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喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
政治と保護

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タオの心ここにあらずんば恋を得ず

すっかりお忘れかもしれないが、タオはタマキと名乗る男嫌いのお姉さんと道連れていた。


「タオちゃんの、知り合いの、恩人の、友だちの、へらへらしてる、口から手足が生えたような、ただの知り合いの、なんとも思ってない、なんとかって人はどこにいるのかしらね」


タマキはつらつらと、タオの弁解の句を並び立てる。


「どこにいるかはわからないんですけど、ひとつ言えることは、ボロボロの浴衣を着てます」


タオたちは、街の外れあたりを練り歩いていた。街の真ん真ん中をアケビが歩くとは思えなかったからだ。


「そう。小汚いんだ」


トゲのある物言いをするタマキ。タオも反応するが、取り立てて責めることはない。2人旅で喧嘩するほどの地獄はこの世にないからだ。


「ところでタマキさんは、どうして男嫌いになったんですか」


冷戦。冷たい戦を仕掛ける。


「え」


「だって、理由があるわけじゃないですか」


昔から意地は張る方だが、アケビを小汚いと言われたぐらいで、ここまでムキになる自分にすこし驚くタオ。


タマキは少し気圧された形になって、


「誰にも言わない?」


と念押す。


もちろん共通の知り合いもいないわけだから言うはずもないのだが、


「どうしてもって言うなら、誰にも言いません」


と恩着せがましく言う。タマキは、うーん、と少し唸ってから、


「昔、クラスの男子にタマキんってあだ名をつけられたから」


とのたまう。何とも可愛らしい理由ではないか。途端愛おしくなって、タマキを抱きしめると、遠くに人影を捉えた。


ボロの浴衣をまとった、影だった。


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