リューゼさんのあの極大火球が全てのゴブリンを死体共々吹き飛ばしていく。

あのBランクも化物だがこの人も大概だ………。

俺達はドンドン進んでいく。

「おい、コーイチ、ちょっといいか。」

「………?はい、なんでしょうか?」

「いや、この討伐でずっと心配だったことがある、ゴブリンは雌もいるが、その場合は繁殖力は人間並みだ、だが、人間の場合は………あとは分かるな、これほどまで成長しているのだ、10人は確実にいてしかるべきだ………お前は別行動でそれを探してほしい。」

「………!!!はいっ、分かりました!!」

おれは大急ぎで駆け出していく。

まぁ、そんなことをしたところでゴブリンがその気になればあらゆる事ができるが、それでも駆け出さずにはいられなかった。



おれはゴブリンを斬り殺しながら進む、ジャイアント・キリングと本隊の迎撃で忙しいのか、想像以上に少ない。

「………広い………。」

やはり広い、もう一人くらいはつけてもらうべきだったかも知れない、そう後悔し始めるが、何が何でも探し出さなければ。

「………!!」

聞こえた。

確かに人の声が。

「こっちか!!」

おれは急いで祖っちに向かう。

そこは壁に並ぶ扉の一つであった。

それを蹴破ると、案の定ゴブリンと………人、女性だ。

おれは中にいるゴブリンを見る。

およそ30匹。

「このぉ!!」

おれはかかってきたゴブリンをなぎ倒していく。

体力の温存はしない、全力で即座に全員を倒していく。

「大丈夫ですか!!」

「………ぁ………ァァ………。」

女性は、虚ろな目をして呻くだけだった。

服は非常に汚れている、こんな状況じゃ何ヶ月も着替えることも、洗う事も無かったのかも知れない。

女性の数は………10人ほど。

と、その中でも比較的元気な一人が口を開く。

「あ、あの………!まだいるんです………一人、あっちに連れて行かれて………。」

「分かりましー」

「とても大きい、大きかったの!手下みたいに、みんなを連れてきて、その………。」

………大きい、か、これはどうやら………。

だが、今は彼女たちをどうにかするのが先決だ。

「行きましょう、急いで………!」





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