ずるずる
ズル休みしました。何か不思議な一日です。季節は一応秋で。
意味の無い事を、意味も無くやってしまった。
現在、午後一時を少し過ぎました。
みんなは学校で眠い眠い五限目の古典の授業を受けている。私は、家で布団にくるまっている。何だかとっても面倒臭くなってしまったのだ。朝起きたら、もう八時で、いくら急いでも一限目には間に合うけど、遅刻扱いになってしまう、そんな時間だったのだ。だから面倒臭くなって、全てを投げ捨てて、再び夢の世界に落ちていった。
正午、寮のオバサンが私の部屋の扉を叩いた。どうしたの、と聞かれたから、何かダルくて、と答えた。オバサンは、そりゃ風邪だわ。昼御飯あるから食べなさい、って言ってくれた。
……オバサン、違うよ。私、ただダルいだけだよ。風邪何かじゃない。面倒臭くてふて寝したんだよ。ズル休みなんだよ。
想いは喉まで膨らんで、でも結局出てくることはなかった。
そして今、私はボーッと部屋を眺めてる。昼に出たレトルトカレーを二杯も食べて、部屋に戻ってきた。ごちゃごちゃ服が散乱した六畳の自室。部屋が汚いと心も荒れるらしい。私の場合はどうなのだろう。部屋が汚いから、今日学校を休んだのだろうか。
理由なんて無いって事に、ずいぶん前から気付いていたくせに、馬鹿みたいに無意味な思考が巡り回る。ホントはこの状態に酔っているだけなのかもしれない。……そうだとしたら、私は今この世で最もカッコ悪い人たちの中の一人だろう。
むなしい。空しい。虚しい。
空っぽの虚しさだから涙すら流れない。私は空気に溶けてしまったように、時間の流れに身をゆだねる。そうすることが今日の私の使命と信じて。そうしないと、私の存在意義が無くなってしまう気がするから。この瞬間が、日常から外れた今日が、とても新鮮で大切に思えるから。
私は、どん底まで愚かで、至高まで最高なんだと思う。今この時だから感じられたこの気持。日常になっていないから感じられる解放感。ちょっとの罪悪感……。どれもこれも、日常から逃げた代償で、今しかない宝物。少し真面目すぎる気がするけど、それでもいいと思った。
外には冷たい雨が降る。