雨見て一杯
しとしと……しとしと……
アマちゃん「……ひま〜。たいくつ〜」
シナツヒコ「雨が続くなぁ。まぁでも、恵みの雨だ。アマ姉、わざわざ晴らすんじゃねぇぞ」
アマちゃん「わかってるよ~。でも、ひま~。ひ~ま~だ~な~」
シナツヒコ「ソシャゲでもやってりゃ良いだろ」
アマちゃん「だってガチャが同じのしか出ないんだもん~。この前モン〇トやったけど、全然新しいキャラ引けない~。スー君ばっかり出る~」
シナツヒコ「あれ? アマ姉が出るんじゃないのか?」
アマちゃん「あのゲームだと、あたしガチャのキャラじゃない~。ツーちゃんも。だからガチャのキャラのスー君しか出ない~。うぇ~い」
シナツヒコ「ふーん。そういうのもあるんだなぁ」
アマちゃん「あ~、ひ~ま~だな~」
シナツヒコ「……なぁ、一応聞くけど、そのゲームだとククリのおばちゃんの扱いはどうなってんだ?」
アマちゃん「んー、居なかったと思う」
シナツヒコ「そうか……」
アマちゃん「ひま~まひ~」
シナツヒコ「参拝客も少ないしなぁ。アマ姉、あんまゴロゴロすんなよ」
アマちゃん「シナっち~。なんかして遊ぼー」
シナツヒコ「何かって言われてもなぁ……。あぁ、そういやこの前、棚から花札が出てきたな。それでもやるか?」
アマちゃん「やるー! こいこいこいこいこ」
シナツヒコ「んじゃ、持ってくるわ。アマ姉は座布団でも用意してくれ」
アマちゃん「はーい」
数十分後
アマちゃん「五光、花見て一杯、月見て一杯、猪鹿蝶、赤短、カス~! こい2回だから99点」
シナツヒコ「…………待て。強すぎだろ……」
アマちゃん「シナっち弱い~。つまんない~」
シナツヒコ「こっちはなんも揃わねぇ……。こういう運任せのやつはダメか……」
アマちゃん「こいこい飽きた~。なんか別の遊びしよ~」
シナツヒコ「そうだな……。こういうのはダメだな。アマ姉の運が限界突破しすぎてやがる……。なら将棋でもするか?」
アマちゃん「ん~。いいや。こいこいしてたら、『雨見て一杯』したくなっちゃった」
シナツヒコ「そういう役はねぇが……。でも、それは良いかもな。雨でも見ながら酒飲むか」
アマちゃん「飲も~! 『十四代 大極上生 播州山田錦 純米大吟醸』があるよ」
シナツヒコ「それ、めちゃくちゃ入手が困難で高い酒じゃねぇか! なんであるんだよ?」
アマちゃん「奉納品~」
シナツヒコ「どこの大富豪がそんなもの奉納しやがったんだ……?」
アマちゃん「忘れちゃった」
シナツヒコ「覚えておいてあげようぜ……。それはそうとつまみが欲しい所だな」
トヨウケ「アマちゃん。おやつ持ってきましたよ」
アマちゃん「つまみ来た」
シナツヒコ「おやつだろ。おう、トヨウケ、ちょうど今から一杯やろうとしてたんだ。今日の菓子はなんだ?」
トヨウケ「こんな時間から酒盛りですか?」
シナツヒコ「雨でやる事ねぇから、雨でも見ながら一杯やるかってなって……。ダメか?」
トヨウケ「……まぁ、いいでしょう。酒と神は切れない存在ですからね。って、『十四代 大極上生 播州山田錦 純米大吟醸』じゃないですか! なんであるんですか!?」
アマちゃん「奉納品」
トヨウケ「私も飲んでも……?」
アマちゃん「いいよ~。折角だからトヨちゃんも一緒に飲も~」
シナツヒコ「で、今日の菓子はなんだ? 酒のつまみになるなら……」
トヨウケ「それが、ちょうどいい事に京都の『宇治抹茶だいふく』です」
シナツヒコ「おっ、それは酒に合うな」
トヨウケ「私は塩気の物が良いですね……。鮭があったと思うので、皮を炙ってきます」
シナツヒコ「それ良いな」
アマちゃん「『宇治抹茶だいふく』食べていい~?」
トヨウケ「どうぞ。私は一旦戻って、鮭の皮を持ってきますので、『十四代 大極上生 播州山田錦 純米大吟醸』、残しておいてくださいね」
シナツヒコ「おう。俺も鮭の皮でこいつ飲みてぇし」
アマちゃん「だいふくおいし~」
シナツヒコ「アマ姉は既に大福のおかげで『十四代 大極上生 播州山田錦 純米大吟醸』はどうでもいいっぽいし」
トヨウケ「では、急いで行ってきますね」
十数分後
トヨウケ「鮭の皮、持ってきました」
シナツヒコ「おう。お帰り」
トヨウケ「あら? アマちゃんは?」
シナツヒコ「寝た」
トヨウケ「え? 酔ってですか?」
シナツヒコ「いや、大福食べて茶を飲んだら、寝た」
トヨウケ「では、『十四代 大極上生 播州山田錦 純米大吟醸』は?」
シナツヒコ「アマ姉、自分から飲もうって言ってたくせに、一滴も飲まずに寝ちまったよ」
トヨウケ「……………すると、大吟醸の方は……」
シナツヒコ「あ、俺が2杯飲ませてもらったから、封はもう開けちまったぜ」
トヨウケ「………そ、そうですか。ま、まぁもう開けちゃったなら、せっかくですし、飲ませてもらいましょうかね」
シナツヒコ「そうだな。雨を見ながら鮭の皮で一杯。これもまたよし、だな」
トヨウケ「まぁ、たまには良いですよね」
しとしと……しとしと……




