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喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
政治と保護

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病院と美容院は似ている

病院に行き着いた。


なかなかの距離を歩いた。JRと私鉄の、同じ駅名やのに全然違うところにあるやんっていう距離ぐらい歩いた。


アケビは大きな咳払いを2つして、病院の中へと入った。ここはひとつ、患者のフリをして潜り込んでやろうと思ったのである。背が丸まっているのは生来のものだ。


「すみません、風邪ひいたみたいで」


対応してくれた看護師は、笑顔でありながら、一言も発することなく、問診票を突き出した。これが、この病院で徹底されている予防法なのだ。


「おおきに」と言い、問診票を受け取ったアケビは、待合室のソファにどかっと座り込んだ。足腰の疲労に、下半身がじんわり熱くなった。


少し休んで次のフェイズに入る。

風邪は引いていないし、保険証もない。金もない。アケビは診察を受けるわけにはいかなかったのだ。


アケビは立ち上がると、問診票をソファに置き、看護師に目配せをして、トイレに行く風を装った。敢えて目を合わせるというこの芝居がアケビのこだわりだった。


トイレがあるらしい場所の方へ歩き、館内地図を探す。大抵の場合、トイレから出た壁には案内図が掲示されている。トイレに行った患者がきちんと病室に戻れるようにするためだ。


トイレの前には、このフロアの地図だけが書いてあった。


地図には各部屋が丁寧に印字してあるが、その中に乱雑に貼られた閉鎖という文字がある。


閉鎖と書かれていた扉にたどり着いた。立ち入り禁止の立て札がある。


アケビは振り向き、人がいないことを確かめ、扉をそうっと開けた。

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