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第3話 生き別れた姉との再会

 場面は病院の屋上へ。


少年「あの・・・こんにちは」


 玲が振り向く。


 玲の顔には涙を流した跡が見える。


少年「泣いてたの?」


玲「あ!」


 玲は顔を背ける。


少年「ボクが何も覚えていないから?」


玲「ちがう!ちがうよ!」


 玲がふたたび顔を向けるが、涙ぐんでいる。


玲「確かに・・・覚えて・・・くれてるかなって・・・期待は、してたけどさ」


玲「とにかく・・・ときゆきっ、がっ、生きててくれてっ、良かったなぁって」


 その言葉とともに、玲は泣き出す。


 ときゆき(少年)も、こみあげてくる何か、を抑えられず泣き出す。


玲「なんであんたも泣くのよ」


 2人は向き合いながら、ただただ泣くことしかできなかった。


 屋上入口扉から見ていた冷泉も、何故か泣き出す。


玲「冷泉さん!もぉ!」


冷泉「おいおい・・・なんて感動的な再会なんだ」


冷泉「最初からそうしてよねー」


冷泉「ときゆきくん、君達の両親が亡くなったこと、君の足が思うように動かなくなってしまったこと。

これら全てが誰かの仕業だとしたら・・・。

君は彼らへの復讐を望むかい?」


ときゆき「叔父・・・ですか?」


冷泉「ちゃんと聞いていたようだな・・・そうだ。

後継争いから、君達は他の分家から狙われたんだよ」


ときゆき「玲さんは・・・」


玲「私も剣道やってたんだよ。

 中学の時、怪我が原因でこの病院に通い始めたんだけど、そこから足の調子が良くならなくて・・・。

今思えば、あの時の怪我も・・・。

まぁ、その後、ときゆきが生まれたことで、親の目は私から離れていったの。

用済みだったのね、その後も入院させられて、ずっとこの病院にいたよ。

看護が話しているのが聞こえてね、わたし、捨てられたって気づいたんだ」


ときゆき「捨てられた?」


玲「叔父の仕業だよ。

 難病にでっちあげられて、社会復帰できないようにされたの。

でも親からすれば、金さえ払っていれば、もう会う必要もないから、都合が良かったのかもね。

そうやって絶望してる時に、冷泉さんが会いにきてくれたの。

冷泉さんは・・・」冷泉「玲、あとは俺が話すよ」


冷泉「ときゆきくんも気にはなってるだろ?

なぜ俺が君達の家庭事情に詳しくて、君達を助けをしようとしているのか」


ときゆき「はい」


冷泉「君は北条という名前を知っているかい?」


ときゆき「歴史で勉強した、あの北条ですか?」


冷泉「そうだ。君の家系はその北条だよ」


ときゆき「ボクが、北条?」


冷泉「北条と言っても、沢山いるだろうがな。

正当な、とかそんなものはこの時代に意味をなさない。

俺は君達の本家、現在の当主、北条 政也の側近で、後継争いに問題が起きないように、管理を任されている、諏訪冷泉だ。

改めてよろしく」


ときゆき「でもボクの家は北添ですよ」


冷泉「分家は北条を名乗らない決まりなんだ、北条を名乗るのは本家のみだ。

政也さんには君達の叔父がした事について報告済みだ。

俺が玲を連れまわせてるのも、雅也さん協力あっての事なんだ。

病人を勝手に連れ出したら問題になるからね」


ときゆき「その、管理とか、よく分かりませんが、だいたい・・・後継のために子供を作れ、みたいなこと勝手にやっといて、死人もでてるんですよ・・・?」


冷泉「もっともだ・・・こうなることが予測出来なかったのは、大人のエゴの結果だ」


冷泉「本当に申し訳ない。

いや・・・ごめんなさい」


ときゆき「謝ったって・・・。

玲さんと僕は、これからどうなるんですか?」


玲「ときゆき、私は北条の後継争いから逃げないよ。

親のためでも、誰かのためでもない。

私が生きていること自体に関係があるなら、私は目を背けず最後まで戦いたい」


ときゆき「北条北条って、これだけふりまわされたのに、どうして?」


玲「私だって、北条のせいでって、政也ってやつのせいでって・・・思ってたよ」


玲「政也さんに会って話しを聞いたの。

北条は本来、身内で争うような一族じゃなかった。

目的を明確にして、目標をたてて、みんなで達成するために努力ができた一族なんだって。

政也さんは、一族のために皆んなが団結できると思ったみたいだけど、実際はお金や権力に意識を奪われて、一族同士が争う事態になってしまっている。

政也さんはそれでも、後継選びを諦めていないんだって。

いとこ達が後継の有力候補だなんて、自分たちの良いように噂を流してるけど、あんなの他の分家が流した嘘だよ。

政也さんはこの辛い環境を跳ね除けて、私かときゆき、どっちかが後継になることを望んでいるって言ってたよ」


冷泉「そこまで話してたか。

話しは早いが、俺が君達に協力しようとしているのは、政也さんの希望だ。

お金や権力のためじゃない、たとえ絶望していたとしても、胸を張って強く生きれる人を探している。

政也さんの息子は、誰かのためにいつも頑張っていた。

そして・・・息子さんの死も、分家の仕業だとふんでいる」


玲、ときゆき「え!?」


冷泉「わざわざ子供を作らせてまで、後継を探す必要なんてないだろ?」


冷泉「これまでだって、分家はいくつあっても、その構成は1人・・・そして後継者は必ずその中から選ばれてきた」


冷泉「政也さんの息子だって、分家だったってことだからな」


冷泉「こんな後継の選び方は異例すぎるが、分家の誰かが裏切っているのなら、新たな後継者は心の汚れていない子供が良いのも分かるし、犯人を探す方法にもなるってわけだな・・・」


冷泉「それでも・・・こんな状況を生み出してしまったのは、本当に申し訳ないよ・・・」


冷泉「もしも、嫌じゃなければだけど」


冷泉「ときゆきくん、政也さんに会ってみるかい?」

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