第12話
俺は学生である。男子が希少な世界なので男子は無理にいかなくていいという規則をはじめとして特権的な事項も多く存在する。かといって家庭教師を雇うのはなあと思うし、そもそも学校は学習機関というよりは社会を学ぶ場だと思っている。コミュ障気味な俺にとっては厳しいものの野球を続けていくうえでコミュニケーションというのは大切なものだ。リカがケガして別の捕手とバッテリーを組むこともあり得るし、そんな状況でコミュ障を発揮したらまず間違いなく戦犯である。クラブに所属しているとはいえそれも限られた中でありその中でしかコミュニケーションをとっていたら別の意味で悪化する
まあ小学校でもあんまり話しかけれなかったんですけどね! いや、まじで、無理。話が合わないとかじゃない。戦隊ものも、アニメも少女漫画ベースで胸焼けする。面白いんだけどね? けどさ、うん。少年漫画っぽいやつも見たいよね……。そもそもどれも男女比1:1のがない。男が多いか女が多いかの二択しかない。文句ばかり言っていないで作れと言われるだろうがそれができねえから文句しか言えねえんだよ! 俺の癒しは大食いやら料理の番組だ。やはり食事はいい。前の世界とあまり変わっていないから楽しんでみられる
「おはよーございまーす」
「おはよ~」
基本的に登校はリカと一緒にしている。朝が弱い俺をリカが起こしに来て一緒にといった形だ。そして少し遠くから雫さんたちが監視している。それは仕方ない。この世界で十三年生きてきたが誘拐未遂が十回以上あった。恐らくこれも男子があまり登校していない原因なんだろうなあと思いつつ雫さんたちに感謝だ。誘拐未遂が五回を超えてから監視の人が増え、今では私服警護の人併せて五人はいるらしい。学校には行っても用務員という形でいるらしい。そこまでの人材を投入するくらいこの世界の男子っていうのは貴重なんだなあと改めて実感している
「トモ~、宿題見せて~」
「なーんでやってないんだよ」
「だって~」
宿題はそこまで難しいものじゃなかった。そもそも宿題はそこまでない。せいぜいワークくらいだ。尚且つ中一の単元であってそこまで難しくない。それでも躓くほどリカがアレなのだ。リカ曰く
「野球で食べていく!」
と言っていていたが……それでもだ
「みーせーまーせーん。四時間目だからそれまでにやれよー」
「いじわる~。マリナ~、みせて~」
「私もやってなんダワ。お前が見せてもらったやつを写させてもらおうとしてた」
「うわ、不正だ~」
中学校に入ってリカ経由であるが、友人は増えていた。学内でリカ以外と喋っていなかった小学校のころと比べると大きな一歩だろう
「おっはー!」
「ザス」
「おはよー」
「オハヨー、笹さん。宿題やった?」
「アッ、ハイ。ソコマデムズカシイモノジャナカッタノデ」
「リカー、おまえ笹さん見習えよー」
「えー、しょ~がないな~。マリナ~頑張ろうね~」
「うへー、けど数学の根布先厳しいもんなー。え、てかプーやってない?」
「やってっけど見せねー。頑張ってチョ」
ガヤガヤ ガヤガヤ
「え、てかさ。廊下側ヤバくね」
「トモがいるからね~。ほら、トモ。ファンサしたら~?」
チラッと廊下側を見たら女子で埋め尽くされている。動物園のパンダやアイドルになったみたいだな。イケメンになったと勘違いしそう。にしてもファンサねえ……指ハートか?
そう思い試しにやってみた。その瞬間ご近所さんから苦情が来るレベルの歓声が沸き上がった。マジでアイドルみたいだな。まあ男女比で考えてみたらアイドルなんだろうが……
「うぇーい、トモ君こっち向いて」
「ほい」
パシャ「ま、待ち受けにするわー!」
「トモ~、刺されないでよ~」
「刺され......ないとは言えないわな」
女性に刺された男性のニュースが極稀にしているので気を付けないといけない。それに生前ドルオタの友人が私信されていると思い込んだやべえ奴が他のファンにリプしただけでアイドルを刺したっていう事件があったって言ってたからマジで気を付けないと刺されかねない。女子の扱いに気をつけろと雫さんに言われたが……じゃあどうするのが正解なんですか??? 対応しないこと? いや雫さんにはそうしろって言われてるけど……
「塩対応すればいいのに~」
「打ち出の小槌みたいで面白いからつい」
けど対応したらクソデカ声が聴けるんだぞ? 面白いもん。雫さんごめん……それでも、俺はファンサする。本当に申し訳ない。これでメスガキみたいな対応したらヤバそう。けどやってみたい
「なあ、リカ」
「な~に~? 喋るならあそこの人たち黙らせてよ~」
「俺が『ざ~こ~♡』って言ったらどうする?」
「舌入れる」
「やめとくわ」
眼がガチだった。据わってた。耐性があるリカでさえああなるんだからこれは封印しておこう。俺には扱えないものだ
こんにちは、月照です。競馬は連敗、贔屓球団は連勝。感情の起伏が激しすぎます
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