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36  作者: 川之一
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166. スールイティ団のアジト



 ─────



 そろそろ、フラーワ街道を抜ける頃だ。


 アネアの方にチラッと視線を向ける。道路脇に咲く綺麗な花とアネアの横顔が目に映り、自分はとても満足した表情で視線を再び前に戻した。またフラーワ街道を通るのはいつになるか分からない。もしかしたら、一年後か五年後か十年後か……自分はその時、同じように穏やかな表情でフラーワ街道を通れるのだろうか。


 何事も無く、皆が無事で……。


 〈変な事を考えてるっすね。良くないっす、これからライメゼに会うのに暗い表情でなんか会えないっすよ〉

小さく首を振った。


 道路脇に咲いていた花が無くなり、フラーワ街道を通り抜けた。ここから先は雑木林の中にある道路を走り、途中の分かれ道で細い道の左側へ曲がる。

〈三階建ての白い洋館が見えてきたら、それがアジトだったすね。この細い道に車で入ろうとする人はいないから、スールイティ団のアジトがここだと分かる人も少ないんすよね〉

洋館も雑木林によって隠されているようになっており、外からはハッキリとは見えない。その為、他の盗賊団が襲ってくる事は滅多に無いので、とても良い場所にアジトがあるなぁと感心していた。


 「そろそろ着くね。ダラメット、この道も久しぶりなんじゃない?」

「さすがに五年も来てないっすから、前よりもっと草木が生い茂っている気がするっすよ」

「あはは! 確かにね。ますます、アジトが分かりづらくなるかも。ふふ」

アネアと楽しく話せて自分はとても幸せ者だ。

だが、本当に五年も来ていないとどんな風景だったか思い出せずにいた。草木もこんなに生えていただろうか? と考えながら辺りを見回していた。


 「あー! やっと着いたぁ〜!」

「送ってくれて、ありがとうっす」

「別に感謝なんかしなくていいよ」

アネアは洋館の前にある駐車場に車を停めた。車から降りて辺りを見回すと、何台か車が駐まっている。他の団員達もアジトにいるようだ。普段、あまり緊張しない自分も久々に団員達に会うかもしれないと考えると緊張してきていた。


 皆……何て言ってくるだろうか。


 〈ぬぁぁおおおああ、緊張してきたっすぅうう‼︎ 気にしないようにしてたけど、無理っす‼︎ 気にするっすぅうう‼︎〉

恐怖からか手が小さく震えていた。酷い悪口を言われてしまうかもしれない……だが、それも仕方がない。勝手に自分は抜けてしまったのだから。


 ライメゼを困らせたのも自分だ。


 きっと、団員達からはムカつく奴と思われているだろう。本当にアジトに入っていいのだろうか。


 「大丈夫だよ。皆、ダラメットの事怒ってないよ。行こ!」

アネアは自分の肩を優しく叩いた。アネアの言葉に励まされると、しっかり前を向いてアジトの入り口へと歩き出した。



 「おっ、ダラメット来たのか。変わってないね〜」

三階の窓からライメゼは駐車場を見ていた。


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