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渋谷降臨猫

トヨウケ「あぁ。いいお天気ですねぇ。トールさん達も無事に帰られましたし、後片付けも昨日で終わりましたし、今日は久しぶりにのんびりできそうですね」

ピロリン……

トヨウケ「おや、誰からでしょう?」

ポチポチ……

『やっほー。トヨちゃん、今日少し時間ある?』

トヨウケ「シナトベさんからですね」

ポチポチ……ポッ

『多少は。毎日の祭事以外には今日は特に何もありません』

ピロリン……

『朝の分はもう終わった?』

ポチポチ……ポッ

『はい。15時までなら時間はあります』

ピロリン……

『今から渋谷に来れない?』

ポチポチ……ポッ

『行けなくはないですが、何故ですか?』

ピロリン……

『火車ちゃんの服選び~♪』

シュッ!

『今すぐ行きます!』

ピロリン……

『んじゃ、ハチ公前付近で待ち合わせで』


15分後


トヨウケ「お待たせいたしました!」

シナトベ「……めっちゃ早かったね……」

トヨウケ「明治神宮までアマちゃんに送ってもらって、そこからタクシーで来ました!」

シナトベ「東京大神宮に瞬間移動してから、空を飛んで来ればよかったんじゃ?」

トヨウケ「私は、シナトベさんほど早く飛べないので」

シナトベ「いや、そう思って……。東京大神宮も離れてるから、30分くらいはかかると思ってたんだけどねぇ……」

トヨウケ「で、火車さんは!?」

シナトベ「もうすぐ来ると思うよ」

トヨウケ「あのタイプの服を選びに行くんですよね!?」

シナトベ「そう。『サブカル地雷系』ね。あっ、火車ちゃんには、動きやすそう(に見えるだけ)な『今の服に似た服』としか言ってないから。うっへっへっへ」

トヨウケ「動きやすいかは知りませんが、絶対似合うでしょうね。ジュルリ……」

シナトベ「お金はおかーちゃんが出してくれるって」

トヨウケ「そして、わざわざ渋谷に来たと言う事は――」

イザナミ「お待たせ~」

火車「お待たせ致しましたにゃー。ふにゃー」

シナトベ「おー、来た来た」

イザナミ「あら~、トヨちゃんも居るじゃない~」

トヨウケ「え、ええ。シナトベさんに誘われまして(ワクワク)」

火車「ふにゃー。今日は『ダボッとした服』を買ってもらえるって言われてましたけんど」

シナトベ「そうそう。今着てる服に色合いとかはほぼ似た感じだねぇ」

イザナミ「ここからどう変わるのかしら~?」

シナトベ「それは行ってからのお楽しみだねぇ」

トヨウケ「さぁ、行きましょうか!」

火車「なんでトヨウケ様がそんなノリノリなんですかにゃ?」

トヨウケ「そ、それは私も今日行くところは初めて行く所ですので……(多分)」

シナトベ「トヨちゃん、方向が逆。こっちだよ」

イザナミ「私も行ったことが無いわ~。あの筒みたいなビルよね~?」

シナトベ「そ。通称『〇キュー』。さ、火車ちゃん、行くよー」


数分後 SHI〇UYA1〇9


シナトベ「ここだよ」

トヨウケ「メディアとかではよく見る建物ですよね」

イザナミ「そうねぇ~。でも入るのは初めてだわ~」

火車「若い人間のメスが多いですにゃー」

シナトベ「んじゃ、エレベーターで上に行きますかね」


7階


シナトベ「着いたよ。ここだね。『VO〇CA&A〇HRODITE』」

火車「ふにゃー。黒いのとか紫のとかがいっぱありますにゃー」

イザナミ「あらあら。この服、どうしてチェーンとかベルトとか安全ピンとかが付いているのかしら~?」

シナトベ「そういう店だからねぇ」

火車「……本当に動きやすいのですかにゃん?」

シナトベ「ん? そんなこと言ったっけ?」

火車「……へ?」

トヨウケ「絶対可愛いですよ! これとか、これとか、これとか、これとか、これとか――」

火車「ちょ、トヨウケ様!? にゃにゃにゃにゃにゃ!?」

シナトベ「こっちも似合いそうだねぇ。これとか、これとか、これとか、これとか」

火車「ふにゃにゃにゃにゃななな!?」

イザナミ「これもこれもこれもこれも似合いそうねぇ~」

火車「ちょにゃ! いっぱすぎて全くわかりませんにゃん!」

シナトベ「んじゃ、試着してみようか。すみませーん。ちょっと試着室借りていいっすかー?」

店員「どうぞ~」

シナトベ「さてさて、うっへっへっへ~」

火車「ふにゃ! 今日は自分で試着しますにゃ!」

シナトベ「え~? ちゃんと着れる~? お姉さんが手伝ってあげた方が良いっしょ~?」

火車「大丈夫ですにゃ!」

シナトベ「ありゃりゃ。残念」

イザナミ「じゃあ、まずはこれとこれとこれで着てみなさいな~」

火車「ふにゃー。こりゃパーカーですかにゃー? こっちは短パンですかにゃ?」

イザナミ「まずは、今の服に似ている服からね~」

火車「そんじゃ、着てみますにゃ」

シャ……


5分後


火車「これ、確かにいいですけんど……」

イザナミ「見せて見せて~」


シャ……


火車「なんかフードに耳がついてませんかにゃ? あと手がでませんにゃ」

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ!

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

火車「ってにゃんでスマホを構えてまってるんですかにゃ!」

シナトベ「いや、だって、後からこっちの方が良かったとか思ったときにさ。写真撮っておけば、また着なくて良くなるじゃん」

トヨウケ「そうです! 決して記念の為に撮っているとかじゃないんです! ハァハァ!」

イザナミ「あらあら~、似合ってるわよ~」

火車「そうですかにゃ~……。にゃんか変じゃにゃいですかにゃ?」

トヨウケ「そんな事は絶対にあり得ませんよ!」

シナトベ「んー、中々だねぇ。んじゃ、他にも色々着ていってみようか~」

トヨウケ「では! 次はこちらをお召くださいませませ!」

火車「ふぐぅ、にゃ~……」


5分後


火車「これ、スカートじゃにゃいですか……。あと、にゃんでこんな所にベルトがついてるんですかにゃ?」

イザナミ「見せて見せて~」


シャ……

火車「スカートは少し苦手にゃんですけど……」

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ!

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

火車「さっきより連写の音が激しいですにゃっ!?」

シナトベ「気のせい、気のせい。いいじゃんいいじゃん、似合ってる~」

イザナミ「あらあら~。可愛いじゃない~」

トヨウケ「ハァハァ……。退廃的なプリントのオーバーサイズパーカーから覗くハーネスベルトとプリーツスカート、そしてルーズソックス風のレッグウォーマー(ブツブツ)※早口」

火車「トヨウケ様、なにブツブツ言ってるんですかにゃ?」

シナトベ「んじゃー、次はこれね」

火車「何着、試着すればいいんですかにゃ!?」

イザナミ「ほらほら~、どんどん着ないと終わらないわよ~」


1時間後


火車「つ、疲れましたにゃー……。もうどれを着てどれを着てないのかもわかりませんにゃ……」

シナトベ「かーちゃん的にはどれが良かった?」

イザナミ「そうね~。今日着たの、全部買ってもいいけれど~」

トヨウケ「どれも似合っていましたよね!」

シナトベ「ただ、今日はそういう訳にもいかんのだわぁ。まぁ、買うのは良いんだけどね。どれか一つを選ばないと……」

火車「……ふにゃ?」

トヨウケ「くっ……。どれか一つだけしか選べないとすれば……二着目……」

シナトベ「うん。あたしも良かったと思うなぁ」

イザナミ「二人がいいならいいんじゃない~?」

火車「わっちの意見は!?」

シナトベ「えーっと、これとこれとこれの組み合わせだね。火車ちゃん、これが最後のお着替えね。はい、もう一回着て」

火車「ふにゃー……」


5分後


シャ……

火車「着ましたにゃー……」

シナトベ「ん、おっけー。んじゃこれ、靴ね」

火車「……はっ!?」

シナトベ「そら、服に合わせて靴も変えんといかんでしょ? ほら、履いた履いた」

火車「ふにゃー……。この靴、底が凄いありますにゃ……。にゃんか昔の花魁の高下駄みたいじゃにゃいですかにゃ?」

シナトベ「まぁ、位の高さを表すもんじゃないけど、厚底はお洒落なんだってさ」

火車「重いですにゃー……。別に靴とかは自分で買いますから……」

イザナミ「支払い終わったわよ~」

店員「では、タグ切っておきますねー」

火車「にゃ!?」

イザナミ「あとこれ、今着てるのとは別に今日買った分ね~」

火車「にゃにゃ!?」

シナトベ「めっちゃ買ったね~。で……。トヨちゃん大丈夫?」

トヨウケ「ハァハァ……。危うく昇天するところでした……」

火車「今日着てきた服は!?」

イザナミ「この袋のどこかに入ってるわ~」

火車「10袋くらいありますにゃ! わっち、この格好で帰るんですかにゃ!?」

シナトベ「うんにゃ? まだ帰らんよ?」

火車「もう試着は十分じゃにゃいんですかにゃ!?」

シナトベ「安心しなって。服や靴はもう買わないから。上の階に行くよ」

火車「ごはん……とかですかにゃ?」

イザナミ「うふふふふふ~」

火車「歩きにくいにゃ~」


8階


シナトベ「ここだね」

火車「……ここ、にゃんですか?」

トヨウケ「び、美容院ですね」

イザナミ「火車は初めて来るんじゃないかしら~?」

シナトベ「ここで、今の服に合ったヘアメイクをしてもらうよ」

火車「水は苦手ですにゃ!」

イザナミ「大丈夫よ~。ちゃんと乾かしてくれるところだから~」

火車「あっ、なら、いいですにゃ」

トヨウケ「あ……。いいんですね……」

イザナミ「猫は濡れるのは苦手だけれど、ちゃんと乾かされるのが分かってれば意外と平気だったりするのよ~」

シナトベ「んじゃー入ろっか。予約はしてあるからさ」

美容師「いらっしゃいませ~」

シナトベ「予約してた龍田っす」

美容師「えーと、あら? おひとり様、とお聞きしてたのですけど……」

シナトベ「うん。合ってますよ。この子だけっす」

火車「ふにゃ?」

美容師「あっ。そうなんですねー。ほうほう、なるほどなるほど……」

シナトベ「ウルフカットベースで、顔周りは姫カットっぽくして、あと、インナーカラー入れてくれる?」

美容師「ふむふむ。お色の方はいかが致しますー?」

シナトベ「お任せで~。ついでにメイクもお願いしますわ」

美容師「ふむふむふむ。『病みかわ』系でどうでしょう?」

シナトベ「いいっすね。んじゃそれで」

火車「にゃ……?」

イザナミ「ほらほら、行って行って~」

シナトベ「あとはじっとしておけば、勝手にやってくれるから」

トヨウケ「綺麗に仕上がってきてください! 是非!」

火車「じっとするのは苦手にゃんですけど……。まぁ疲れたし座っとくのはいいですにゃんが……」

美容師「さぁ、では始めましょうか。これは腕がなりますねー。フヒヒヒヒヒヒヒ!」


1時間後


美容師「お疲れ様でしたー。完成しましたー」

クルクルクル

火車「椅子回さないでくださいにゃー……」

トヨウケ「はう! 素晴らしい……ハァハァ!」

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

シナトベ「こりゃ完璧に仕上がったねぇ。どうです? 黄泉の女王様。ご感想は?」

カシャカシャカシャカシャカシャカシャ!

イザナミ「いいわねいいわね~! 素晴らしいわ~」

パシャパシャパシャパシャパシャパシャ!

トヨウケ「たたたたたたた、立って、ああああああ、歩いてくださいますか!?」

美容師「どうぞー」

火車「ふにゃ……。歩きにくいにゃ……」

トヨウケ「ああああああ~~!」

シナトベ「慣れだって。慣れ。アンタならすぐ慣れるって」

イザナミ「じゃあ、お金払っておくから~。表でちょっと待っててくれる~?」


ヴー……


シナトベ「どうだい? トヨちゃん。この子は?」

トヨウケ「激推しです!」

火車「ふにゃ~?」

トヨウケ「……はっ!?」

シナトベ「どうしたんだい?」

トヨウケ「火車さんは……、服も買いました。靴も買いました……。でも、このお化粧はご自分で出来るのですか!?」

火車「にゃ?」

シナトベ「できんだろーねぇ」

トヨウケ「では、この完璧なお姿は今日だけのもの……」

シナトベ「それは心配ないよ。ほら、かーちゃんが今メイクのコツを聞いてる」

トヨウケ「なっ!」

シナトベ「かーちゃん、ああ見えて、なんでもできっからさ。多分、同じコスメさえあれば、同じ感じにできるはずだよ」

トヨウケ「さすがナミちゃん!」

火車「?」

シナトベ「あとであたしがコスメを買ってかーちゃんに送っておくからさ。火車ちゃん経由で」

火車「ふにゃ?」


ヴー……


イザナミ「お待たせ~。じゃあクレープでも食べに行きましょうか~」

シナトベ「賛成~」

トヨウケ「そこでもクレープをお食べなさる所の神の雫(火車の写真)を!」

火車「お腹すきましたにゃー……」

ワイワイ

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