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ある中学校教師の殺人事件簿  作者: 維己起邦
1/77

01



  1


 都内。

 ○○川の河川敷。

 夜も十二時を過ぎるとこの周辺。

 人通りもとだえ

周囲の民家の明かりといつても

河川敷には高い土手にさえぎられ

その光はとどかない。

 土手には道路もある。


 何やら河川敷の橋のたもとでうごめく人影が。

 厚い雲で覆われていた月が

顔をほんの少しのぞかせた。

 その光に数人の人影が浮かび上がった。

 「この野郎。

 信じていたのに裏切りやがって」

 見ると五人の少年と思しき人影が

一人の少年と思われる影を。

 「約束しただろう。

 約束を破ったオマエが悪いんだ」

 口々にののしりながら

なぐりつづけていた。

 「友達だと思っていたのに」

 「チクリやがって」

 一方的に殴り続けられる少年は。

 「もう二度としません。

 許して」

 か細い声で。

 「信用できるか」

 「オマエの言う事なんか。

 またダマすつもりだろう」

 「オマエのおかげで

季末きすえの奴には呼び出されるわ。

 どう責任を取る」

 殴られていた少年が急にグったりと-----。

 動かなくなった。

 「おい、大丈夫か」

 「こんな奴死んだってかまうもんか」

 「でも-----見つかったら」

 少年たちは少し後ずさりを

 「心配するな。

 川に流してしまえば」

 「でもな。輝雄。

 そこまでしなくても」

 「ブルったのか」

 “こいつらこの前も。

 イザとなるとブルいやがる”

 -----ゴソゴソと。

 暗くてなにをしているのか。

 その時

少し離れた草むらで音が。

 人影が二つ。

 「逃げろ」

 「二郎。来い」

 少年たちはあわてて-----逃げ出した。

 グッタリとなった少年を残し-----。

 その少年の姿は暗くて確認できない。

 人影は少年たちの逃亡を見届けるや。

 ゆっくりと-----。

 ここで何が起きていたのか

知ってか知らずか-----。

 月がまた隠れたため

あたりお見まわすが良くはわからない様に。

 -----。

 そして-----その姿を-----

少し離れた場所でもう一人の男が見ていたことを。

 携帯を手にさらにもう一人。

 この男たち二人も少年たちもしらなかっつた。

 月が出ていれば

男たちは気づいたかも知れない。

 少年の一人がカバンを忘れていった事に。

 そのカバンには小さな文字で

椰田やしだ”と書かれていた事にも。

 月はいまだ姿を現さなかった。



  

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