魔法とは
魔法設定の説明です。
非常に長くなっています。
「………なんか感じたか?」
「………なんか、分からないような分かるような、でも操るとかは無理ですね。」
ここはギセルの部屋の一室である。
ゴブリンを迎撃した3日後にはギセルとまたあってこうして魔力操作を習得しようと躍起になっていた。
「ちゃんとした修行をすれば、大抵は5ヶ月ありゃ習得できる、3年かかるなんてのは最悪の場合だ、無論、根の詰め具合でいくらでも変動するからな、手を抜いたらぶち殺すからな?」
「はい………。」
おれは瞑想しながらゆっくり深呼吸をし、体の中の変化を探る。
何か、何かを、体の中に常に流れている、だが異質なものを。
「………駄目です、中々見つかりません。」
「………ここじゃやっぱり無理かなぁ、静かな場所じゃないとな、まぁ、とりあえず息抜きだ、ここに座りな、ちょっと早めの魔法の授業だ。」
おれは言われたとおりにたって差し出された椅子に座る。
「よし、まずは基本からだ、魔法とはそもそも何なのか、だ。」
魔力の習得法などの基礎を築き、またそれを使い様々な事を発見した賢者ガーべリュクス。
彼は元々魔法を日本人がわかるように言うと、錬金術的な感じで探していたようだ。
そして彼が見つけたものは錬金術として使える性質を持っていた、ただそれは単なる物質の変換ではなく魔法のように使うこともできたわけだ。
この世界ではすべての物質は分解し、分解し、その果てに全ては魔力にたどり着く、地球の原子やら質量保存のあれやこれやとは真逆だが、まぁ異世界だから物理法則もいろいろ違うのだろう。
そしてすべての生物はその魔力を全ての物質に変換することができる。
魔法使いは炎を生み出したりするがそれは魔力を火を構成する物質に変換したのだ。
まぁ無から有を作るレベルの所業だ、なんせその気になれば金や銀まで魔力さえあれば作り出せるのだから。
だが、制限もある。
例えば、密度や質量が重ければ重いほど必要魔力は異次元の伸びを見せる、あとは複雑な物質とか、例えばギセル曰く、俺の体の魔力を総動員すればギセルやリューゼの使った極大火球1個くらいは出せなくもないが、金はせいぜいミクロほどしか作れないらしい。
そして生物などの複製は、Aランク魔法使いがミジンコの複製に成功したくらいである。
よって戦闘魔法などで金属を出したりするのは不可能の極みであり、生み出しやすく、かつ威力を発揮できる4つの属性に絞られる、それが火、水、風、土だ。
土に関しては固体で構成も複雑で質量も密度も炎よりはよほどあるが、これはいちから生み出すのではなく念力的などで元からある土を変形させて使うため消費魔力はそこそこ程度である。
そして、戦闘魔法は、技を繰り出す、というよりは『一度作品を作って、それをコピーペーストして置きまくる』というものに近い。
魔導書と言うのがあってそこにはかつて存在したSランク魔法使いが編み出した何かしらの魔法の構成を呪文という専門の言語を用いて載せてあるのだ。
その設計図を見て折り目正しく魔力を物質にして指定の位置に配置し、構成するのが魔法である。
「楽譜を見ながら楽器を引くようなものさ。」とギセルは言うが、どちらかというと写真を見て寸分違わずその通りにブロックを積み上げる作業といったほうが的を得ているだろう。
ちなみに1つでもそれを間違えれば様々なバグが発生して大抵は崩壊し、最悪爆発すらありえる。
とはいえなれてしまえば簡単な魔法なら数秒で構築でき、ギセルほど熟達すれば一瞬で構築できてしまう。
「できるだけ分かりやすいように要約してやる。」
そうギセルはいる。
「魔法とはいわば錬金術の派生であり、魔力を物質に変換して行使する、質量などによって消費量は跳ね上がり戦闘用で生み出せる物質は負担の少なく威力のある火、水、風、土の4つ、そしてそれらの物質を先人達の試行錯誤の末に書き上げられた魔導書の通りに組み上げて初めて行使ができる。」
「めっちゃわかりやすい!!」
最初からそれで言ってくれよ、最初の長いのは何だったんだよ。
「補足だが、この魔導書なんだが、一番少ないのでも3枚の紙ペラにぎっしり詰め込むくらいの分量だからそうとう使い込まないと見ずに生み出すのは不可能だ、だから最初は魔導書片手に行使するのが普通だ。」
「杖とかじゃ無いんですか?」
「………あぁ、魔法構築を補助する機構ならあるぞ、それを杖に載せてしまうやつもいる、最もペンダントとか、いくらでも他にやりようはあるから絶対じゃない、ただしやはり魔法使いの代名詞だから、杖にそれをのっけるやつは多いな。」
あと、とギセルはまた付け加える。
「ちょっと長いですよ、そんなんじゃ読者もあきあきしてくるでしょうが!」
「文字数自体はそんなじゃねえぞ、むしろ喜んでんじゃねえのか?」
「こんな黒歴史ノート長々見せられて喜ぶのは中二病だけですよ!!」
「………まぁいい、だがそんな面倒な手順を踏まなくても使えて、なおかつ最も強力な魔法が一つだけある。」
「………そんなのあるならこんな面倒な術式組む必要ないんじゃないですか?」
「これはこれで使い道があるんだが………まぁ必要不可欠じゃない、だがら戦士の奴らは魔力操作を覚えてもこれだけ鍛えて辞めちまうのがほとんどよ………身体強化っていうんだ、元々人間には吸った魔力を消費して身体能力が向上させる器官が存在している、これが無きゃ人間なんざゴブリンにだってかないやしないよ。」
そうか………不思議だったのだ、この世界に来てから自分の身体能力が鍛えたとは言え異次元の伸びを見せている事に、じゃなきゃあんな白狼やバッファローなんてあっという間に終わっていた、これはもしかしたらこの器官がこっちに来てから働き始めたのかもしれない。
「でだ、魔力操作を覚えればこの器官に従来流れている量を遥かに超える量をつぎ込める、そして身体能力も無尽蔵に上がっていく、これが身体強化よ。」
「なんだかドーピングみたいな話ですね、というか、それ魔法って言うんですか?」
「まぁ、一応魔法の分類には入ってる、ただし、本来その器官はごく微量の魔力の使用しか想定してねえ、だからいきなりつぎ込みすぎると死ぬぞ、長い間魔力をつぎ込み、少しずつ量を増やして強化の幅を増やすんだ…………。」
おい、長話しちまった、戻れ。
そう言われておれは再び精神統一をはかるのだった…。




