第15話 友との再会、異変
政也「武を極めた者の精神力は、生半可じゃない。
この時の、2人がお互いの意思を尊重し合えなかったことに、俺はずっと違和感を感じている」
政也「これは・・・俺の推測だが、2人は魅や魑魅の調査をしている間に、自身の魅護が乱れ始めていたのではないだろうか」
政也「さっきも説明したが、魅護はその者の精神状態に大きく影響を受けるからな」
冷泉「政也さんのその考えは、初耳ですね」
政也「すまない、憶測で話す事でもないからな・・・話しをもどそう」
政也「2人は翌日それぞれ違う土地へ調査へ行ったが、強力な陰の魑魅の調査へ行った1人は、そのまま行方が分からなくなってしまった」
政也「友はどこへいったのか、強力な陰の魑魅はどうなったのか、残された1人は真相を追い求め、旅を続けた」
政也「ある日・・・とうとう再開を果たす。
だが、久々に会った友からは凄まじい程の陰の魅護を感じた」
政也「それは友に取り憑いた魑魅が原因だと、すぐに気づいた」
政也「友はこう言ったそうだ。
魅や魅護を感じ取れるようになった時、自分は生命の中でも特別な存在だと感じた。
だがそれは大きな間違いだった。
人間という生命は欲にまみれていて、陽と陰の気が不安定に混ざり合っている。
そして自分も人間であり、欲には勝てなかった・・・今ではこの身体も、陰の気で満ちてしまっている。
これまでも、これからも、人間は争い合うだろう、欲望のままに・・・。
悲しい運命だが、少しでも多くの人間が我々のように、魅護を感じれるようになれば、少しは変わるかもしれない。
だから弟子をとり、武の極地へ至れる者を求めて旅をしていたのだ」
政也「この友の話を聞いてこう思ったそうだ。
武を極めるというのは、一朝一夕にできるものではない。
2人が武を極めようと志したその初まりは、ただ自由に生きたかったからだ。
幾多もの戦で、死地をくぐり抜け、絶え間ない修行の日々に耐え、ただひたすらに強くなることを求めた結果、突然たどり着いた境地・・・いつからか、自分達が特別な存在か何かだと思い上がっていたのか?」
政也「そう、腐っても人間、所詮できることなんて限られているのに・・・。
この世を変えるだなんて、また夢の話だ・・・」
政也「そう思ったと同時に、今まで何のために生きてきたのか、分からなくなり始めたそうだ」
政也「考えることをやめ、とりあえず友に着いて行くことにした」
政也「友は、天に見える星々は我々のような小さな存在とは、かけ離れた大いなる存在であり、武の極地というのは、天と地上を繋ぐ存在なのだと常々話していたそうだ」
政也「そして友は、天地流という名の武門を、開くことに決めたそうだ」




