表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
爆虫の召喚士  作者: 天野 雪人
第二章 冒険者編
18/158

第十七話 VSコボルトの群れ

「あれでござるな」


 朝俺達は、茂みから爆虫に探らせたコボルトの巣を眺めていた。小さな爆虫を辺りに散らせば、ちょっした探索が出来る。爆虫はあまり頭が良くないから、簡単んな命令しか聞いてくれないけど。


 コボルトの巣は、山に出来ている天然の洞窟だ。その入り口では、二匹のコボルトが木の槍を持って警戒している。


「どうする?」

「うーん。多分ボクの『消える者』は使えないと思う」

「え! 何ででござるか?」

「コボルトは鼻が良いらしくて、気配にも敏感なんだって」


 そうか、犬だけあって嗅覚が鋭いのか。エルの消える者の弱点を突いてるな。


「あ、あそこに居る狼は何でござるか?」

「あ! 本当だ」


 桜の言った方を見てみると、洞窟の影になっている場所に、一匹の狼が居た。


「あれはグレイウルフだよ。普通はコボルトと共存しないはずなんだけど」

「もしかして、あの二匹の内の一匹が、噂に聞くコボルトサモナーなんじゃないか?」

「そうかもしれないね。この分だと、ボスにコボルトリーダーが居るかもしれない」

「そうだな」


 魔物には上異種というものが存在する。通常種の上のリーダー。その上のジェネラル。そしてその上のキングの三つが存在する。これは二足歩行の魔物の全部に当てはまる事だ。他にも変異種と言われる、サモナーやアーチャー。ナイトといった物も居る。


「りーだーはどれ位のらんくでござるか?」

「確かコボルトリーダーはDランクだったはず」

「D位ならいけるか?」

「奇襲と囲まれる事に気をつければいけるでしょ」

「なら、まずはあの二匹のグレイウルフを奇襲で倒して、洞窟に進もう」

「了解でござる」


 話会いの結果、エルと桜がコボルトを。俺がグレイウルフを倒す事となった。


「行くでござる」


 桜の合図で、一斉に茂みを飛び出す。俺は右手に集めていた魔力をグレイウルフに撃ち込む。


「ウインドカッター」


 首を狙った一撃は、正確にグレイウルフの首を切り裂き、消えていった。


 自分の戦闘は呆気なく終わり、ふと、エルと桜を見ると、同様に既に勝負はついていた。


「進むでござる」

「ああ」


 討伐証明部位と、魔核を取り出し。洞窟に入った。


 洞窟は一本道で、人二人分の道しかなく、少し狭い。


「桜が前。俺が真ん中。エルはどうする?」

「うーん、偵察をするために、一番最初に行くよ」

「分かった。気をつけろよ」

「うん」


 エルが道を慎重に進み。俺達はその後を歩く。


「あ! 少し見てくるから、待ってて」


 何か感じ取ったのか、エルがそう言って、先に洞窟を進む。


「確かに向こうに何かの気配がするでござる」


 桜も感じ取ったのか、洞窟の奥を睨みながら言う。

 二人とも何かがあると言っているが、俺にはさっぱりだ。父さんが教えてくれた、気配の感じ方も俺は上手くできなかった。


 少し悶々としていると、音を立てないように、エルが帰って来た。


「奥の大きな部屋に、コボルトリーダーらしき魔物が一匹と、コボルトが七匹居たよ」

「なるほど、取り合えずそこまで行ってみるか」

「そうでござるね」


 俺達はさっきまで陣形で、奥に歩き出した。



「……居るな」

「で、ござるな」


 一本道を進むと、奥は大きな部屋になっており。コボルトが七匹とコボルトリーダーが一匹居た。


「どうする?」

「……俺の嵐。いや、大嵐を撃ち込む事も出来るが」

「うーん。じゃあ、そうしようか」

「了解」


 大嵐は、嵐を二つ合わせて、作り出す範囲魔法。威力はあまり変わらないが、範囲が大きくなるので、数が多いコボルト達にはぴったりだ。


「いくぞ。大嵐」


 右手を部屋に向けて、魔法名を唱える。そうすると、部屋中が嵐に巻き起こり、コボルト達を切り刻む。


「グルルルル!」

「ワオーン」

「キャクン」


 と、コボルトの悲鳴が聞こえる。それは数分続き、聞こえなくなって中をのぞくと、そこにはコボルトの死体が重なっていた。


「おお。死屍累々でござるな」

「そうだな。もう大丈夫か?」

「ボクが様子を見てくるよ」


 エルが部屋の様子と、コボルトの死体を見る。そして、大丈夫と判断したのか、俺達を呼んだ。


「大丈夫だよー」

「なら、行くでござる」


 エルの呼びかけで、部屋に入る。血の臭いが充満し、早く焼くなり埋めるなりした方が良いだろう。


「討伐証明部位と魔核を取っておこう」


 俺達はコボルトの死体から耳と魔核を剥ぎ取り、エルの魔法のポーチに入れていく。


「これでいいでござるかな」

「そうだな。もう、帰るか」


 結構あっけなかった。小さい群れだったからかな?


「じゃあ行こ……」


 後ろにいたエルの声が途中で途切れる。桜と同時に、後ろを振り向くと、エルの胸から鉄槍がはえていた。


「「エル(殿)!」」


 ドサリと、音を立ててエルが倒れる。その槍を掴んでいたのは、一匹のコボルトだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ