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観月会が始まりました。

とうとう、観月会の日になってしまいましたよ。

私は朝から胃が痛い!鷹くんはと言いますと「今日の月は綺麗だろうな。」と私を横目で見ながら仰っています。ホント!意地悪!!

私は内心、雨でも降ったらいいのに!と思っています。


そして、夜。私の期待も裏切られて。鷹くんと康くんの屋敷に行きました。

やっぱり、咲ちゃんは余裕でニコニコと私達を出迎えて。後から来られた友くんと楓ちゃんもニコニコ顔。私だけです。顔が引き攣っているのは。その証拠に鷹くんがコッソリ「凛。顔が固まっているぞ。」と。


そして、康くんの自慢?の庭で船を浮かべて観月会。さすが~~~!

私はこのような体験をしたことが無いので。もし、この船の底に穴でも空いていたら・・・と思うと少し怖いです。だって、私は現代人なのですから。

そして、船では月見の用意も完璧!私は今日の事があるから夕食をあまり取りませんでした。

いっぱい、食べてやろう!という思いで来たものの・・・・ダンゴのみ・・・・ショック!!

いよいよ、歌会が始まりましたよ。

私は自分の事で頭がいっぱいだったから、人の読んだ歌なんか頭に入ってこない。

キャー!次は私の番だよ~~~~!


「では、次。凛殿」


「月見では皆と会えて うれしや 観月会」


「・・・凛。月見と観月会は同じだ。」

と鷹くんは私の耳もとで囁かれる。

確かに、同じではありますが、月見で皆に合えた嬉しさを読んだつもりなのですがね~~


では「思い馳せてこの月見 我かなしいきや この船の中」


今の私の正直な気持ち。だって、ダンゴしか無いんだもん!もっと食べ物があると思っていただけに・・・・

「グウ~~~~!」


「・・・・・・・・??」


「今のは何だ??」(友親)


「さぁ~~、何でした?友くん。何か聞こえたの?」


「・・・・いや。」


(ああ!恥ずかしや 我のお腹)(凛)

どうして、こんな時に私のお腹の虫は鳴くのでしょう。

隣で鷹くんが睨んでいます。でも、私の意志ではないのですよ!


「では、康紀。」


「我おもう うれしや月の 愛でる妻」


「見事だな。康紀」


「本当だ!咲子殿のことではないのか?」


「わたくし。恥ずかしいでございます。」


私は意味が分かりません。きっと咲ちゃんの事だとは思いますが。

そして、康くん、咲ちゃんの二人の顔が赤い?ような気がします。ラブラブですよ。

「この二人 自分の世界 ただ浸る」

出来ました!この二人にピッタリです。けれど、これは読めません。私の心の中だけで読んでおきます。そして、どのくらい歌を読んでいるのでしょうか?私はお腹が減って、減って。

「凛殿。どうですか?一つ」


「まだ月見 我のお腹 もう限界」


「・・・・・・・・・・・!」


「プッー!!・・・・凛、凛殿・・ハハハハ・・・・」


そうなのですよ。私の心の声が、この口から出ていました。何たる事!また、鷹くんに叱られますわ。

そこへ楓ちゃん「お姉さま。私もお腹が空きましたわ。お姉さまと一緒です。」

まぁ!楓ちゃん!私を庇ってくれるのね!優しい子です。

それに引き換え!友くんは大爆笑!鷹くんは目を瞑られて。眉間に皺が寄ってる?

康くんと咲ちゃんは下を向いて笑いを堪えているみたい。


「どうせ、 私の歌は こんなもの。」


どうでもいいけど、早く何か食べたいです。


だけど・・・・・帰ったら鷹くんに怒られるよなぁ~~~!

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