第21話 繋がり始める物語
政也「伝承者が、最後まで気にかけていた、武の才が見られなかった者、この人物が伝承者から伝記を受け取った。
しかし、それはただの偶然ではなかった」
政也「その者は、北条時行の実の子であり、後北条とは別で、時行が望んだ生き方を、与えられた者だったんだ」
政也「無論、北条という名は表には出さなかった」
政也「北条時行の血を引き、伝承者の意思を継ぐ者、彼こそが我々の家業を始めた者だ」
政也「そしてだ、問題の天地流だが。
その後、現代に至るまで、我が家業の歴史上に、天地流という言葉は現れもしていない」
イッキ「じゃあ、父さんの言う天地流って・・・」
政也「そうだな・・・。
あまり憶測で話すことではないが・・・。
伝承者に取り憑いた魑魅が、まだこの世にいること。
一輝の父が修行したとされる天地流の存在。
そして、東条。
これらは個々の問題ではなく、それぞれが関係しているのではないかと考えている」
イッキ「東条については、この1週間の間、冷泉さんから聞きました。
そのうえで、聞きたいんですが、東条って前から怪しいっていうか、身内に害を加えるような分家なんですか?」
政也「その質問に答えるには、まず一輝自身が東条とどういう関係にあるのか、話してもらえるだろうか」
イッキ「ん?俺は東条と繋がってねーっすよ?」
玲「ちょ!あんたっ・・・」政也「いいんだ」
政也「誰を信じればいいのか、不安にもなるだろう。
父親の体調不良、正体不明の流派、東条の子との仲、身の安全のためと言っても知らぬ家、しかも東条とも関わりがある。
どう考えても不安材料に溢れている」
政也「その中でも唯一、友と思える存在がいるから、ここに来てくれたのだろう」
政也「東条との関与を疑っているのではない。
一輝の事を知りたいだけだ」
政也「聞き方が悪かったのもあるな、申し訳なかった」
イッキ「あっ・・・いや、こちらこそ・・・」
イッキ「その・・・東条の家とは親同士が繋がってて、その子供同士ってことで、小さい頃から仲良かったんです」
イッキ「あの頃の、東条の父さんはすごく優しくて、そんな言うほど悪い人には思えなかったんです」
政也「あぁ、一輝の言うとおり、東条はむしろ、分家の中では硬派で、実力も高く、特に信頼にたる分家だったよ」
玲&誠「え!?」
政也「驚くのも無理はない。
だが、事実、俺が分家だった頃から共に働いた中で、アイツは俺に劣らずで、しかも当主候補だった。
あの頃を考えれば、俺も理解に苦しむよ」
イッキ「あれ?どーゆーことっすか?
ちょっと頭がついていけてないです。
東条も政也さんも、血の繋がりがあるってことですか?」
冷泉「あー、ごめんねー、それは俺の説明不足だ!
あのね、この北条家、いわゆる本家と、その他分家の人間に、血が繋がりは関係ないんだよ。
大事なのは意思であって、認められさえすれば、誰だって分家になれて、そこから当主候補にだってなれるんだ」
冷泉「政也さんはちなみに、北条との血の繋がりはないよ。
たしか・・・この中に・・・あっ」
政也「はぁ・・・全く、冷はディンに似てきたな」




