第10話
打順は
捕 早島梨花
左 狩野真彩
二 真鍋連
一 安部綾
遊 山本望
右 小林来兎
三 村上奈那美
中 児島園絵
投 星野智
である。取り敢えずじゃんけんで勝った順で決めた。正直リカ以外の打撃の成績とか知らんし。リカは鈍足強打でインハイ得意、アウトロー苦手。選球眼はいい。俺は三振かHRかバントの三択
リカSide
相手先発は十一番。二番手の投手。最初は背番号無しの先輩が投げてくるかなと思っていたけど……。まあ関係ないね。変化球が解禁されるけどトモやシズクさんが投げてくれたお陰で対応は出来る……はず。速球も同じように練習した。そもそも小学生はストレートしか使われない
相手はカーブの落ちる球を中心に、横に曲がるスライダーでタイミングをずらす。決め球はフォーク。ストレートの球速は最高百二十㎞/h。本格派だ。
ヒュッ
「......はや」
……球速が解らないから何とも言えないが想像以上に速く感じる。……次もストレートか。とは言え……
「打てるね」
カーン
うーん、差し込まれた。打った感じはHRかと思ったんだけど……
「フェン直かあ~......柵越え出来るようにならないとね~」
さて、他の子はどういう風にするかな?
智Side
「ナイバッチー!」
流石はリカ。いきなり二塁打! チャンス、チャンス!次は狩野さんか……。進塁打以上にはしたいけど……流石に、無理だろうなあ。二年で十一を貰っているだけにすぐ立て直している。狩野さんを三振、真鍋さんを遊ゴロですぐに二アウト。四番の安部さんだけど……どうだろう。行けるのかな……
カーン!
抜けた! 一塁手と二塁手の間を抜けるヒット! リカは還れずランナー一、三塁。続くバッターは山本。俺たちベンチは盛り上がる
「気楽にいけよー!」
「HR! HR!」
「焦らないでねー」
「【贔屓球団のチャンテ】」
山本に投じられた初球
カーーン
フォークを掬い上げるように打った打球はネットを悠々と超えるHR! その瞬間みんな総立ちで喜んだ
「サイコー! すげえ!」
「やばぁ......! 未来のHR女王じゃん!」
「あれどこまで飛んだ!? エグイって!」
「ナイス! ナイス!」
「山本ちゃんが一歩リードかあ」
初対面はマジでコイツ大丈夫なのかな?って思っていた、何なら今も思っているが、打者山本望はすごい。リカ以上の打者だ
「援護点です! ゼロに抑えてくださいね!」
「任せとけ、お前を抑えた投手やぞ」
「で! 私の打撃! どうでした!?」
「すげえよ。それしか言葉がない」
後続は抑えられ、次は俺の出番だ
「どうする~? 変化球とかのサインは練習通りでいい~?」
「それで大丈夫。にしてもアイツすげえよな。あんな打球生で初めて見たわ!」
「......そうだね~。す、すごかったもんね~......ゼッタイニマケナイ」
最後になんか言ったか? 気のせい? 恐らくリカのことだから負けないようにって思ってるんだろうなあ。アイツ意外に負けず嫌いだし
リカSide
「それで大丈夫。にしてもアイツすげえよな。あんな打球生で初めて見たわ!」
その言葉を聞いた時私の心はどす黒い嫉妬に支配された。私以外を褒めるのは野球というチームスポーツである以上仕方ない。そう仕方ない。……仕方ないんだ。けど、あんな笑顔で、あんな嬉しそうに、他の女を褒める。あんな顔私にも向けてくれたことは無いのに。もし、彼女が捕手を練習したら……。私以外の人間が彼の球を取る? 私以外の人間が彼の亭主役として言われる? そんなの耐えられない。絶対に嫌だ……! 負けられない、負けたくない……。だから、次は完璧な当たりで、完璧なHRを、彼女以上の飛距離で飛ばしてやる……!
若菜Side
相手は先輩。正直あの山本選手と投げ合ったとは言えフィジカル差もあって結構打たれると思った。けれど、彼は打たせて取る形で、僅か八球で一回を終わらせた。正直この後登板する私たちに対するプレッシャーがすごい……。あそこまで詰まらせる当たりを打たせるのは無理。出来れば後五点取ってくれたら逃げ切れるかもしれない
石巻Side
すごい。キャッチャーのミットがほとんど動いていない。私もコントロールに自信があったが、実践であそこまで完璧なアウトローにカーブを決められるかと言われればノーだ。まさに本格派エースとして、貫禄が出ている。この後の登板が非常に億劫になる。けど、球数制限もあり彼一人では戦えない。全国優勝するためにはここを乗り越えないといけない。無失点とは言わない。二回一失点でまとめよう
山崎Side
やっぱ……星野様さっっっっいっっこう!!! 堂々たるエースの風格をもう漂わせている! あの、赤磐戦で見せた完璧な投球よりも進化してるの……ホント好き! テイクバックの見にくさと一球ごとに少しずつプレートの位置によって打者からはタイミングが合わせずらい。更に、百三十㎞/hのストレートに大きく割れるカーブ、打者から逃げていくようなスライダー、そしてそれらよりも遅く、タイミングをずらすカットボール。最後に落差とスピードがヤバいスプリットと……ああ! 素晴らしい! やっぱ疲れた後に見るよりも元気な時に見るほうがイイ……! 幼馴染の早島とシンクロしたガッツポーズも素敵……!
こんにちは、月照です。どうして今日に限って広島打線が大爆発するんですか……?
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