入学式?・・・うん、それオイシイノ?
やっと主要キャラと関わっていきます。相変わらずの超亀更新ですが、これからも、よろしくお願いします!!
ハーイッ!皆のアイドル、風華ちゃんだよー!!
んん?今?・・・・・・此処、何処だろうね!
・・・・・はい。入学1日目にして迷いました。いやー、こんな所に新たなトラップがあったとは!
ホント盲点だったね!一緒に来た景は生徒会に入る+新入生の挨拶でいないし、私のお手伝い係として来た、従姉妹であり右腕の菊花 魅月と椿 華海の2人は、どっか行っちゃったし・・・・・・や、ま、迷子になった訳では無いからね!!本当ダヨ!
・・・ん?あそこにでっかい建物が・・・!?もしかして、入学式がある第一体育館かも!?
よし!いくぞ!!
バンッッッ
「たのもー!!!」
「は?」
「「・・・・・・・・・・・・」」
扉をぶち開けたら、そこは埃だらけの教会?みたいな所だった。そこには、寝っ転がって、THEサボりです!といった雰囲気を醸し出している男子生徒が。目が合う私達。沈黙が広がる。・・・・・あら、爽やか系のイケメンじゃない♪ウフフ・・・・・逃げる!!
「し、失礼しました〜」
「おい、待てよ。」
ガッ
「ぐぇぇ」
襟元を掴まれ、蛙が潰れたような声が出る。私の襟を掴んだ男は・・・くそう、イケメンじゃねえか。男子生徒は大きな欠伸を一つして、ガシガシと面倒くさそうに頭を掻く。おおぅ、眼福だ。目が潰れる。・・・つーか、はよ逃げたい。ぜってー碌なことになんねーじゃんっ!
「おい、ブス女。何逃げようとしてんだよ。」
・・・そう、今、私は度が入ってない大きな丸眼鏡に、長い三つ編み・・・つまり超地味子なのだ。
まあそれはともかく、・・・・・・・・・・・・・・・・・・ココは何処?
未だにペラペラくっちゃべってる男子生徒はほっといて、色々と考える。
この名札は・・・多分1年だよね。つーか、この学園は今年から始まるから、先輩なんていないんだっけ・・・。だから泊がつくっていって此処に入らされた訳だし。
・・・・・・・・・何で入学式に出てないんだ?コイツ、新入生だろ?・・・それは私もか。
「おい・・・・・・おい!!お前!俺の話を聞いているのか!!このブス!」
「あー、なんか喋ってたよねー。お疲れお疲れ〜。」
「完っ全に聞いてねえよな!お前!!」
チッ、当たり前だろー。お前なんてぶっちゃけどーでもいいわ。はよどっか逝けや!クソが。
・・・・・おほほ、あららー、ついついヤンキーしてたときの口調になってたじゃない。もう、聞いちゃいやん。
「いえ〜、本気で聞いてましたよ〜。同級生君。大丈夫だよ。えーと・・・・・・好きな料理のこと?」
首をかしげながら適当に言ってみる。・・・まあ、外れるだろうな。つーか、当たったら凄いわ。逆に。私も初めて
・・・・・見ないわー。いたね、そんな子。料理が好きで、語り続ける子。あのときは、6時間、有り難いお話を聞いたっけ・・・アハ、アハハハ。
「違う!!」
即座に入るツッコミ。
あらあら、反射神経のようございますこと。将来、お笑い芸人になれるかもよ~。・・・て、ん?何の話をしていたっけ。
・・・・・・・・・・ああ、同級生君の話の内容についてだっけ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え〜。昨日の晩ご飯?」
「違うわ!!!つ~か、何だ、今の間は!」
もちろん、まさか何を話していたのか忘れたんだ~と言うわけがないので、適当にはぐらかす。
「ん〜、今日の美味しいお昼ご飯?」
「何でそうなる!一旦食事から離れろ!!!」
「え?ナニナニ?キミの気になるあの子?さあさあ!ホラ、こっそり教えてよ。大丈夫、誰にも言わないよ!」
そう言ってポケットからあるものを取り出す。それを見て、同級生君のこめかみに青筋が浮かび上がる。
「その手に握っているモノはなんだ・・・?あ?」
「え?・・・メモ帳だよ。友達への話題の提供に。取材だよ、取材。ささ、お気になさらず。ではどうぞ存分にお話しください!」
そう言ってスチャッと手帳を構える。さあさあ、私は本気だぞ・・・・・・・?キリキリ吐け?
真剣な私の姿に何かを感じたのか、同級生君は私をガン見する。
「お、おい・・・本気か?」
「・・・・・・・・・・・・」
私は答えの代わりに、いい笑顔でグッと親指を立てる。キミはイケメンだから、新しいクラスの友達作りにネタは役に立つと思うんだ!さあ、同級生君!!可愛い同級生のため・・・・・・・・・・・犠牲になれ。
獲物を狩る目になった私を、同級生君はその綺麗なご尊顔を引きつらせながら凝視する。
「やめろ馬鹿!・・・・・・・ハァ、疲れた。つーか、お前はどうして此処に来たんだ?お前新入生だろ。此処、第一体育館の真反対だぞ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前もだろ。
半眼になりながら心の中で思わずそう突っ込む。・・・・・まあ、いいや。見逃してやろう!私は優しいもんな!!
あ、そうそう。私、コイツに聞かなきゃいけないことがあったんだ。
「あ、それなんだけど、此処、どこ?」
「・・・ハ?」
「ハ?」
同級生君が首を傾げるので私もそれに付き合って首を傾げる。
・・・・・・ふむ。意外と可愛いじゃないか。なんかワンコの匂いがする。そういえば、部下だった景虎を思い出す。
・・・・・・ゴリラ顔に犬属性は・・・・・・・・・・・・・・・・・・ないよな。乙女ゲームには、ありえん人材だわ。つーか、いちゃだめだろ。どの設定で攻めていくんだ、開発者。どうやって売っていくんだろ。・・・・・・・某天才的な頭脳を持った少年名探偵君をパクって『見た目はゴリラ、中身はワンコ』とか?・・・・・・・・ないわ〜、果てしなくないわ〜。サブで売っていくとかもちょっと、つーか、ありえなさそうだしな〜。ふと、もしもあのゴリ・・・・・ゲフン、景虎が攻略対象者で、ヒロインに甘い言葉をかけているのだと想像してみる。
「おぇぇ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・吐きかけました。予想以上にアイツの顔面の破壊力は凄かった。脳がもうこれ以上想像するのを拒絶してるもん。キャパシティオーバーだわ。ちょっといくら仲間だといっても、お姉さんこれ以上無理。スマン。だけど諦めろ。
「お、おい。大丈夫か?」
吐きかけた私を心配したのか、同級生君が心配そうに声を掛けてくる。
「だ、大丈夫。」
いえ、本当にほっといてください。私が勝手に想像して勝手に気持ち悪くなっただけですから。ホント・・・・・・・・・・・本当に、将来ゴリラになんないでね!景虎!!!リアルに見た瞬間、心が壊れちゃいそうだから!!
・・・・・・・・・・・・・気持ち悪さと笑いすぎで。不謹慎だと言わない!しょうがないじゃん。意外に景虎から与えられたショック・・・・・景虎インパクトというべきものにあまりにも精神的にダメージを受けた。いかん。もうこれ以上はやめよう。色々と私の大事なもんが削られていく気がする。
「そ、それよりさ、本当に第一体育館はどっち!?」
「何言ってんだ?」
「いや、だから此処どこ?」
「プッ・・・・・・ハハハハハハハハハハハ!!!!!!お、お前、迷子か!そ、その歳してま、迷子!・・・・・・あ、アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
・・・・爆笑する爽やか系イケメン。くそう、違うんだからな!!
「ち、違うし!!何故か第一体育館が逃げていくんだって!」
「・・・や、それを一般的に迷子って言うんだ。」
まだ言うか!馬鹿にしやがって!イケメンのくせに!!・・・・・ん?
「だから、迷子じゃないって!」
「あー、ハイハイ。で、体育館の場所は分かんのか。」
なんか、返答が思いっきり適当になっていないか?つーか、目が何か生暖かい・・・・・・・・・・・・・き、気にするな!風華!風華は強いんだ!!
「・・・・・フ、人生に道なんてないんだよ!道は自分でつくるのみ!!」
そう言ってビシッと埃だらけの天井を指さした私。
フフッ、格好いーだろ。どんどん褒めていいんだよ!!さあ、カモン!!
「・・・おーい、帰ってこーい。ここは現実だぞ~。・・・・・・うん、俺が悪かった!悪かったから、頼むからそれヤメロ。」
「えーっ、この決めポーズ結構かっこよくない?お気に入りなんだけど。」
予想外の反応をした同級生君に、私はむくれながら反論する。いや、本当にかっこいいって!このかっこよさが分からないなんて、すっごい損してる!!
「おまっ・・・それ決めポーズなのか・・・・・・なんか、色々と残念な奴だな。」
そう言って同級生君が肩を落とす。・・・何でだろう?
「ん?ナニナニ?興味あんの??せっかくだったら、決めポーズバージョン2〜10まで見る?」
「10個もあんのか!?・・・お前、ちょっと黙ってろ。」
最終的には同級生君に必死に止められる。・・・・・・何故に?
首を傾げる私と対照的に、同級生君は肩を落とす。何か、お疲れのようだな。若いうちから苦労していると、禿げるぞ~。そう言ったら、・・・・・・睨まれた。
酷いな~。私は純粋なる善意(と多大なる悪戯心)で言ったのに。(もちろん、多大なる悪戯心の割合が99%なのは言うまでもない)
「ハア・・・・・・なんか・・・・・・・もう、どうでも良くなってきた。おい、お前、第一体育館に行きたいんだろ?連れて行ってやるよ。」
額を押さえながら言う彼に、私は思いっきり拍手を送る。おお~!救世主が現れた!!何故か、救世主様は頭を抱えているが。・・・・・・私は何にも知らないもんね~。そうして、私達は、第一体育館への旅に出た!
「おい!!何でそんなに自信満々に出ていきなり間違うんだ!!そこを右だ!右!!次にあの木のところを左に曲って・・・・・・・・・・・・・・・・・あああああああああああ!!!アホー!左っつっただろ!左!何で言って早々間違うんだ!!お前は左右の判断も出来ないのか!・・・・・・・・・・・・・・・・スマン。俺が悪かった。俺が悪かったから俺の前を行かないでくれ・・・・!!」
・・・・・・・・体育館までの道のりは遠い。
・・・・・ 主人公、思いっきり爆走しています。主人公、まさかの方向音痴!・・・・・哀れ、名も分からない同級生君。色々と苦労と迷惑を初対面にして掛けている主人公。相手が割と常識人なので、その分、「常識なんて銀河の彼方へぶっ飛ばせ!」が座右の銘の主人公相手なんて、何と荷が重いことか・・・。