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エッ!何て仰いました?

「凛。入るぞ!」

俺は凛の部屋に入った。凛は何をするわけも無く中央に座っていた。

やはり、何時もの凛では無い。

俺は思いきって話しを切り出した。


「凛。おまえ、何か悩んでいるのか?最近、元気が無い。それに、萩や華も心配をしておる。」


「ううん。別に何も悩んでいないよ。どうして?」


「いや・・・・・・最近、ちょっと凛の様子がおかしいのでな。俺も心配している。本当に何も無いのか?」


「・・・・・・何も無いってば~~~!!」


「凛。・・・そうか。」


「鷹くん。用事が無いんだったら出て行ってくれる。私もう寝るから!」


「・・・・・・悪かった。・・・」


はぁ~~!鷹くんを怒らせてしまったみたい。きっと、私の事を心配してくれているんだろうな~。

悪い事をしたと思うけど・・・・鷹くんを見るのが辛い。夜は特にね。

明るい時はみんながいるから気も紛れるんだけど。

ダメだ。涙が出てくる・・・・本当に辛い。

もし、鷹くんが結婚したら?鷹くんは優しいから行く所の無い私を此処へ置いてくれるだろうけど、鷹くんと奥さんの楽しい顔を見たら、きっと耐えられない。

だから、私自身のためにも何処か行く所を探さなくっちゃ。

・・・・・でも、考えれば考えるだけ寝られない!



先ほど凛の部屋へ行った。

だが、凛はやはり思い悩んでいる。それに、かなり気が荒く立っている。

凛。本当におまえは何を考えているのだ。



私は寝られなくて部屋から出て庭の縁側に座って考えているんだけど、本当に自分でも何を考えているのか分からなくなって来た。

勿論、夜中だからシ~~ンとしてる。怖いほど静かだし。

このままの私じゃダメだとは思うんだけどね。

それに、萩さんや華ちゃんにも心配を掛けている事も分かっている。だけどね~~~・・・

私ってこんな性格だったったけ?

友達の恋愛相談には良く乗ってあげたけど、まさか、私がこんなになるなんて考えもしなかった。

本当に、友達の言っていた事が今になって分かるわ。

それに、自分の気持ちを隠す事って難しい。鷹くん、変に敏感だから。

でも、今日って満月だったんだよね。皆が言っているように、あの月に行けたら良いんだけどなぁ~~

それにしても、私の涙って良く出るわ!確かに今まで涙が出なかったのが不思議よね。

この私が泣くなんて・・・・おかしい。

幾ら考えたって同じ。ここで思い切らないと!

よし!!決めた!此処を出て行く!!

そして、最後に鷹くんに自分の気持ちを打ち明けよう。だって、後悔したくないもん。

そう思ったら眠くなってきた。単純だわ~~。



凛。・・・・やはり眠れぬか。

それに、涙・・・・・

初めてだな。凛が泣いているのを見たのは。

やはり、これから凛に話しておかないと俺は一生後悔をする事になる!


「凛。・・・眠れぬのか!」


「アッ!鷹くんも寝られないの?」


「ああ。おまえの事が気になってな。」


「・・・・ごめんね。鷹くん。・・(よし!言うぞ!)・・・・」


「・・・(凛。よし!言うぞ!)・・・・・」


「・・・鷹くん。・・私・・・実は・・」


「凛。何も言うな。俺は知っている。」


「エッ!・・・・鷹、鷹くん・・・(ウソ~~!知っていたの~~私が鷹くんの事を好きって言う事を)・・・」


「凛。よく聞け!俺は・・・俺は・・・俺の傍から離れる事は許さん!絶対に!出て行くな!」


「た・・鷹くん?・・・何を言ってるの?俺の傍から離れるなって。そんな事出来ないじゃない!鷹くんが結婚して奥さんがここに住んで・・・・私はどうしたら良いのよ!・・・そんな勝ってな事言わないでよ!」


「奥さん?結婚?・・・・凛。おまえ何を言っているのだ?俺にはよく分からんが。」


「ヘッ!・・・・・鷹くん、今のどう言う事?」


「はぁ~~~!!おまえは何を言っている?俺は凛以外とは誰とも婚儀はしないぞ!」


「・・・・・・・(私以外と結婚しない?)・・・・」


「凛。・・・おまえ、勘違いしてるな!俺はおまえだけだ!婚儀をするのは!・・・・まったく・・」


「・・・・鷹くん。ちょっと確かめたいんだけど、鷹くんさ、私の事をどう思ってるの?」


「おまえ、俺の気持ちも知らなかったのか!」


「だって・・・・知らなかったんだもん。それに、いつも馬鹿だの落ち着けだの怒ってばっかりだったし。本当に落ち込む事ばっかり言ってるし。それなのに鷹くんの気持ちなど分かる訳がない!」


「それは、こっちの言い分だ!俺がいつも気に掛けているのにちっとも分かってない!・・・・ところで凛。おまえは俺の事をどう思っているのだ?」


「・・・・・・好き・・・・」


「・・・・・やっと、好きになってくれたか。俺は前から思っていたのだぞ。まったく・・おまえの鈍感にはやきもきしたわ。」


「ごめん・・・私も最近なのよ。自分の気持ちに気が付いたのが。・・・本当にごめん!」


「最近だと~~!!おまえは馬鹿か!」


「また、馬鹿って言う~~~」


でも、良かった!!鷹くんも私のことを好きなんだと分かって。私も好きなのよね。今更だけど自分でも馬鹿だわ。キャー!明日、鷹くんの顔が見れない~~~!



本当に疲れる!だが、お互いとんでもない勘違いをしていたのもだ。だから話しが噛み合わなかったのだな。だけど・・・・この凛と一緒になると俺はまた、悩む事も増えるかもしれない。大変な者を愛したものだ。この俺が。明日、萩に言わなければ。萩は手放しで喜ぶだろう。そして、屋敷の者も。


明日からは大変だろう。


婚儀の前に凛にしっかり「妻」教育をしなければ。

そうでないと「俺」が恥ずかしい。


「ねぇ、ねぇ。鷹く~~ん!私のこと「好き」って聞いてないよ~~~

言ってよ!「凛が好き」ってさ!」


「馬鹿かおまえは!」


「もう~~~~!言ってくれても良いじゃない~~~!ケチ!!」


「ケチだと!!・・・・では、言ってやろう!一度しか言わんからな。しっかり聞け!凛。愛している」


「・・・・・(真っ赤)・・・有り難う!鷹くん」


「でも、なんで?上目線!!」


俺はコイツに勝てるのか?



「私のトリップlife」は一応、完結させて頂きます。


この話しを最後まで読んで下さった皆さまにはお礼申し上げます。


有り難う御座いました。


そして、番外編をちょこっと載せさせて頂きます。


新に「ご主人様と凛の家庭」を連載します。


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